ひと言意見書

〜 学校現場のことを知ってください 〜

               小見出しは、支援する会事務局で付けました。

本当に苦しい

□ 養護学級の担任は、本当に苦しいのです。今、1年生7名の担任をやっています。毎日、毎日が苦しいのです。もしかすると、私も死にいたるかもしれません。それほど、楽ではありません。
  養護学級は、いくら人数が少なくても、その子一人を見通せるほど甘くはありません。楽な子なら、普通学級でやっているはずです。(小学校養護学級教員・SA)

給食時間ひとつとっても

□ 私は、小学校の教員をしており、1年生の担任をすることが多いのですが、児童が下校してからでないと、トイレにも行けないのが実態です。
 給食時間も配膳のために給食当番の子をひきつれて、給食室に行く間、残りの子どもたちを見てくださる教員はいません。ですから、給食時間の前後はとても神経を使います。食べているときも、こぼしてしまう子があればすぐ雑巾を持ってそこへ行ったり、偏食指導をしたりと、自分は食べているという感覚もないほどです。給食ひとつとっても、教員の仕事は、他の職業の方とは別世界に生きていると言っていいでしょう。なぜって、右目ではクラスの右側の子を見、左目では左側の子を見、宿題に目を通したり、親からの連絡帳に返事を書いたり、ということをやっているのですから。(小学校教員・AT)

一人六役七役

□ 中学校に勤務しています。教科指導に集中できれば、もっとよい授業ができると思いますが、不登校生徒への家庭訪問、分掌に関わる雑務、部活の指導など、一人六役も七役もこなすような感じで、自分の専門に手が回らない状態です。
 ケガをしていても、なかなか休みも取れず、日々疲れ切っています。(中学校教員・HH)

移動するときも

□ 特別支援教育が予算もないのに一人歩きし、普通学級の中に、障害児あるいは軽度発達障害の子どもたちがたくさん入ってきました。私たちは、全体を動かして(例えば、体育を体育館でやるとき)移動したいのに、障害児がいるため大変なことになります。トイレに行く暇もありません。そういう状況の中で教育を行っていかなければならないことを、ぜひわかってほしいと思います。(小学校教員・SK)

教室を飛び出してしまう子も

□ 私は、50代の、39人学級の小二の担任です。30代のとき、養護学級の担任を3年間だけ経験しました。学級の人数が少ないので、普通学級より仕事は楽かなと思っていたのですが、全然逆で、多忙を極める忙しさでした。
 いろいろな障害を持った子どもたちとの生活は、とても大変なものでした。突然切れて花瓶を投げつけようとする子、一日に何度もてんかんの発作を起こす子、外で遊ぶと休み時間が終わっても戻ってこない子、校外に行ってしまう子もあったりしました。教室で勉強していても、隙を見て飛び出してしまう子も。
 様々な行動をする子どもたちとの生活は、一時たりとも机に座って仕事をする余裕はありませんでした。我が子の対応に不十分ということで、保護者とのトラブルも多く、若かったのに偏頭痛に時々おそわれ、悩みも多かったです。
 それ以来、養護学級は担任していませんが、39人学級の普通学級より、養護学級の担任の方が、はるかに労力がかかるものです。(小学校教員・MY)

教材開発の時間も奪われた

□ 私は、中学校で社会科を担当しておりました。子どもたちを楽しく、学ぶ喜びを授業で演出するためには、教材開発・創造は欠かせません。それは、毎日のことであるのです。
 ところが、その時間を奪う教育委員会に対する報告書数等があります。例えば、生徒健康調査、給食残量調査、長期欠席者調査、交通安全通学路調査、通学者人数調査、進学予定・確認調査、進路決定校種別調査等、実に多様な報告調査があります。しかも時間を選ばずにやってくるのです。その間に、生徒の生活指導、父母との面談、部活動指導と、その多忙さは言葉で表現できるものではありません。
 どこに自分の時間があって、教材開発や研鑽ができるのでしょうか。毎日が時間の濁流の中にあるのです。家族・家庭をも、学校という時間に奪われるが実態であったのです。(元中学校教員・MI)

授業前にもこんなに仕事

□ 私は、小学校3年生の担任です。児童は28人です。
 朝一番の仕事は、飼育している烏骨鶏の世話と、花だんの水かけです。それが終わると、机に出された日記に目を通し、家庭学習でやってきた音読カードにコメントを書きます。その途中で、子どもが「先生、あのねっ」と話しかけてきたら、もちろん「なあに」と対応します。
 プール当番の日は大忙しです。1時間目が始まるまでに腰洗い槽に水を貯め、薬を入れます。大小2つのプールの水温をはかり、塩素濃度を測定し、必要量の薬を入れます。
 家庭から届いた連絡帳にも目を通さなければなりません。
 本番の授業前にも、こんなに仕事があるのです。これは普通の日です。(小学校教員・SN)

難しくなっている生徒指導

□ 中学校に勤務しています。今の学校現場は忙しく、1日終われば、疲れ切ってしまいます。
 朝部活の指導から始まり、授業のあい間をぬって生徒指導の連絡・指導等、ゆっくり休息・休憩を取る時間はありません。それに加えて、最近の生徒指導は、子どもの複雑な発達や発達環境の大きな違いなどにより、極めて困難な条件があり、大変です。指導しきることが難しくなっていることも、知ってほしいところです。(中学校教員・OY) 

目の回る忙しさ

□  毎日学校に着くやいなや、目の回る忙しさです。急いで拡大コピーをしたり、ワークシートを印刷したりして授業の準備。教室に行けば、私の机の上は、宿題のドリルや音読カード・日記・プリント・・それから連絡ノートなど山のように積まれています。授業が終わると、早速丸つけに取り掛かります。授業でやったものの丸つけも増え、休み時間や昼休みは、毎日丸をつけたり、赤ぺンを入れたり、又は、学習や行動面で子どもを指導したりで大忙しです。放課後も殆ど会議や打ち合わせなどが入っており、学校で教材研究をする時間なんて全くといっていいほどありません。
それで、職員会議で、教材研究する時間や、ノート・ワークシート・作品などの見届けや評価する時間を少しでも作って欲しいと頼んだところ、校長は、気持ちはわかるが出来ないと言いました。家に持ち帰ってやるということですかと聞けば、そういうことになるねという返事でした。管理職はいつも、「授業で勝負して欲しい。」と言いますが、本当にそう思っているのでしょうか。本当にそう思うのなら、授業の前の教材研究や後の見届けをもっと大事にするのではないでしょうか。私達教師は誰だって、子どもたちに学習の喜びを味わわせてあげられるような授業をしたい、確かな学力をつけてあげたいと思っています。だから結局みんな、遅くまで残ってやったり、持ち帰ってやったりして出来る限り頑張っているのです。
授業実践力の向上だとか、県版カリキュラムの普及・浸透の為だとか言って、コーチングスタッフ派遣などというものを昨年から始めましたが、肝心の日々の授業の教材研究が充分できていなければ、授業実践力もなにもないんじゃないでしょうか。また、授業時数ばかり計算して、標準時数よりちょっと多めにやって安心していますが、授業の中身が充実していなければ、意味がないんじゃないでしょうか。私は、「時間さえあればもっともっと工夫して、子どもたちが楽しんで学べる授業になるように研究するよ。」って言いたいです。
管理職は、子どもの言葉にもっと耳を傾け、もっと休み時間など子どもに関わるといいとか、作品へのコメントはこんな内容で書くといいなどと色々言ってきますが、私達だって、子どもたちとゆとりをもって接し、話もゆっくり聞きたい、子どもの為になることはどんどんやっていきたいと思っています。でも、あまりにも時間がなさ過ぎます。図工の作品などへのコメントをいつ書いていると思っているのでしょう。時間のわりに、やらなければならない事や要求されることが多すぎます。これに、何か問題行動が起きたり、子どもが怪我でもしたりすれば、もうパニックになるくらいの忙しさになります。
1日は24時間しかありません。時間を増やすことは出来ません。私達は家族に迷惑をかけたり、自分の睡眠時間を減らしたりして毎日出来る限り頑張っているのです。うちの校長の口癖は、「忙しいことはわかる。でもやらなければならない。大変だけどお願いします。」です。本当にわかっているのでしょうか。こんな状況で、よい教育ができると思っているのでしょうか。教師だって人間なんだから、これでは疲れ果て、元気がなくなり、よい教育ができるとは思えません。(小学校教員・UM)

体験入学の受け入れも大変

□ 養護学級での体験入学の受け入れについて、両校での受け入れ調整、生徒の理解、書類の準備などは、馴れている者にとっても大変なものです。お互いに生徒の情報を交換することや、保護者の情報など、気を許すことができないのが実状です。非常にデリケートなことなので、教員にとっても神経をすり減らすことばかりです。(中学校教員)

今の状況に危機感

□ 「トイレに行くひまもない」「考えるゆとりもない」と現職の教員から聞きます。文字通り、今ははるかに多忙で、仕事に追いまくられながら、懸命に教育に励んでいる状況と思われます。いいかげんなところのある私が、桜の花をしみじみ美しいと思って眺めることができたのは、退職後3、4年してからでした。見ていても見えなかったわけで、“神経をつかっていたんだなあ”と自分でもびっくりするほどでした。
 今は多忙の上に、難しい問題も多く、教員どうしの日常会話が減っているそうで、大変なところにいると思われます。
 尾崎さんのように、やさしく生徒一人ひとりに心を配り、親身になってとりくむ人は、心につきささることも多く、責任を強く感じられることも多かったろうと思います。
 多くの先生方が、そのような状況に追い込まれていることを、私は憂い、危機感をもちます。(退職教員・KS)

学校を辞めたいと思ったことが何度も

□ 学級の中にADHDの子やそれ以上に暴力をふるう子がいて、大変苦労した年がありました。一応学校体制ができていたため、何かあった時には管理職が駆けつけたり、教務主任が来たりと助けられたものの、私の腕は日々ひっかき傷が絶えませんでした。その暴力等に対して周囲の親から教師批判もあったりして、気持ちの上で学校を辞めたいと思ったことが何度もありました。
 今思うに、かなり参っていたようです。学校を休むことはなかったものの、その手前まできていたように、今ふりかえって思います。
 尾崎先生の体験事例は、とても人ごととは思えません。精神的に参ってしまったこと、よくわかります。(小学校教員・ST)

多種多様な生活環境の子どもたちに対して

□ わたしは、今小学校6年生の担任です。全校児童数は300人弱ですから、学級規模は1学級20人台で、一人ひとりへの目はゆき届きます。しかし、今日の子どもは、社会問題になる多種多様な生活環境での重荷を抱えて、毎日学校に来ています。親が夜勤なので、朝食が用意されずに食べてこない、塾、習い事が毎日あり、学校の宿題などやっていられない、感情を平静に保てず、友だちと度々トラブルになる、などなど。
 勤務時間内は、会議、打ち合わせでつまっていて、学級担任事務は勤務時間外か、帰宅後にするしかありません。こういう勤務実態は、一般的な教員の勤務状況です。(小学校教員・NK)

現場を知らない教育委員会

□ 昨年度、保護者の要求にすべて応えてしまう教育委員会と管理職の中で、勤務をしてきました。私自身が臨時講師という不安定な立場であるにもかかわらず、保護者は信じられない要求をしてきたため、それにすべて応えるという状態になってしまい、身体的にも精神的にもまいってしまった時期がありました。
 現場を見ないでものを語るという教育委員会の体質、臨時教員である私にも過酷な要求をし、大変な思いをしました。相談する人もいなくて大変な思いをしました。もっと現場の声を多く聞いてもらいたいです。また、若い人を採用し、若い人も育てていくことをしてほしいです。(中学校臨時教員)

教材研究を学校で行う時間的余裕がない

□ 私は、小学校の3年付きのフリーを担当しています。理科、社会、算数、体育などの教科や総合的な学習の時間を教えています。週に23時間もあり、教材研究を学校で行う時間的な余裕がありません。
 また、3年生の3学級には、どの組にもADHDなど、落ち着かない児童が2〜3人いて、一人ひとりに対応するのは、とても大変です。ある児童は「これやるの、いや!」と言い始めると、テコでも動かないで、席を離れ床に寝そべったまま1時間何もしないこともよくあります。クラスで一人でもいると、その対応で忙しいです。(小学校教員・ST)

心身をすり減らす仕事

□ 教員の仕事は心身をすり減らすものです。毎日毎日、一日中子どもに関わり、責任の重さや緊張感に、体調を崩したり、神経を病んだりします。これは、けっして特殊な例(レアケース)ではありません。(高校教員・HI)

先生一人では大変

□ 小学校に勤務しています。養護学級の音楽と算数にTTに入っています。養護学級の子どもたちは、授業に集中できる時間が短いです。音楽の時間では、歩き回り、周りにある楽器に触れて音を出したり、後ろに行って遊んだりする児童についています。音楽の先生一人では、授業をするのがとても大変です。(小学校教員)

県教委の勤務状況調査でも多忙が明らかに

□ 静岡県教育委員会は、私たち組合が長年要求してきた『勤務状況調査』を06年1月と6月に2回に分け実施しました。調査項目、内容など不十分なものでしたが、私たちの予想通りの傾向が出ています。(現在集計中の部分あり)
 高校に関して言えば、平日(月〜金)でも、全日制の場合45%の教員が2時間、3時間まで20%を超す教員が、連日部活動や教材研究などの業務(残業)をしています。また休養すべき週休日(土日)でも20〜40%以上の教員が学校で部活動等の業務に当たっています。これには対外試合(練習)は含まれていません。
 「部活動」は業務から除外され「教育活動・教育上必要」の視点から、多くの教員はやらざるを得ず、「精神的負担」にさらされ「サービス残業」させられています。
 子どもや保護者の実態、要求、社会的環境が大きく変化する中で、労働時間、精神的な重圧は、かってなく大きなものがあります。(静岡高教組・SM)

授業準備の時間がない

□ 私は現在、学級担任を離れて、級外として、少人数指導の担当と理科の教科指導の担当をしております。3年生以上で理科の授業がありますが、すべて7学級のうち5学級の理科の授業を私が担当しています。理科の授業は、準備に時間をかける必要がありますが、1週間の授業時間の中で授業準備等のできる時間は、わずか2時間しかありません。(それ以外の時間はすべて授業がある)ですから、勤務時間外の仕事がどうしても多くなってしまいます。(小学校教員・WH)

裁判官にほとんど知られていないだろう学校現場の実状を知ってもらおう

  現場を生々しく語ってもらい裁判所に声を届けようとしています。打ち直していくだけですが、それでも切なくなります。
  ぜひ、みなさまの声もコメントでお寄せください。