従順さを助長

静岡市黒田昭八 72歳

静岡県では2006年4月から「教職員評価制度」
の試行と査定昇級制のための新しい給料表が実施される。
やがて教職員評価制度で評価し、評価の高い教職員
だけを昇給させる査定昇級制がやられる。
 これは全国的な動きであり教職員と教育に及ぼす
影響は実に大きい。

 「教職員の資質能力向上のため」一生懸命や
っている教職員を評価する(県教育委員会)と
いうが、全国で年間三干人もの精神的疾患の教
員、多くの早期退職者や自殺者を生み出している
現状なのに、さらにどんな「資質能力」を要求し、
どんな「一生懸命」と評価するのだろうか。
  
 評価の仕方を工夫しても結局は、評価者である校長や
教育長の判断で評価が決まり、その評価一つで給
与が決められるのだから深刻だ。子どもや同僚の
ことを心配するよりも、校長や教育長の意向を大
事にし、従順に従う自主性のない教職員が増えて
いくだろう。


「戦時中の学校で一番いやだったことは教員一人一人
の月給が違い互いに隠し合い、職員室も暗かった。二度と経験し
たくない」。かつて軍国主義教育を担った白髪の
中学校長が、五十年前、代用教員だった私に語っ
たことがあった。今また繰リ返そうとしているように思える。