「教職員評価を条件付採用者の正式採用可否の判定に活用する」ことの撤回を求める要求書

静岡県教委は、4月の教育長交渉の席で、教職員評価を条件付採用者の正式採用可否の判定に活用することを表明しました。

 そこで、次の内容で県教委に撤回を要求してきました。

1. 教職員評価を条件付採用者の正式採用可否の判定に活用するとしたことを撤回すること。

2. 教員の条件付採用制度は、教員としてまだ未熟な本人の成長を願う立場に立つことを前提としたものであることを教育委員会として高橋判決からも学ぶこと。

3. 条件付採用者に対して、誤った認識や対応をしている管理職がみられるので、この判決を学び合う機会を設定するなどして、判決内容を広めること。

4. 各学校の管理職が、条件付採用者の重要性とおかれている状況を正しく認識し、職場の先頭に立って新採者を支援していくよう管理職を指導すること。
  
                              

交渉での主なやり取りは次のようなものです。


県教委) 評価制度の担当者は、「あくまで基礎資料の一つとして活用できるようにしたのであり、積極的に活用しようとしているのではない。」と説明しました。
 1年の条件付き期間制度があるかぎり、よりしっかり運用していることの証拠としたいため。
 評価制度は、本人に開示をし、意見の申出もできるから透明性が担保されている。

組合) 
ア なぜ、「今なのか」・・・新採のおかれている状況や評価されることへの不安が人一倍強い立場におかれていることへの解決策がとられていないのに。
 県教委の管理職向け「初任者対応」研修会でも、メンタルヘルスの問題などが重点的に取りあげられているというのに、それについての具体策は後回しにしておいて。 

イ 評価制度の目的は資質向上だ。可否の判定とは解雇するための資料であり、全く相容れないはずだ。C判定が出ても育成していくのが条件付きであり、評価制度の目的であろう。

ウ 条件付採用者の採用可否の判定に関しては、本年2月、重大な裁判所の判断が示された。京都市の高橋さんに対する最高裁判決(2月25日)この判決の趣旨に添えば、今回のような決定はあり得ない。 

エ 解雇に関する説明責任がかなり厳しく問われている。判定の具体は何も見えてこない。
 欠勤が多いとか、不祥事があったとか、新採=条件附き採用の段階でも、解雇要件は極めて限定的であるはずだ。 

オ 「(積極的に)活用する」との文章がある限り、今後これを恣意的に「活用」すること考えられる。いったん小さく開けた穴が、いつの間にか大きな穴になったり、別な形の穴となったりすることは珍しいことではなく、だからこそ、まだ極めて未熟なものでしかない現教職員評価を、条件付採用者の正式採用可否の判定に活用する道を、何よりも先に開いたことは重大なことでけっして看過できない。 

カ 本人の裁量性がない場合にメンタルヘルスの問題が生起している。新採には裁量性がきわめて少ない。本来「裁量性」が柔軟に認められなければならない教育の場で、このような施策はますます教員を萎縮させるもので、教育にとっても害のあるものだ。

キ 静岡県内でも、条件付採用者に対する誤った理解と対応が平気でまかり通っている現状を鑑みれば、まずやるべきことはほかにあるはず。新採者と職場等の両者にとってもプラスにはならないことは明らか。
 新採者に対して「あなたの首は、私がにぎっている。」と言う横暴な校長がまだまだいる。

 撤回まで迫っていきます。ご意見・情報を。