コロナ禍の「情勢」の中、頑張っているのに・・・ 静岡県人事委員会勧告・報告2020

2020年の静岡県人事委員会勧告と報告

何で?

  静岡県人事委員会は、11月9日、労働基本権の代償機関の自覚なく、本年2度目の報告を(勧告なし)出しました。本来静岡県職員・教職員の「代償機関」であるなら、職員の働きや生活、健康を思って、月例給と一時金を合わせた勧告をすべきです。政治日程や民間準拠でなく、職員目線を大事にすべきです。

 

 しかも、勧告なしとあるように、月例給の改定なし=据え置きを報告しました。「情勢適応の原則」を振りかざします。

 「コロナ禍における公務員・教職員の奮闘は委員会の論議にあがらなかったのか」の問いに、人事委員会事務局は「給与の公民比較であるから。『報告』の方で触れている」と言います。

 

 つまり、公務員が未曽有のコロナ禍の事態の中でどのように仕事にまい進・奮闘しようと、通常ない業務に心身ともに尽くそうとも、静岡県職員と民間企業従業員の給与を比較した結果、「公民較差が極めて小さい(職員給与が民間給与を31円(0.01%)上回っている)から、月例給の改定はしませんと冷たく突き放すのです。

 10月21日に特例給=一時金・ボーナス(そのうちの期末手当部分)を0.05月(浜松市は0.1月と2倍も!)引き下げておいて、さらにこれです。

 

 加えて教職員には、悪名高き給特法において残業手当が出ていませんから、さらに体感温度は下がります。

 このコロナ禍の収束(終息)が見えず、このまましばらく続くだろうと考えると、身も凍る思いです。

 

 説明会では、他団体から公民較差の年齢比較の課題、年齢層別比較で新たに40代の課題が出そうなこと、不妊治療の問題、通勤手当、労基署としての県人事員会の役割、会計年度任用職員の県人事委員会としての扱い(今回触れられていない)などが出されました。

 

 報告の中で「上限時間の特例を超えて時間外勤務を命じた」例が多くあり「規則に違反する事態が生じていることは、誠に遺憾」とし、「管理職が職員の時間外勤務に関し適切なマネジメントを行うこと」と任命権者に対して厳しい言葉を投げかけています。この任命権者には教育委員会も含まれると。(教員は、給特法で「時間外勤務」がないことになっています。実際時間外で勤務しても、時間外手当はありません。)でも時間外勤務時間は計られています。(?どういうこと?)

 

 また、障害者雇用について、知事部局や警察本部では法定雇用率達成されているとしています。「報告」では触れていませんが(触れるべき!)県教育委員会は、法定雇用率2.40%なのに、1.70%です。特に教育職では1.10%です。ここでも、せめて「誠に遺憾」の言葉を使ってほしいと思います。

 

今後は県教委交渉です。(確定)

 

 すでに「人事評価の昇給への反映」という学校現場になじまない(どの職場でもなじむと思えませんが)提案がされるなど、多難ですが、がんばります。

 

 後日報告しますが、県教委は人事評価の賃金リンクについて、「人事委員会から重ねて求められている」と言います。でも、求められているのは、もっとあります。

 

参考

地方公務員法から

第6条 地方公共団体の長、議会の議長、選挙管理委員会、代表監査委員、教育委員会、人事委員会及び公平委員会並びに警視総監、道府県警察本部長、市町村の消防長(特別区が連合して維持する消防の消防長を含む。)その他法令又は条例に基づく任命権者は、法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律並びにこれに基づく条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、それぞれ職員の任命、人事評価(任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とするために、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び挙げた業績を把握した上で行われる勤務成績の評価をいう。以下同じ。)、休職、免職及び懲戒等を行う権限を有するものとする。

(情勢適応の原則)

第14条 地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。

2 人事委員会は、随時、前項の規定により講ずべき措置について地方公共団体の議会及び長に勧告することができる。

(給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準)

第24条 職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。

2 職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。

3 職員は、他の職員の職を兼ねる場合においても、これに対して給与を受けてはならない。

4 職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

5 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。

(給料表に関する報告及び勧告)

第26条 人事委員会は、毎年少くとも一回、給料表が適当であるかどうかについて、地方公共団体の議会及び長に同時に報告するものとする。給与を決定する諸条件の変化により、給料表に定める給料額を増減することが適当であると認めるときは、あわせて適当な勧告をすることができる。