全労連が談話   コロナウイルス感染症での緊急事態宣言の発出について

全労連談話】コロナウイルス感染症での緊急事態宣言の発出について

2020年4月7日
国労働組合総連合
事務局長  野村幸裕

 4月7日、政府の「新型コロナウイルス感染症対策本部」は、新型インフルエンザ等特別措置法第32条に基づく緊急事態宣言を発出した。


 この緊急事態宣言での、集会の自由などの基本的人権が侵害される恐れは、なお払拭しきれない。緊急事態措置を実施する区域とされた、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府兵庫県及び福岡県での運用にあたって、不合理かつ行き過ぎた自粛要請や、施設管理権もタテにした規制、制限を行わないよう求める。実施される7都府県以外の地域においては拡張解釈や準備等を理由とした不当な規制や制限は認められない。


 また、自粛要請と補償は一体の立場で、休業要請等を行った事業所や当該事業所で働く労働者、学校休校や保育所の休園も含めた影響を受ける働くものの雇用確保、賃金、所得補償に万全を期すよう強く求める。

 

 実施区域とされた都府県での感染者の拡大と医療体制の危機的状況は、医師会等からも強く指摘されていたところであり、4月7日から5月6日までの期間を区切った措置を、専門家の意見もふまえ、また、衆参両議院運営委員会に報告して実施したことには理解を示したい。

 

 特別措置法では、「生活の維持に必要な場合を除き居宅から外出しないことへの協力要請」や、「学校、社会福祉施設、興行場など多数のものが利用する催物の開催の制限等」の要請または指示が規定されている。また、これらに加えて「娯楽施設等」への休業要請も検討されていると伝えられる。


 2月末に安倍首相が行った全国一律の学校休校や、3月末からの東京都などでの外出自粛要請は、科学的根拠も法的根拠も充分説明されないものであった。そのような「要請」で、子どもたちの学習権が奪われ、劇場や飲食、商業施設などの経営とそこで働く人々に甚大な影響を与えてきた。その影響が長期化することも含め、「要請」に見合った休業補償なども含めた行政責任を国、自治体ともに果たすよう重ねて求める。

 

 自民党などからは、コロナウイルス感染が拡大する状況に乗じて、「緊急事態下の国会の在り方」などの審議を口実に、衆議院憲法審査会の開催が提案されている。自民党改憲案4項目には憲法への緊急事態条項の新設を掲げており、「究極の火事場泥棒」的な動きと言わざるを得ない。また、総務省経産省が合同で、携帯電話の位置情報から集計した統計データの提供を通信事業者に要請したことも明らかになっている。今回の特措法による緊急事態宣言発出を契機として、改憲策動や権力による市民監視強化の動きには強く反対する。

 

 今回の緊急事態宣言は、区域と期間を限定したものである。他の地域で、感染拡大防止を口実にして、対象区域と同様の人権制約が許されないことは言うまでもない。


 感染拡大防止・治療のための医療・保健衛生体制の強化を求めるとともに、労働者・国民の生活の安定と権力の暴走に歯止めをかける取り組み、行動の継続、強化を訴える。

                               以上

 

 

注;「#自粛と補償はセットで」

 自粛要請と補償は一体のもの。多くの県知事が「国が休業補償をすると言ってくれないと、休業要請はできない」と言っているようです。

 静岡県は、期間などはまちまちですが、35の全市町が小中の休校を打ち出しました。その際に、学童保育や保育園については、判断が分かれています。3月もそうでした。学校以上に濃厚接触の場でありながら。企業や働いている人への「配慮」なのでしょうが、企業や働いている人への休業補償・雇用保障があれば、休園・休所が可能だったと思います。

 

教育委員会の出番

  家計急変による就学援助制度の利用(申請)「申請はいつでもできます」

  休校中の子どもの昼食(あるいは三食)の確保

 など、学校を通じて情報を得て、教育委員会が他部署に善処を求めることができるの

 ではないでしょうか。

 

  休校による学校給食関連業者への国の補助制度 設置者の市町へ←これなんかも、

 教育委員会が心配・配慮してもいいのではないかと思います。

  学校訪問を主な糧とした劇団、演奏団体など存亡の危機にある団体にも。