400万円超の退職金引き下げは生活破壊!

10月から続いてきた、県費教職員の来年度の待遇や勤務条件を決める秋の確定交渉最終日の11月20日、県教育長から最終回答がありました。

退職金削減、問答無用

教育長回答の骨子は以下の通りです。

1,給与改定しない。
2,現給保障は、廃止期間を平成26年4月1日からとし、平成25年度については減額しない。
3,50歳台後半層の昇給・昇格制度の見直しは、今年度は見送る。職員団体と話し合っていく。
 なお、平成26年1月1日の昇給から、現在、採用後3年を経過した教職員の給与加算を1年前倒しして、採用2年を経過した教職員を対象に行う。
4,退職手当は、国に準じた調整率の引き下げを行う。実施期間は、今後、知事部等関係機関との調整を行いつつ、職員団体の意見を伺い、平成25年1月末まに結論を出す方向で協議を進めていく。


 現給保障の廃止については、当初平成25年4月1日からと言っていたのを、全教静岡や高教組の猛抗議を受けて1年先延ばしにしました。
 しかし、それと引き替えのように出してきたのが退職手当の引き下げです。「国に準じた」と言いますが、国家公務員の退職金削減法案は11月16日、衆議院解散直前のどさくさに紛れてたった1時間の審議だけで強行成立させた「暴挙」としか言えない代物です。流用が問題視されている復興増税の言い訳、そして選挙前の民主党の実績づくり、そのために国家公務員が犠牲にされただけです。そんなものに準じる必要はどこにもありません。

休暇取得要件については前進面も

 休暇取得の面についてはいくつか改善が見られました。

1,看護休暇及び介護休暇の取得要件は、平成25年4月から、同居を要件に取得対象者に「配偶者の祖父母」を追加する。
2,家族休暇のあり方は、事務局レベルで職員団体と話し合いを行う。
3,小中学校における臨時的任用教職員の年次有給休暇の付与は、県の編成基準日を待って任用された者のうち、前年度の3月30日に臨時的任職員の要項の適用を受けていた者については、10日を限度として任用終了の年次有給休暇の残日数を追加して付与することを可能とする。

 家族休暇については取得理由をさらに拡大する方向で検討するということです。もともとは自由に使えた「リフレッシュ休暇」廃止の代償として設けられた休暇制度ですから、誰もが気軽に使える休暇になるよう改善するのは当然のことです。


 大きい前進としては、

常勤講師の年休繰り越しの要件が拡大

したことがあります。
 今年度から、前年度3月30日まで任用されていた人で今年度4月1日から任用された常勤講師については年休の繰り越しを認めるという改善がされ、「おかげで夏休みをゆっくり過ごせるようになった。」などの喜びの声がたくさん伝えられてきました。
 しかし、全教静岡は「小中学校では入学式・始業式の日付で任用される人が少なくない。同じ1年間の定数内講師なのに任用の日付で差別されるのは納得いかない。」として改善を要求していました。
 県内の学校では、1割以上臨時講師の方がおられます。担任を持ったり、分掌もしっかり割り振られ、正規とまったく同じか、人によっては、それ以上の仕事をさせられています。「大研」までする方も。
 にもかかわらず、待遇は正規と比べ、雲泥の差です。
 同一労働同一待遇は、世界の常識、日本の「非常識」 おかしなことが、教育界でまかり通っています。ここの改善は、まだまだ大きな課題です。

退職金って、ローン返済や、退職後の生活費でしょ!困ってしまうよ!

 全教静岡はこの最終回答を受け入れがたいとして拒否しました。しかし、最も大きな職員団体である静岡県職員組合がこれを受け入れたため、県教委をしてはおおむね了解を得たとして,今後の手続きを進めることになります。
 国の悪政を前に「しょうがない」と、素直になってしまってよいのでしょうか。   
 「全国各地から悲鳴とも言える批判が次々と湧き上がっている!」ことを示さなければ、今日の公務員バッシングは今後もエスカレートしていくばかりであることを私たちは自覚しなければなりません。


 県教委は、国と違い、退職金を判例にもあるからと、「賃金の後払い」的性格を認めています。(要請行動での発言)であるなら、はっきりと交渉事項です。
 来年1月末までに結論を出すという時まで、しっかりと職員団体の声を聞いてもらいましょう。
 計画していた退職金を、400万円も減らすだなんて、尋常なことではありません。「予定が狂う」程度のことではなく、生活設計の大幅な変更です。到底、容認できるものではありません。

 声をあげましょう!大勢で!組合の垣根を越えて!