昨年、今年の全教、全教静岡の取り組みから

教員免許更新制即時廃止の声、声、こえ!

不満や納得できないという声ばかりが集まりました。

 昨年2011年9月に9名(幼1,小7,中1)からアンケートを取りました。以下、主な内容です。
1,この制度を今後どうすべきだと思いますか。  
     廃止するべき 9/9名
2,あなたは免許更新制をどのように評価されますか。
     この制度で教育はよくならない 9/9名
3、不満に思ったこと、困ったこと、問題だと思われたことはありますか。複数回答
     申し込み手続き、受講料の負担・・・8
     試験による評価       ・・・7
     開講講座の内容、管理職等免除者の扱い・・・5
     開講される講座数      ・・・4
     その他の経費負担      ・・・3
     開講場所、服務の扱い、教委・管理職等による支援、
     やむを得ない欠席の場合の措置、既存の研修
    との関係・・・2
                               (多い順)

昨年度の自由記述欄にはこんな意見も

●夏休みの講習だったが、日直ができなかったことで同僚への負担を主任教諭に言われた。「当たり前と思っているが、迷惑を掛けていると自覚しろ」と言われた。自分が好きでいくわけではないのに。
・受講料だけでなく、5日間の交通費も負担が大きかった。
○講座を受講しなくても理解できていることが多かった。新学習指導要領の解説のような部分も多かった。
・夏休みの計画が立てにくかった。例年行っていることが十分にできなかった。
・早くやめるべきである。講座で学べた部分もあるが、疲労感がとても大きく、総体としてマイナスに働いている。会場への交通費もなかなかのものになった。免除者との不公平感が強い。
●教育制度・指導要領の講義は押しつけ感が強く、現場とのギャップに腹が立った。学生向け・机上の空論的な話が多く、もっと実践に結びつく話が聞きたかった。
・同僚は浜松大学の抽選に外れ、通信で受けざるを得なかった。何度も電話していた。
・5日間拘束され、一方的な話が聞き、膨大な量のノートやレポートを書かされ、昼食は行列をし、堅い椅子に長時間座っていて、とても疲れた。勉強しろというのなら、出張・公費の研修で保障してもらいたい。教師を続けるなら、こういう考えでこの制度を受け入れなければならないという圧力を感じた。
○新学習指導要領や教育基本法の改悪に対して無批判な講義のため、より子どもを苦しめ自分も困難になることを強く感じた。
●新学習指導要領の内容説明が具体的な事例に基づいていない。ただ内容の説明だけに終始しているので、興味がわかなかった。教育法規について「最新の教育事情」と銘打っていたが、あまり最新の情報ではなかった。
・講習を申し込む際に先着順のために、事務の方に9時スタートから50分間にわたりファックスをしていただいた。
・夫婦二人とも講習を受けていたので、夕食の用意が困ることがあった。
・更新講習をしなくても、普段の校内研修や官制研修で十分だと思う。教員だけが更新制なのは納得できない。(ほかに医師、看護師、弁護士、社会福祉士など、警察は免許もない)
○今年度は指導要領の改訂があったので、どんな内容が変わったのかと言う説明の内容が多かった。この内容で毎年講習を行うわけにはいかないので、今後どのような内容をやるのかなあと思った。教育心理の内容で学習障害の説明が長くて、飽きてしまった。事例はこちらの方がよく分かっているのに。
・受講前の週に母が入院した。講義の途中具合が悪くなったらどうしようと不安だった。途中で抜けたらまた取り直しになるのか、それとも失効になったら・・・と考えてしまった。
・近くの席にいた人は、当日38度の熱があるのに出てきていた。失効したりすると困ると無理した人は他にも何人もいるようだ。
・早急にこの制度はやめてもらいたい。夏休みなのに全然休みが取れない。体も休まらない。疲れた割に現場で生かすことが少ない。
●30代の女性の方でおなかの大きい方が参加していました。妊婦さんにとっては、5日間連続はとても大変だろうなと思いました。妊婦さんでなくても30代の女性はお子さんのいる方も多いだろうし、10年研と重なるので問題が大きいと思いました。
・講習を受けても9月から現場ですぐ役立つことはなかった。新指導要領の伝達が半分くらいあったが、それは校内研修でやればすむことだと思う。
・1日2科目×5=10科目すべて試験があるのは負担だった。
・リフレッシュしたい夏休みに5日間も拘束されるのはとても負担だった。今すぐ廃止すべきだと思う。
○3万円とるのはおかしい。行政の方で受講料は出すべきであると思った。
・8月15日〜19日は朝7時から6時までずっとこの講習でした。とっても暑い日々で、大変でした。夏休みがとれなかったです。
・試験はやらなくてもいいのではないでしょうか。(  )の中に当てはまる言葉を選んで入れなさい、次の法律が正しければ○、まちがっていれば×をつけなさい、大学生まがいの試験でとてもびっくりしました。

即時廃止の声ばかりでした。


今年度2012

全教 教員免許更新制で

7万6千筆の「即時廃止」署名を添えて 文科省交渉

全教静岡から690筆集約

 4月12日、全教北村佳久委員長をはじめとした全国からの代表19名は、全教・教組共闘が取り組んできた「教員免許更新制の即時廃止を求める署名」と要請書を文科省に提出し、交渉を行いました。


 冒頭北村委員長は、署名とともに行ったアンケート調査で「廃止すべき」の声が増えていることや日本PTA全国協議会のアンケートでも「必要だと思う」という回答が大きく減少していることを取り上げ、廃止を強く迫りました。


 文科省の不誠実な回答に対して、参加者から費用負担の大きさ、10年研との重なり、申し込み時の混乱など厳しい指摘が相次ぎ、「文科省は課題意識を持っているのか」という問いに、担当者は「持っている。現場の声を初めて聞くことができた。参考になった。」と答えざるを得ませんでした。


 全教静岡では、昨年度この問題に精力的に取り組み、「即時廃止署名」もこれまでになく集約することができました。職場によっては、署名用紙を机上に配るだけで自ら署名に賛同してくれる人がいたり、署名用紙を持ち帰って集めてきてくれる人がいたりしました。


 教員免許更新制については、校長・教頭など管理職を含め多くの教職員が「廃止すべき」という声を上げているのです。今回の文科省交渉は、こうした現場の熱い気持ちを代弁してくれる画期的な場であったと言えます。
 「初めて聞くことができた。」という反応には驚くばかりですが、全教だからこそできる闘いなのだと、意を強くしました。


 静岡県では、4月18日より常葉大学、5月1日より静岡大学での更新講習の申し込みが始まりました。職員室では、50代の教員が朝早くからFAXやパソコンと向き合い、焦りの表情で申し込み完了を確認しています。こんな光景を一刻も早くなくし、子どもの教育活動そのものに暖かいまなざしを注ぐことができるようにしなければなりません。


追  全教(全日本教職員組合)発行の
月刊誌『クレスコ』の9月号は、
『廃止しかない!  教育免許更新制』の特集です。
ぜひ、お読みください!
 いろいろな角度から掘り下げています。

追2  静岡県の某大学で1週間大変だった方たちへ
 お疲れ様でした。
 後輩のために、10年後のために、
 「苦行」を知らせてください。
 そして、制度廃止のため、取り組みましょう、ご一緒に!