小学校新教科書の採択に関する要請

2019年7月 3日に、静岡県内各35市町教育委員会に対して、次の要請書を送りました。 

 

 

小学校新教科書の採択に関する要請

 

 今夏、来年度から本格実施される改訂学習指導要領にもとづく小学校新教科書の採択が行われます。

 

 今回は、高学年の「外国語」科の教科書が新しく発行され、

2年前に採択された「道徳」教科書の採択替えも行われます。

加えて

「学習内容の削減は行わない」(中教審部会審議のまとめ)とされ、また報道等によれば、各教科ともページ数が大幅に増え、

プログラミング教育や授業の進め方に関する記述が数多く見られるとのことで、

子どもたちへの過重な負担になるのではないかと心配しています。

それは同時に

教職員の負担増でもあります。

その点を加味しつつ、

さらに憲法子どもの権利条約にもとづき、

すべての子どもがよくわかり、

より楽しく学習できるよう編集された教科書が採択されることを望むものです。

 

 教科書は「教育委員会が採択する」とされていますが、

その際には実際に教科書を使用して子どもたちと一緒に授業をすすめる教職員の意見が第一に尊重されるべきだと考えます。

日本政府も批准しているILO・ユネスコ「教員の地位に関する勧告」は、

「教員は、児童・生徒に最も適した教材および方法を判断するために格別の資格を認められたものであるから、……教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の適用について不可欠な役割を与えられるべきである」と述べています。

 

また教科書展示会などで見本本を読んだ住民・保護者の感想や意見も当然尊重されるべきと考えます。

 

つきましては、小学校新教科書の採択にあたり、教職員および保護者、地域住民の声を十分に反映した教科書採択が行われるよう、次のように要請します。

 

           記

 

1.小学校新教科書の採択にあたっては、各学校の教職員の意見を尊重し、採択に反映させること

 

(1)各学校への見本本回覧の実施、期間の延長、教職員が勤務時間の中で教科書を検討する時間を十分確保できるなどの条件を整えること。不十分な場合、再度の回覧の機会を与えるなどすること。

 

(2)各学校からの報告書について、「よいことだけを書く」「順位をつけてはならない」などの規制をおこなわないこと

 

(3)各学校からの報告書を全教育委員に配布し、採択の資料として正式に位置づけること

 

(4)調査委員等の選出は民主的に行い、恣意的に選出されることがないようにすること

 

2.より多くの保護者、地域住民が教科書展示会に出向いて意見を出せるよう、展示会の場所をふやしたり閲覧時間を延長したり、展示会実施の宣伝や案内を強めるなどを今からでも行うこと。

 

また、寄せられた意見を全教育委員に配布し、採択の資料として正式に位置づけること

 

3.教科書採択に関する教育委員会に、より多くの人が傍聴できるよう、条件を整えること。

 

4.この要請があったことを教育委員の方に知らせること。

                                       以上

 

7月、8月にかけて

教科書採択が行われます。

静岡県内は、10の地区で採択されます。

賀茂地区(下田市東伊豆町河津町南伊豆町松崎町西伊豆町

田方地区(三島市熱海市伊東市伊豆市伊豆の国市函南町

駿東沼津地区(沼津市裾野市御殿場市、清水町、長泉町小山町

富士地区(富士市富士宮市

静岡地区(静岡市)7月22日(月)14時~中学校教科書

         7月23日(火)14時~小学校教科書

         場所;静岡市教育委員会

志太地区(焼津市藤枝市島田市

榛原地区(牧之原市、吉田町、川根本町

小笠地区(掛川市御前崎市菊川市

磐田周智地区(森町、袋井市磐田市

浜松地区(浜松市

湖西地区(湖西市