2006年静岡県人事委員会勧告に関する全教静岡の声明

静岡県人事委員会は、10月2日、県知事と県議会に対し、教職員を含む県職員の賃金等について、「本年は月例給・ボーナスともに改定なし」の“国追随の勧告”を行いました。
 私たち全静岡教職員組合(略称・全教静岡 構成組織…静岡市職員組合静岡県西部教職員労働組合静岡県中部教職員組合静岡県東部教職員組合)は、静岡県人事委員会が人事院勧告に追随することなく、「公民比較をする際、比較企業規模を下げるな」との要求をはじめ、「勤務実態の改善」「給与の改善」「現場に成績主義賃金はいらない」等を強く訴え、9月20日以降4回に及ぶ局長交渉及び要請行動を行ってきました。

■県人事委員会は公民比較をする際、人事院と同様、比較企業規模を昨年までの100人以上から50人以上に切り替えた結果、「改定なし」となりました。人事委員会自らが認めるように、従来の100人以上規模で比較すれば、月例給で1.37%(平均5,500円)、特別給(ボーナス)で0,05月上がるはずでした。ところが、そうならなかったのは、政府による公務員賃金の抑制政策があったからです。私たちはこの間、比較企業規模を1000人以上規模とするよう要求してきました。ところが、人事委員会は全く逆に、比較企業規模を一方的に100人以上から50人以上にするなど、私たちの要求と大きくかけ離れたものにしてしまったのです。人事委員会は厳しく批判されて当然です。

■私たちは、連年にわたり県人事委員会に対して「労働基本権制約の代償機関」としての自覚を持ち、しっかりその責任を果たすよう強く迫ってきました。しかし、県人事委員会はその役割を果たそうとする姿勢が極めて弱く、随所で“民間との均衡”に固執し、“他県の動向”“国の動向”ばかりを気にするなど、私たち公務員労働者の立場に立とうとしない姿勢をとり続けました。県人事委員会が「代償機関」となり得ない姿勢に終始する姿を見て、組合員の多くから“そんな人事委員会ならいらない。労働基本権をよこせ”との声が上がったことも至極当然のことと言えます。

■県人事委員会は、今年も報告の「むすび」の中で「職員の勤務条件等に関する諸課題」として「時間外勤務の縮減」や「メンタルヘルス対策」に触れました。「全体としては時間外勤務縮減の効果が上がっておらず・・・恒常的な長時間勤務を出来る限り少なくしていくことが喫緊の課題」と指摘しています。メンタルヘルス対策についても「職員の受けるストレスはますます増大してきている・・・改めて、職場全体の問題として対策に一層真剣に取り組む必要がある」としています。
 また、「教員の勤務状況調査」ですが、2回目の調査の際、私たちが声を大にして要求してきた「持ち帰り仕事」の調査がやっとで実施されました。まだ調査結果が出ていないということですが、要請行動の中でも「結果が出た段階で、人事委員会としての動きをつくる」と確認されたように、勤務条件改善の課題は何としても前進させなければならない問題です。

■教育長への口頭報告では、「学校現場の困難性の増大や調査、会議などにより、時間内勤務の多忙化が進んでおり、加えて・・・教員は心身ともに疲れている」「職員組合との話し合いの場の設定」「臨時教職員の待遇改善」「勤務状況調査の結果内容の改善」「安全衛生委員会の設置」等、今まで私たちが重ねて要求してきた内容が伝えられました。
 今回、こうした勧報告出された背景には、無視できない深刻な勤務実態があるからです。私たちは、今回の報告を十分に生かし、働きやすい職場づくりに向けて県教委交渉を進める決意です。

■以上見てきたように、今回の仕組まれたベアゼロ勧告は絶対に認めることはできません。また、諸課題も至急解決のための手が打たれなければなりません。私たちは、この勧告の不当性を県民に広くアピールするとともに、今後の教育委員会交渉に全力投球し、静岡県内二万三千余の教職員の要求実現のために奮闘することを決意します。
                    2006年10月3日
 全静岡教職員組合
 (静岡市職員組合 静岡県西部教職員労働組合 静岡県中部教職員組合 静岡県東部教職員組合