労災・公務災害認定に残業時間=過労死ライン以外の負荷も & 免許更新制反対の声

労働災害(労災)・公務災害の認定基準を改定  

     残業時間以外の負荷も重視

 厚生労働省人事院、地方公務員災害補償基金(←教職員も対象)は、過労死を含む脳・心臓疾患に関する労働災害・公務災害の認定基準を改定しました。

 

残業6か月間80時間、あるいは直近1か月100時間の過労死ラインは変わりません(せめて睡眠時間に影響する65時間にしろと要求していたのですが残念)。

(WHO、ILOは、55時間以上はあぶない!と伝えていましたが、残念ながら聞く耳を持っていませんでした。今後の課題です。)

(最近もWHO、ILOは「長時間労働は75万人の死に影響 重大な危険と指摘」と報道されるような調査発表をしています。日本はまた一つ遅れました。)

 

しかし今まで過労死ライン重視の認定を(前述の過労死ラインに固執し、時間以外での認定は1割ほど)

過労死ライン(残業時間)以外の、

短い勤務間インターバル(退勤から出勤まで。長野県は最低11時間としています)、

休日のない連続勤務、

激しい肉体的労働等の負荷も認定基準に入りました。

   → 厚生労働省HP参照

過労死等の補償の面での前進だけでなく、

日常的な健康安全な働き方の目安の一定の前進として、

職場で受けとめたいですね。

 

勤務時間記録、把握の重要性は、ますます高まっています。

 

「在校等時間」などと、あいまいにする傾向がありますが、

教職員の場合、学校で「拘束時間」の中におり勤務時間です。

また、休憩中も「待機時間」の側面を持っています。

昼休みに運動場でけがをした子どもがいたら、お茶を飲んで見ている教職員はいません。すっ飛んでいきます。

 

 尚、次の組合要求と県教委回答を確認しておきましょう。

長時間過密労働の放置に賠償責任! ←公務災害も認定されましたが、

                 なんと賠償をも負うことになったのです

19年秋組合要求

福井県若狭町新任教諭嶋田友生さんの過労自殺に対する19年7月10日福井地裁の、校長の安全配慮義務違反を認め損害賠償を命じた判決を重く受けとめ、勤務時間管理を県・市町教委・管理職の責任で徹底するとともに、労務管理者であり職員一人ひとりについて安全配慮義務を負う管理職が、勤務間インターバルの観点も入れて勤務の割振りを行うように指導すること」

 

静岡県教委19年秋の回答

「(前略)今年9月に全ての新任校長に対して実施した労務管理に関する研修において、御指摘の事例を取り上げて、教職員の心身の健康に配慮した勤務時間管理を改めて求めたところであります。」

 

 教職員一人ひとりに安全配慮義務を負うのが校長・教頭などの管理職です。

過労死などの場合、公務災害認定実務を負うだけでなく、損害賠償を負うという判例が出ていることは、新任の方だけでなく、全ての管理職、これから目指す方にも、ぜひ知っておいてほしいことです。

 

教員免許更新制を廃止すること

 既に、政府・文科省は廃止する方向で動いているようです。

 この全教静岡ブログ8月25日の、全教談話「教職員を苦しめる教員免許更新制はきっぱり廃止を」「研修押し付けするな!」を参照してください。

 それがわかる前に、全教、全教静岡では「教員免許更新制を廃止すること」の一言要請に取り組みました。

 多くの方が、要請の言葉を寄せてくれました。全教を通して文科省に声は届けられています。政府・文科省を動かした一助になっていると思います。

 ところが、8月25日の標題にもあるように、政府・文科省は免許更新制はなくしても、研修履歴のようなものを一人ひとりにくっつけたいと画策しているようです。一般的に研修が大事だという考えを利用して、教員を上からの「研修」に縛り付けたいのでしょう。

 そこで、寄せられた声を、可能な限りここに載せて、思いを皆さんと共有できたらと思います。

 

★ 教師、先生という仕事を、もっと楽しいものにしてください。

 

★ 毎月100時間を超える時間外労働、新たな教育課題への対応、多忙な教育現場にとって、免許更新の手続きミスが発生し、同僚が職を辞するという今の状況は、とても大きなダメージとなっています。臨時講師や非常勤教員の確保の面でも、現制度は問題が多すぎるため、現場の教員を苦しめる。教員免許更新制の廃止を強く求めます。

 

★ 子どもたちのために日々、心を尽くして教育活動に従事している私たちのことを信じてください。(時折、報道されてしまうような不適切な行動をとる等の教員はごく一部です)更新制がなくても、自ら研修を行っています。むしろ、更新の年には、本来必要な研修を日程的にあきらめざるを得なくなってしまいます。どうか、制度の廃止をお願いします。

 

★ 負担が大きいため、廃止してほしい。

 

★ お金と時間をかけて受講しましたが、新たな見知が得られず、非常にもったいないと思いました。ただでさえ、多忙なのに、無だな時間を強制するこの制度は、即刻廃止していただきたい。

 

★ 大学の収入源、講師の質、運営に本気を感じない。「やらされている」感がありありと伝わり、費用を払って受講している者への責任感が見えない。ブラッシュアップはしたいのだが…。制度ではなく時間がほしい。

 

★ 今年度中の廃止をお願いします。

 

★ 人間の生命を扱う医師免許こそ、更新が必要なのでは?

 

★ 更新講習期間、子どもも小さく、家庭との両立が本当に厳しかったです。

 

★ 教員の時間を奪うな!!

 

★ 一度受講しましたが、教員の資質改善につながる内容とは、とうてい思えませんでした。

 

★ 多くの時間がとられる更新制には反対です。

  優秀な講師、ベテランの教員等、更新の煩わしさから、教育現場を離れてしまうこともあるのではないでしょうか。現場の多忙化につながる更新講習は見直すべきです。

 

★ 教員は日常的に十分研修を行っています。免許更新制講習は必要ありません。現場は教員不足で大変困っています。

 

★ 更新しているヒマはありません。