文科省は、昨年財務省の主張に押されて、小1、小2の35人学級を、小1だけにしてしまいました。しかし、計画はそのままなので、予定通りならば、来年度は小3まで35人学級、となるはずでした。
 残念ながら、報道によると文科省は来年度小2を35人学級とする概算要求をたてたようです。
 しかし、この間、40人学級のまま手つかずだったことを考えれば、一定の前進としましょうか。今度は頓挫させないように。

 以下、現場の声

 

文部科学省と県教委が同時進行で実施すれば

静岡県の35人学級は、たった2年で完結する。

1年2010年度 36〜37人 →2011年度 27人
2年2010年度 40人 →2011年度37人
3年2010年度 38〜39人→2011年度30〜31人
4年 2010年度34〜35人→ 2011年度39〜40人   5年2010年度 39〜40人 → 2011年度34人
6年2010年度 36人 → 2011年度29〜30人

R小学校の1学級あたりの児童数を2010年度と2011年度とで比較したものです。2010年度にあっては、2年、3年、5年は40人いっぱいの限界学級と言っていいでしょう。1年と6年が36人以上の過大学級、唯一4学級編成の4年生でさえ35人に達する多人数学級です。40人のクラスでは机間指導に支障が出るほど机がぎっしりの状態で身動きもとれません。
 指導上配慮を要する子が増えている現状もあり、この人数では教育上大きな困難が生じるのは誰の目にも明らかです。35人学級(30人学級)の一刻も早い実現は私たちの最大の要求となっています。1980年以来30年間、40人の学級編成基準が改善されなかったのは異常です。諸外国をみてもこのような国はありません。
 2011年度になり、ようやく1年生の35人学級が実施されR小の1年生は4学級編成、27人のクラスサイズになりました。6年生にも静岡式35人学級が適用され30人以下学級となりました。加えて3年生が転入で学級増となり2年時クラスより10人も1学級あたりの児童数が減りました。
 新たに4学級編成となり1学級あたりの児童数が大幅に減った1年、3年、6年では、指導上大きな変化が起きてきています。
 「2年生の時は40人いっぱいのクラスで、4月当初から子ども同士のトラブルが多くその対応に追われてばかりいた。それが30人のクラスになったら全く違う。毎日の生活、学習を落ち着いて進めることができる。」と3年生の担任が話していました。 

 文部科学省が2010年に発表した「8年間で35人(1,2年は30人)学級を完結させる」とした定数増計画を確実に実施すべきです。静岡式35人学級も国の加配を流用することなく県の単独予算を組み早期に3年生まで到達させるべきです。国と県がともに実施すれば2年の内には静岡県の学校では35人学級が完結するはずです。現場の声をもっともっと大きくして運動を進めていきましょう。                         

「先生、教室がせまくなったの?!」

 今年は、持ち上がりの2年生を担任しています。昨年度の1年生は、1クラス31人の4クラスでスタートしましたが、途中で転出があり、3月の修了式の時点では学年総数118人でした。このままいくと学級減の3クラスになってしまうので、学校としては、春休み中になんとか3人転入してきてくれないかなあと祈るような気持ちでいましたが、皮肉なことに、他学年には何人か転入生が入ってきたのに、新2年だけは転入0で、結局1学級減の3クラスとなってしまいました。(40人、39人、39人です。)

 上記のタイトルは、4月6日の始業式の日に教室に入った私のクラスの子どもの発した言葉です。「教室が狭くなった?!」いえいえ、教室が狭くなるわけがありません。机が10個も増えたので教室が狭く感じるのです。参観会に来たお母さん方も、きっと同じことを感じたことでしょう。 

 この学年の子どもたちが大好きなので、2年生を希望したことを私は後悔はしていませんが、久しぶりの39人の限界学級で、感じることが様々あります。まず、机と机の間が狭く、机間指導するのが大変です。1年のおさらいテストをした時に、子どもが「先生、お隣さんと机を離しますか?」と聞くので、「そうね、離しましょう。」と言ったところ、私が体を横にしないと通れないのです。プリントを配るにも集めるにも、1日に何枚もある時は、時間がかかります。予定帳も1年の時は一人ひとり見ていましたが、時間がかかりすぎるので、今は「お隣さん同士チェックして○をつけてあげてね。」にしています。給食を運ぶのも大変です。とても重くなりましたから…。しかも、2年生は、給食室が遠いのです。今は、校長さんが台車を調達してくれて、重い物はそれで運んでいるのでだいぶ楽にはなりましたが…。給食を配るのも前よりかなり時間がかかるのは言うまでもありません。それから、なんといっても39人は多いなあと痛感するのは、教科のノートを見たり、日記を読んで赤ペンを入れたりする時です。日記は、今まで1時間半かかっていたのが、今は2時間かかります。それから、10人増えたことで、子どもたちのトラブルも多くなりますし、全員が静かになるのに時間もかかります。特に、隣の新採さんのクラスが、なかなか落ち着きません。やっぱり、30人と40人では、大きな違いがあるなあと痛感している日々です。

 今年は1年生のみ国の責任で35人学級となりましたが、一刻も早く、全ての学年で35人に、そして、ゆくゆくは30人になるようにと願ってやみません。