教育全国署名 静岡市議会・静岡県議会議長提出、県教育長と副知事にも要請

静岡市教育請願署名を 静岡市議会議長に提出 

7383筆

 11月24日、「子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願署名」を議長に提出しました。子どもと教育を考える静岡市民会議は、7383筆分の署名(昨年同時期の6017筆を大幅に上回りました)を静岡市議会議長に手渡しました。紹介議員の日本共産党内田、寺尾、杉本の3市議に同席していただきました。

 その後議長に次のように要請しました。

 「エアコンは小学校に設置され、来年には中学校でも全校に設置予定となっておりありがたいです。さらに特別教室や体育館にもお願いします。」

「コロナ禍で小学校1年生は入学からの大事な時期に休校となりました。再開後、例えばひらがなを見ても鉛筆の持ち方や筆順なども不十分なまま漢字や作文などに進まざるを得なくなっています。一人ひとりに対応する上でも、感染を防ぐ上でも少人数学級にする、教員を増やすことが必要です。」

「街頭署名をしていると高校生が応じてくれます家計の急変や進学での学費などに不安を持っていることがわかります。ぜひ援助をお願いします。」

不登校の子が増えていると聞きます。ぜひ援助を」

「静岡式35人学級の25人下限を撤廃してくれました。さらに30人、25人、20人とつなげていってほしいです。少子化で学校を減らす、先生を減らすのではなくチャンスと考えて少人数学級にしていってください。」

「子育てしやすい静岡市としての施策をお願いします」

 

 要望に対して議長は次のように答えました。

 「教育環境整備としてエアコン設置は比較的スムーズに行えている。特別教室や体育館も、さらにトイレなどもこの先の課題で、教育委員会も請願のように進めていくと思う。昔55人学級で今35人学級、環境が少しずつ整えられていると思う。子どもにやる気、自主自立の気持ちをつけさせるのは重要。準要保護の家庭などに対して格差是正も必要。給食の無償化もやってる市町も出てきている。学校に行かせるアイデアを考えたい。一気に行かないにしても、声を挙げてきたことが反映してきている。豊かな放課後について共鳴する。昔放課後は一人じゃなかったが、今は一人でゲームをしているなど、生活環境が変わってきている。子ども食堂などやられているが、当たり前の生活ができる社会にしたい。議会もルールに則って請願を尊重し受け止める。だれ一人取り残さないよう議会そろって対応したい」

 

静岡県教育請願署名を 静岡県議会議長に提出 

8244筆  

 11月25日には、「子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願署名」を議長に提出しました。子どもと教育を考えは、8244筆分の署名(残念ながら昨年同時期の17091筆を大幅に下回りましたが、これは各団体からの回収作業が昨年より遅れたためです)を静岡県議会議長に手渡しました。紹介議員の日本共産党鈴木節子県議が同席しました。

 参加者は以下のように議長にお願いしました。

 「少人数学級にする、教員を増やすことは、今焦眉の課題です。この署名は、高校の校長、PTA会長からも、また私立学校からも届いています。」

「コロナの感染防止にも20人学級が必要です。またヨーロッパと比べても、40人学級35人学級は遅れています。以前からイギリスでは25人学級が多すぎると声が挙がったそうです。フィンランドでは、教室に2~3人の先生がいるそうです。」

「同様の署名を静岡市に7283筆、浜松市に4233筆届けています」

静岡市教委の7月再開後の調査で、眠れない子が4割(注;眠れる子6割の結果から。以下同じ)、元気でない子が2割、勉強の遅れが心配な子が3割、不安や悩みがある子が5割などの結果が出ています。スクールサポートスタッフの増員などはありがたいことですが、やはり正規の教職員・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの増員で一人ひとりの子に対応できるようにしてほしいです。」

特別支援学級が8人定数のところを、(自閉情緒学級)7人、(知的)6人にしてくれたことはありがたいです。でも、多学年学級、人数が少なくても一つの教室に学年の違う子ども達がいるのでは、適切な指導ができません。」

「先生は忙しそうです。一人ひとりの子どもの不安に寄り添えていないようです。不登校の子が増えているのも心配です」「学校は避難場所となっていて地域住民にとっても大事な場所です。」

 

 これに対して県議会議長は、次のように答えました。

 「トイレの洋式化、エアコン設置など一気に進めている真っ最中。ICT化、タブレットなど環境を整えている。家庭環境の問題もあるが、国の方でも取り組んでいる。特別支援学級の子どもが増えている。できるだけ普通学級でほかの子ども達と一緒に育ってほしいと思っている。保護者負担の軽減も課題。議会の中で議論してしっかりと取り組んでいきたい。」

 

静岡県教育長(代理で教育監対応)に、要請

 11月27日、子どもと教育を考える静岡県民会議(教育県民会議)は、教育全国署名について恒例の静岡県教育長要請を行いました。残念ながら教育長は緊急の用事ができたとかで、教育監が対応してくれました。紹介議員の日本共産党鈴木節子県議が同席しました。

 

 要請の場では次のようなやり取りがありました。

 

 教育県民会議

「教育予算を増やしてほしいです。とりわけこのコロナ禍の中、必要です。不登校も増えています。」

「教職員は消毒など今までにない業務に対応しています。5、6月の休校、夏休みの短縮で、授業の進度・宿題の対応に追われています。」

「県教委の幹部は休校中の5月静岡新聞に『再開後の授業は確実に進度が速くなります』と寄稿しましたが、静岡市教委の学校再開後の7月調査では、眠れない子が4割、元気でない子が2割、イライラする、感染不安などの子が多数いることが明らかにされました。スクールサポートスタッフの増員などはよかったです。しかし子どもたちの声を聞いてやれるゆとりが必要です。」

「少人数学級、20人が必要です。」

 

 県教委

「定数改善については毎年国に要望しています。静岡市35人学級の25人下限を撤廃し、その成果の検証を進めているところです。文科省が30人学級を言い始め、財務省と『バトル』を繰り広げているところです。注視していきたいです。」

 

 教育県民会議

「学級の定数では、フィンランドでは1クラスの2~3人の教員がいると聞きます。イギリスでも。静岡県独自でも考えてほしいです。」

「高校の40人定数改善は検討しているのでしょうか。」

「高校の募集定員を減らすという報道があり、受験生などは不安となっています。40人のクラスではギューギューで大変です。」

「高校で定員割れの学年がありますが、40人から35人になって悪いわけではありません。むしろ学力面でも行動面でもよくなっています。」

「高校の定員を減らす、先生を増やすチャンスです。」

 

 県教委

「今のところ、高校の定数を減らすことは考えていません。県内3校35人学級にしているところはあります。クラス減は、生徒数が減る中、苦渋の決断です。」

 

 教育県民会議

「民間の労組に所属しています。『先生死ぬかも』というハッシュタグがついて、ネットで話題になりました。学校の先生の精神疾患が多いと聞いています。治癒するのに長い時間がかかります。復帰も大変です。そのための支援と同時に、そうならないような手だてが必要だと思います。厚労省メンタルヘルスチェックを全先生に実施、分析、診断するなどの体制が必要だと思います。」

 

県教委 

「大きな問題だと考えています。面談2回などの場で話を聞く、ストレスチェックなどを行っています。」

 

教育県民会議

「3月コロナ禍の時期、中学校の先生は高校入試の発表の際、不合格の生徒への配慮など苦労したと聞いています。」

 

県教委

「来年度はそうならないよう工夫していきたいと思います。」

 

教育県民会議

「『新しい時代の特別支援教育の在り方』としてパブリックコメントが行われています。有識者会議の『報告案』では、『特別支援学校の設置基準』が初めて取り上げられています。現場や障害種に沿った『設置基準』になるように県教委でも声を挙げてください。また、その中で、『インクルーシブ教育』や通常学級に行くことが強調されているように感じています。通級や『特別支援教室』などに重きが置かれて、専門教育、その子にあった教育や支援が軽視されるのではと心配しています。請願項目にある特別支援学級の充実についてぜひよろしく」

「高校の建て替えの計画が、コロナ禍の対策のため、1年5校(5棟)が4校(4棟)に減らされると聞いています。スピードダウンは許されないと思います。」

 

県教委

「現在対象は125棟あります。建て替えについては、当面でありずっとではなく、いずれもとの計画に戻します。」

 

静岡県副知事に、要請

 11月27日の同じ日に、副知事にも要請を行いました。県教委の方々も同席していただきました。

 はじめに教育県民会議事務局から、県議会への署名は25日から4298筆増えて12542筆になったことが紹介されました。

 その後、副知事から請願項目についての見解が述べられました。

 「コロナ禍対策の支出は増やしている。子どもの健康、安心を守るため2月から当初予算に加えて補正を組んだ。その後も現場の意見を聞きながら9月議会まで異例の1260億円の予算を組んだ。

ただ、法人2税の落ち込みがあり、今後の調整が課題である。国の方にも支援を要求している。

35人学級を30人学級についてこれからの検討課題。

やたら少なければいいのかという考えもある。  (←?)

私学助成については、所得制限590万円のところを静岡県は700万円にしている。頑張っているほうだと思う。

特別支援学級については定数8人のところを独自に支援している。特別支援学校についても狭い状況を見てきた。4月に2校開校する。基本計画の中で的確に実施していきたい。

コロナ禍対策での物品援助は引き続き行っていく。

ICT環境については国の施策に従って前倒しで行う。

学校の耐震化は公立で99.8%、私立でも98.7%済んでいる。

災害への避難計画では2013年のアクションプランで減災目標を立てて実行しているところだ。

(県立学校の)トイレの改修は補正の中で進めている。50%超となっている。高校のエアコンについても普通教室には来年の6月までに設置される。

 

 参加者からの発言は以下のようです。

 「本日の静岡新聞の『核心核論』欄に、『子どもを守る重要な役割 保健室の先生』という記事が載りました。コロナ禍当初、消毒などの物品がなく養教が街中を買いに走り回ったそうです。もともとコロナ禍前から濃厚感染の場として保健室の改善を求めてきていたところです。このコロナ禍の中でますます、例えば別室の設置などが求められます。春先の健康診断が遅れたことによる子どもの健康状態の理解、校医との連携、感染防止のための配慮、子どもの相談など、(一人で行っている)保健室の仕事への配慮措置にも気を遣ってほしいと思います。

また、ICT教育と言いますが、リモートなど特別支援学級の子どもには抵抗のある事だったようです。一律な実施でなく個々に配慮した施策もお願いします。

ICT教育については、むしろ学力が下がるという考えもあります。教える教員が研修を受けておらず、ICT機器使用に対するブレーキも掛けられません。」

 

 副知事

「ICT教育も全てとは考えていない。対面の必要性はわかっている。密を避け、感染を防ぎながらもコミュニケーションをとることは大切。大学でも大学生がリモートだけでは友達もできず…という話も聞いている。何ができるか。学校現場の判断も尊重しつつ、トータル的には教育委員会が責任をもって行ってもらう。」

 

・・・15分間でした。