国民投票法改定案の採決に抗議する 全教談話

2021年5月7日

【全教談話】衆議院憲法審査会における

国民投票法改定案の採決に抗議する

全日本教職員組合(全教)

書記長 檀原毅也

 

 5月6日、衆議院憲法審査会で国民投票法の改定案が可決されました。

今後、5月11日の衆議院本会議を経て、参議院に送られることになります。

全教は、改憲発議に道をひらき、憲法改悪に直結する国民投票法改定に強く抗議するものです。

 

 5月3日、改憲派の集会に寄せたメッセージの中で菅首相は「憲法改正に関する議論をすすめる最初の一歩として国民投票法の改正をめざす」と述べ、国民投票法改定の目的が自民党改憲4項目の提示と改憲発議であることをあからさまに語るとともに、憲法9条改定にも意欲を示しました。

 

 自民党改憲策動を強めようと、4月に自民党憲法改正推進本部の最高顧問に安倍前首相を据えました。安倍氏の側近の下村博文総務会長は、自民党改憲4項目の緊急事態条項にコロナ対策を含めるべきだと主張し、「今回のコロナを、ピンチをチャンスとして捉えるべきだ」と述べました。死者が1万人を超え、国民のいのちとくらしを脅かしているコロナ禍をチャンスと表現する姿勢に大きな批判の声が上がっています。

 

 同時に、第204通常国会では、

政府による国民監視を強めるデジタル関連法案、

移民・難民の人権を侵害する入管・難民法改定案、

米軍基地や自衛隊基地、原発などの「重要施設」の周囲の土地利用を規制することで反対運動を監視し弾圧をねらう土地利用規制法案など、

事実上、憲法の空洞化をすすめる諸法案の成立がねらわれています。

 

これらの法案の成立を許さないとりくみが重要になります。

 

 そして、今後の参議院憲法審査会で国民投票法案の問題点を徹底的に議論し、衆議院憲法審査会でも国民投票法について本質的な議論をすすめ、自民党改憲4項目を提示させず、安倍・菅改憲を許さないたたかいを強めることがきわめて重要です。そのためにも改憲発議反対全国緊急署名を積み上げることが必要です。全教は「教え子を再び戦場に送るな」を掲げ、憲法改悪を許さず、憲法を守りいかす社会をめざす国民的な運動をさらに発展させる決意を表明するものです。