【全教談話】衆議院の解散にあたって

みんなで投票に行って、憲法改悪を阻止し、憲法を守り、いかす政治の実現を

〜政治を変えて、子どもと教育を守ろう〜

                               2017年9月29日
                                全日本教職員組合(全教)
                                   書記長 小畑 雅子

1.9月28日、安倍政権は、臨時国会の冒頭で、所信表明演説も代表質問もないまま、
  衆議院を解散しました。
  10月10日公示・10月22日投開票で総選挙が実施されます。

森友問題、加計問題などに対する国民の疑問に全くこたえず、
憲法53条にもとづく野党からの臨時国会開催要求にも背を向けたままのこうした姿勢は、
国政私物化の最たるものです。
 同時に、安倍政権が解散に踏み切らざるを得なかったのは、国民の不信、怒りが高まるもとで、追い込まれた結果でもあります。


 今回の総選挙は、安倍首相の国政私物化、憲法破壊を許さず、安倍政権を退陣に追い込む絶好の機会です。
 安倍政権を追い詰めた市民と野党の共闘など幅広い国民的な運動を確信に、
 総選挙を政治の流れを変える確かな契機とすることが重要になっています。

全教は、すべての組合員、教職員のみなさんに、総選挙での要求実現をめざす奮闘を心から訴えます。


2.今回の総選挙の大きな争点は、

憲法9条の改悪を許すかどうかにあります。


 この間安倍政権は、立憲主義を踏みにじる暴挙を重ねて、憲法違反の秘密保護法、「戦争法」(安保法制)、共謀罪の成立を強行し、「戦争する国」づくりをすすめてきました。


さらに、安倍首相は、5月3日、東京オリンピックパラリンピックの開催される2020年を期限として、9条改憲に踏み出すことを明言しました。自民党は、2018年6月の改憲発議をねらって改憲案の議論を続けており、総選挙にあたっての重点政策に「憲法改正」を掲げています。
 また、解散直前に結成された「希望の党」は、「日本をリセットする」として、「安保法制の容認」「憲法改正」を候補者公認の条件とするなど、改憲を明言しています。総選挙にあたっては、維新の党なども含めて、こうした改憲勢力を少数派に追い込んでいくことが重要になっています。


3.安倍首相は、今回の解散について「消費税の10%への増税にあたってその使い道を教育や子育てに変えること」を挙げて、国民に信を問うと強調しています。


しかし、そもそも教職員定数の削減や「高校無償化」への所得制限の導入など、教育予算の大幅削減をしてきたのが安倍政権です。


日本の教育支出は、対GDP比でOECD諸国の中で最低の3.2%です。すべての子どもたちに権利としての教育を保障する立場からの教育予算に抜本的に変えていくことこそが求められています。


2014年4月の消費税8%への大増税によって、増税から3年以上たっても個人消費が回復しない消費不況が続いています。もし、消費税10%が実施されれば、家計も日本経済も大打撃を受けることは間違いありません。
消費税増税をきっぱり中止し、富裕層や大企業に応分の負担を求めること、増大する防衛費を教育予算にまわすことなど、
税金の集め方・使い方を変えることこそが重要です。


全教は、総選挙にあたって、対GDP比でOECD諸国平均並み(4.4%)の教育予算を確保し、「高校無償化」の復活、一歩踏み出した給付制奨学金制度の拡充など教育費無償化に向けた施策の充実を強く求めていきます。


4.労働者・国民の願いに沿った政治を実現するためには、政治の現状を語り合い、自らの要求を実現する政治のあり方を議論し、
主権者として「政治を変える」意思表示をおこなうという具体的な行動が決定的に重要です。


全教は、組合員一人ひとりの政党支持と政治活動の自由を擁護し、職場の願いを出発点に、すべての教職員との対話をすすめ、
「選挙に行って政治を変えよう」
「政治を変えて、子どもと教育を守ろう」
の立場で全国での奮闘を呼びかけます。


同時に全教は、総選挙で国民の願いに沿った憲法の諸原則をいかす政治を確立するために、労働組合としての総選挙闘争を旺盛にすすめる決意です。
                          以 上

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