2021年11月4日
【全教談話】
2021年衆議院選挙の結果を受けて
全日本教職員組合(全教)
書記長 檀原毅也
10月31日投開票でおこなわれた衆議院選挙は、コロナ禍のもと、安倍・菅政治を転換し、新しい政治を実現できるかどうかが大きな争点となりました。
選挙結果は、自民党が解散前より議席を減らしたものの過半数を確保し、公明党とともに政権を維持することとなりました。
また、日本維新の会が第3党となり、改憲に前向きな勢力が衆議院において3分の2以上を占めることになりました。
新型コロナウイルス感染症への対応を誤り、現職の首相が2人続けて政権を放り出しました。この事態は、この間、自公政権によりすすめられてきた新自由主義的な政策が、いかに感染症に対して脆弱な社会をつくりだしてきたかということを明らかにしました。多くの国民が、政治のもっとも根本的な役割は国民のいのちとくらしをまもることであると改めて認識するなか、後継の岸田氏も選挙戦を通じて新自由主義的経済政策からの転換を掲げざるを得なくなるなどの状況がうまれました。
今回の衆議院選挙に向けて、市民と野党の共闘は前進し、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組の4野党が具体的な共通政策を結び、立憲民主党と日本共産党が政権協力合意をしたことにより、多くの小選挙区で与党候補と野党統一候補の「1対1」の構図をつくりだしました。
これらの小選挙区では接戦が展開され、62の小選挙区で統一候補が勝利するなど、野党共闘は重要な成果をあげました。
低い投票率と相まって、とくに比例代表で、共闘した野党は議席を伸ばしきれませんでした。
今回の衆議院選挙にあたり、全教は、
教育予算の拡充をはじめとする「10の要求」を掲げて、
その実現を求めて各政党との懇談をおこないました。
いくつかの組織は候補者へのアンケートなどを実施し、回答内容を職場に知らせ、
職場で政治を語ろう、
選挙に行って職場の要求を実現しようと呼びかけるとりくみをすすめました。
新自由主義的な政治を転換し、コロナ対策の充実、ジェンダー平等の社会の実現、気候変動問題にとりくむことなど、政治が向きあうべき課題は山積しています。
共通政策の実現をめざすとりくみが引き続き重要です。
市民が立憲野党を後押しして、市民と野党の共闘をさらに発展・深化させることが求められます。
自公両党や日本の維新の会による改憲策動が強まることが予想されるなか、2022年夏の参議院選挙は重大な意義を持ちます。
全教は「教え子を再び戦場に送るな」を高く掲げ、引き続き、改憲策動を許さず、憲法を守りいかし、一人ひとりが大切にされる社会の実現を求める運動と、教育予算を拡充し、ゆきとどいた教育を実現する運動に全力をあげる決意です。