2018年春闘要求書 静岡県教委に対して、

全教静岡が提出した重点要求は…  その1


前文から


 日頃貴職が、静岡県の教育の向上のために邁進されていることに対して敬意を表します。

 
 さて、文科省中教審に「働き方改革」について諮問をし、昨年末に「中間まとめ」を出しました。文科省もそれに基づき「緊急対策」を発し、2月9日には通知まで出して、着実な実行を求めています。現場で当たり前の定数改善や人員の増員について弱腰なのは気になりますが、勤務時間把握を強調し、また何より「必要な予算措置の確保」まで言及したことは画期的なことだと思います。

    → 文部科学省2・9通知ほか
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/__icsFiles/afieldfile/2018/02/13/1401366_1.pdf#search=%27%E6%96%87%E7%A7%91%E7%9C%81%EF%BC%92%E6%9C%88%EF%BC%99%E6%97%A5%E9%80%9A%E7%9F%A5%27


 他県でも「多忙化解消プラン」を出したり(愛知県など)、数値目標を設定して多忙解消に具体的に取り組もうとしたりする動きが目立ってきています。

     → 愛知県 教員の多忙化解消プラン
http://www.pref.aichi.jp/soshiki/kyoiku-kikaku/tabouka-30.html


 駿府城公園外堀の水戸違いと桜の花びら


 静岡県人事委員会報告は、今年度(17年度)多少トーンが下がったと感じていますが、行政職対象のところとはいえ、「業務改善に努めるとともに、職員数の十分な精査と確保に引き続き取り組む」と述べている観点は、県全体のものとすべきだと思います。

     → 静岡県人事委員会報告と勧告2017
http://www.pref.shizuoka.jp/zinzi/salary/documents/2902kankoku-honbun.pdf


 浜松市人事委員会の報告で、昨年1月20日に厚生労働省が発し、貴職にも1年前の交渉の場でお渡しした「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が触れられています。先の2月9日通知によれば、既に昨年6月には文科省からそのことの徹底が各教育委員会に通知されているとのことで、以前よりも速い動きに期待しているところです。

   → 浜松市人事委員会報告と勧告2017
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/jinji-iinkai/kankoku/documents/h29kankokusho.pdf
→ 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(2017年1月20日厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html



 そのような中で、貴職が「多忙化解消検討会」を立ち上げ、モデル校を設定しこの2年「夢」プロジェクト事業を進めてきました。「勤務時間に対する教職員の意識改革」から、さらに静岡県内の学校現場にどのような成果が上がってきているのか、交渉の場でお聞きするのを楽しみにしています。


 昨年12月、福井県議会は「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」を反対は一人だけの圧倒的多数で可決しました。「教員の多忙」、しかも「学力を求めるあまりの業務多忙」を指摘していますが、何より注目したのは、発端がある一人の中学生の自死事例であったことです。そして、「(学力テスト)日本一であり続けることが目的化し、本来の公教育のあるべき姿が見失われてきたのではない」と投げかけ、「痛ましい事件の根本の背景をとらえた上で、命を守ることを最優先」に捉えようと訴えています。私たちはこれを他所事と捉えてはいけないと感じています。

   → 福井県議会意見書(1人のみ反対で可決)
http://gikai.pref.fukui.jp/common/giketsu/myweb.exe/document%7C3%7Cguest07%7C%7C9652%7C0%7C0%7C223%7C1%7C1%7C0,8,0,0,-1%7C225,1%7C225,1%7C225,1?Template=PDFFrame


 さて、従前から賃金や労働条件、教育条件などに関わって、貴職との現状認識の違いを感じているところです。また交渉とは名ばかりで教育委員会からの伝達や組合からの声を聞き置くという対応も気になっているところです。今年こそ共に知恵を出し合い、改善につなげるための実効ある歩みを築く交渉となるよう望みつつ、以下に要求します。


 要求項目は、今後順次掲載します。



再掲 3/25(日)夕方の県庁と桜