「派遣村」の労働者ら「『派遣切り』を許さない緊急立法」求め国会請願!


 5日、第171回通常国会が召集され国会が開会。「年越し派遣村」の「村民」の労働者とボランティア、支援者は、国民大運動とともに「『派遣切り』を許さない緊急立法」などを求め、国会に向けて請願デモを行いました。
 
 「派遣切り」などで仕事や住む場所を失った派遣労働者らに年末年始の寝場所と食事を提供していた東京・日比谷公園の「年越し派遣村」には、31日から5日朝、閉じるまでに499人が「入村」。宿泊者数が489人と当初の予想を大きく上回ったため、期間中にテントを急遽増設しましたがそれでも足らず、全労連NPO法人自立生活サポートセンターもやい」など労働組合や市民団体でつくる実行委員会が厚労省に要請。2日から厚労省はようやく講堂を開放し、宿泊所として5日まで使用していました。「村民」の労働者は5日、閉校となった小学校など都内4カ所の公共施設に分かれ約300人が移動。これらの施設では、ハローワークや東京都などが出張所を置き、住み込み可能な職場の斡旋や資金の緊急貸付を行うとしています。
 
 「派遣村」では、「世田谷から5時間かけて歩いて来た」など、食べる物もなく、所持金も底をついた状態でたどり着く人も多く、「派遣村」での相談件数は353件にのぼり、生活保護申請予定者は230人余に達するなど、「派遣村」は深刻な「派遣切り」の実態が凝縮された場となりました。
 一方で、労働組合や市民団体のかかわりで「派遣村」へ参加しているボランティアにとどまらず、新聞やテレビ、ラジオの報道を受けて「何かしたい」と駆けつけるボランティアや支援者の姿が数多く見られるなど、多くの人の温もりと気持ちがあふれた場でもありました。
 
 高校生や大学生など若いボランティア。飴細工の職人、ストリートミュージシャン、腹話術の芸人など「村民」を励まそうと駆けつけた人々。毛布を背負って届けにくる人、米や野菜を車一杯に詰め込んでくる人、カップめんや缶詰を抱え込んでくる人たち。理髪師のボランティアは、臨時の床屋を設けるなど、各人が自らのできること、持ち味を活かして「派遣村」にかかわろう、「何かしたい」という思いと行動が「派遣村」にあふれていました。
 
 政治の責任が鋭く問われているこうした状況にあって、「まじめに働こうとしている人たちなのか」と「派遣村」について述べた自民党坂本哲志総務政務官の発言は、派遣労働者の深刻な実態を見ず、善意の人々の思いを踏みにじるものであり、到底容認できるものではありません。政治家としての資質そのものを疑わざるを得ません。