教員採用選考・臨時教職員の問題で県教委と交渉

臨教求める会ブログ http://plaza.rakuten.co.jp/kodou/ から転載

□ 7月26日(木)、全教静岡と県教委との交渉(県教委は「交渉」ではなく「要望を聞くだけ」だと言いますが)が行われました。

□ これは、全教静岡から提出してあった要望書について県教委からの回答をもらい、それに対してこちらからの話を聞いてもらう、というもので、県教委の総務課が対応しました。

以下、その内容です。

<要望事項>

1,長期臨時教職員経験者をできるだけ早く正規採用化するよう努力すること。

2,公表されている採用予定者数よりも少しでも多く採用すること。

<回答>

■ 採用については管理運営事項なので回答するわけに行かないが、組合からの要望として各課(義務教育課、高校教育課、特別支援教育課のこと)に伝えておく。

<組合から>

◇ ぜひお願いしたい。現場で認められている人がなかなか採用されないのはおかしい、もっとたくさん採用して欲しいというのは現場の切実な声だ。

◇ 公表されている採用予定者数はあくまで予定であって、さらに増やすことは可能な数字だと理解している。そのようにぜひ努力してもらいたい。

〈要望事項〉

3.一次試験合格者に対し、二次試験を職専免で受験できるよう、各市町教委を通じて校長に指導すること。

<回答>

■ 人事委員会規則に則って職専免を出している。規則に書かれている職専免にできる場合の中に該当するものがないので職専免扱いにはできない。校長や教頭の登用試験は職専免扱いなので、講師がなぜダメなのかというのは気持ちとしては理解できるが、採用試験はあくまでも就職試験というとらえ方をしている。

<組合から>

◇ 校長や教頭の登用試験が職専免なら講師が教諭になるための試験なのだからこの場合も職専免にするべきだ。
◇ そもそもすでに教員として採用している人にそうでない人と同じ試験を受けさせていることに矛盾があるのだから、採用試験のあり方全体の見直しをする中でこの問題も検討してもらいたい。
◇ 当面は職専免扱いにできないのなら、二次試験も一次試験と同じように土・日に行うべきではないか?

<県教委から>

■ 二次試験の日程については検討の余地があると思う。

<要望事項>

4,二次試験での健康診断書の提出をなくし、採用内定後に労働安全衛生規則に基づく健康診断を公費で実施するよう改めること。
また、健康診断書の結果を合否決定の際の資料とはしないこと。

<回答>

■ 行政職の採用試験は人事委員会が行っているが、同じように健康診断書の提出をさせている。それとのバランスをとらなくてはならないので人事委員会と話し合う必要があり、即答はできない。

<組合から>

◇ 労働安全衛生規則22条では雇い入れ時健診を雇用主の義務と定めている。
◇ また厚労省は再三通達を出して、採用試験時の健康診断は差別につながるので行わないよう呼びかけている。

◇ 採用試験の時に健康診断書を提出させれば、その内容が合否に影響すると受け止めるのが当然だが、厚労省はこれは違法だと言っている。
◇ もしも合否に影響しないものならば提出させる必要は何もないのだから、受験者に高いお金を払わせて提出させる必要はないはずだ。
◇ また、雇い入れ時健診として提出させるのなら、時期的に早すぎて規則違反だし、費用も本人負担というのはおかしい。バランス云々ではなく違法な状態なのだから、即刻改善するべきだ。

◇ ところでもう一つ聞きたいが、臨時教員の任用にあたって健康診断書を提出させるのも本当なら雇い主である県教委が費用を負担するべきではないか?

<県教委から>

■ 健康診断書を合否の判定材料にすることはない。提出書類からはずすことについては人事委員会とも話し合ってみる。

■ 臨時教員の健康診断書については、県立学校については2年目以降引き続く場合には提出しなくてよいことになっている。県立学校では臨時教員も県の負担で定期健康診断を受けてもらっているので、2年目以降は必要ないと判断した。

■ 義務制については雇い主は市町村教委になるのでそちらに聞いて欲しいが、おそらく、義務制では臨時教員は定期健康診断を受けられないので県立と同じ扱いにはできないだろう。

<組合から>

◇ 義務制の雇い主が市町村教委だというのは初めて聞いた。給与を県が出しているのに雇い主が市町村というのは常識はずれな見解だ。

◇ 健康診断については先の労働安全衛生法や規則に基づいて考えれば、義務制も雇い主の責任で定期健康診断を受けさせるべきだ。
◇ 雇い主が市町村教委だというのなら、県内で地域差をなくすためにも、すべての市町村で健康診断を受けさせるように各市町村教委を指導するべきだ。


◇ 以上、こちらの要望をできる限りかわしてやり過ごそうという態度が見え見えでしたが、全教静岡では引き続き追求していきます。また、人事委員会への働きかけ、各市町村教委への申し入れを今後の取り組みとして検討していきます。

ぜひ、みなさんの、とりわけ臨時教職員の方のご意見やご感想をお寄せください。