2018年度末人事異動について、静岡県教委(義務教育課)に要請

                2018年12月18日


9月に提出した2018年度末人事異動に関する要求書に対して、12月18日にようやく県教委が話し合いの場を設定してくれました。県教委も忙しいんでしょうね。


 尚、毎年要求するのは、年度末人事は「教職員の生活権と子どもたちの学習権に関わる重大な問題であり、異動に際しては教職員の身分の尊重、待遇の適正化が配慮されなければなりません。また、『人事異動は教職員の重要な勤務条件の変更』であり、組合との交渉により、その合意に達した事項に基づいた公正・明瞭な人事異動でなくてはなりません。」(要求書前文)と、考えるからです。
 「一人ひとりを大切に」人事異動の施策を進めていただきたいと願っています。
 さて、要求とやり取りは、次のようです。(但し、時間制限があるので、まったく触れられないところもあり。)


1.長時間・過密の労働実態を踏まえ、ゆとりを持って教育ができるよう増員・加配を含めて適正な人事配置を行うこと。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)   


2.新学習指導要領「先行実施」を考慮した増員・加配などの人事配置を行うこと。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。) 


3.職場の年齢構成に配慮した人事とすること。
県教委   バランスがとれるよう心がけている。年齢の偏りがあり難しい。ずっとやっているが、30年くらいかかるだろう。
組合   中学校の新採の教科に偏りがあったりする。隣の市と比べると違いすぎる。  


4.定数内講師でなく、正規教員を配置すること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。) 


5.本人の意思及び生活条件・教育計画をふまえた、納得・合意に基づいた公正で民主的な人事を行 うこと。強制的、機械的、差別的な人事は行わないこと。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)


6.少なくとも6年は同一校勤務を保障すること。「毎年1/4異動」などの基準をやめること。
県教委  25%などの基準はない。指示もしていない。一切ない。結果としてなっている場合はある。
組合   現場ではそういう風にとっていない。


7.全員に「異動希望先」を書かせたり、「在籍3年以上の者は異動のつもりでいるように」と言ったりするなどの 管理職の指導をやめさせること。
県教委   こちらから指示はしていない。(現場にいた時も)必ずかけとは言ったことはない。
組合   書けと言われる。また、県から言われていると思っている。歯止めをかけて。非正規が12〜14%という実態を考慮してブレーキをかけるべき。
県教委   産休代替などは除いて非正規は5%程度と考えている。
組合   指導者が短期で替わることが問題。未配置もずっと多いまま。講師の正規採用を抜本的に広げないと。


8.新規採用からの10年3校という形式的な異動方針(基準)をやめること。また、特別支援学級 も含めた異なる3所属を経験させるなどの方針は、実態を無視し専門性、主体性を侵すものである ことから、やめること。
    組合   他県の人からは、3年や4年で異動というと「何か悪いことでもして飛ばされたのか?」と言われる。10年3校をやめてほしい。いろいろ意見を言っても、すぐ転任だと、無力感しか残らない。


9.県の人事異動方針提示前に「希望調査」を提出させることのないよう地教委や校長を指導するこ と。管理主事訪問に合わせて異動希望を提出させることがないようにすること。
    県教委   県の人事異動方針が出て、それを教育長・校長に伝えてから調書を書いてもらうようにしている。
    組合   実態と違う。


10.「希望調査」提出については、十分な考慮期間が保たれるようにすること。県教委の人事日程もその旨配慮すること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)


11.地教行法38条・39条に基づかない人事は行わないこと。
    県教委   それはない。
    (38・39条→「市町教育委員会の内申」、「校長の意見」の尊重)


12.留任希望者を転任対象としたり転任希望者を留任対象とする場合は早めの打診を行い、納得・了 解を得ること。
    県教委   すべて希望どおりは難しいが、ていねいに説明をしていきたい。市町教委も指導したい。希望外の人はそんなにいないと思っているが、いたら事例を教えてほしい。
    組合   最近情報が遅い。早めにお知らせてほしい。
    県教委   けっこうなところまで流動的なので、早めの打診は難しいが、かなり頑張っていると思う。できるだけ早くしたい。


13.長時間・遠距離通勤にならないよう十分配慮すること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)


14.広域人事をやめること。やむを得ない場合でも家庭別居・遠距離通勤等、結果的に人権無視、労 働基準法・育児介護休業法違反や生活破壊につながることがないように留意すること。
    県教委   小さい自治体など必要。法令違反はない。
15.異校種間あるいは小中高間異動については、本人の希望を第一とし、地教委や校長から既定のこ とのようにして希望を書かせることなどないようにすること。
    (12.などと同じ)


16.妊娠中、産休中、育休中の教職員に対しては、本人の希望を尊重し、母性保護を最優先させるこ と。不妊治療中の教職員に対して、配慮すること。また、育児短時間勤務等を希望する教職員に対 しても配慮すること。
    県教委    配慮する。すべてうまくいくかは、難しい。
    組合   校長に十分事情をつかむように言ってほしい。この時期になって初めて職員の事情を知る校長もいる。(以下の17.18.も同じ)    


17.保育園等への送迎など子育てに関わる教職員や、家族の介護・看護等に関わる教職員については、 意向や状況を十分に把握し、無理のない勤務を保障すること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)
18.通院加療中または再発しやすい病歴のある教職員については、その便宜を最優先すること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)


19.退職を強要したり、組織的・計画的な退職勧奨を行ったりしないこと。
     県教委    ない。どちらかというとこちらから引き留めているくらい。
20.異動の有無を2月中旬までに本人に知らせること。異動発表3週間前までに、内示を本人と組合 に行うこと。問題が生じた場合は本人や組合の要求に沿った解決が得られるよう努力すること。
     (12.参照)


21.事務職員・養護教諭・栄養教職員等一人職の異動に関しては、広域人事とならない、教諭と同様 に異動の有無を早めに知らせる、複数校兼務の解消を図るなど特に配慮すること。
     県教委    難しい。事務も養教も500人くらいなので難しい。栄養職員はもっと少ないので。人数が限られている。
     (一人職については、何十年と同じやり取りです。採用の工夫など改善できそうでは)


22.臨時教職員・非常勤教職員についても、雇用責任上、安定的・継続的な任用等本人の経験・希望 に沿った誠意ある対応を行うこと。また、その旨校長を指導すること。年度末異動に必要な事務手 続きをさらに簡略化すること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)


23.入学式、始業式の日に必要な教職員が配置されていない事態をなくすこと。年度初めに必要な教 職員が配置されているようにすること。年度途中も未配置がないように努めること。
     県教委    担任がいないということのないように心がけていきたい。
     組合    再三再四要求しているところ。それでも、毎年何十件と未配置(教育に穴があく)がある。講師を正規に採用(任用)すればいい。
     県教委   法に則っている。※ できるだけ正規を増やしている。
        ※ 地方公務員法「臨時的任用は、正式任用に際して、いかなる優先権をも与えるものではない。」←だったら、正規と同じように担任や分掌や部活担当をやらせなければいい。「臨時的」なのに。逆に法に則っていない。


24.中学校の免許外教員を解消するよう人事配置をすること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)


25.赴任1年目の教職員について校内人事等特に配慮するよう校長を指導すること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)
組合   赴任(転任)1年目なのに、大変な仕事を任せられることが多い。文科省のHPを見ても、赴任1年目、2年目での病気罹患者が多い。配慮させて。


26.教務主任を前提とした人事異動はやめること。
(県教委からは、昨年と違って今年は言及なし。)
             
以上


 最後に、「障害者雇用数の水増し問題」について要請しましたが、また別の機会に報告します。