【全教談話】

共謀罪法案の衆議院本会議での採決の強行に抗議する

   2017年5月23日
   全日本教職員組合(全教)
   書記長 小畑 雅子

 自民、公明、維新の3党は5月23日、国民の思想や内心を処罰の対象とする共謀罪法案を、国会での論議も国民への説明もまったく不十分なまま衆議院本会議で採決を強行しました。全教は、密告社会を生み出すことにつながり、市民の運動や教職員組合の活動だけでなく、教育活動そのものを委縮させ、教育の自由を奪う共謀罪法案の衆議院での強行採決に抗議します。


 短い国会審議の中でも、政府が立法の理由とした「テロ対策」という口実は崩れ、「一般人は対象にならない」という言い訳も成り立たなくなりました。
共謀罪法案は、内心の自由の侵害につながる憲法違反の法律であるだけでなく、秘密保護法、「戦争法」、刑事訴訟法の「改正」による盗聴法の拡大などに続いて、「戦争する国」づくりをよりいっそうすすめるものであることが明確になっています。
日本弁護士連合会や日本ペンクラブなど多数の団体が共謀罪法案に反対の意見を表明しています。
世論調査においても、共謀罪を「いまの国会で成立させる必要はない」が56%(「成立させるべき」31%)、政府の説明は「十分ではない」が77%(5/20,21共同通信)となっており、国民の不安と懸念はますます広がっています。


 共謀罪法案は、これまで3回にわたって国会に提出されたものの、言論・思想の自由を圧殺するとのきびしい批判をうけて廃案になりました。今国会で、世論の支持もなく、国会審議の中で与党のウソと矛盾が次々と露になっている共謀罪法案を、数を頼んで強権的に押し通すやり方は、安倍政権による暴走の深刻な矛盾と焦りの表れです。


 この間、共謀罪法案の廃止を求めて、全国各地で集会や宣伝行動がとりくまれるととも、全教の組合員をはじめ全国から連日国会周辺に駆け付け、1万人が国会を取り囲む行動も行われました。市民と立憲野党の共同もすすんでいます。共謀罪法案の内容とねらいを国民が知ることで、成立阻止を求める声はさらに広がります。
全教は宣伝と学習をさらに強め、共謀罪法案を参議院で廃案に追い込むために全力をあげてとりくみます。