静岡県安健センター通信    №3 と №4

教職員の労働実態を、裁判所は正しく評価を

東京高裁での、尾崎善子さんの公務災害認定を勝ちとろう!

     8月19日、「支援する会」総会開かれる

8月19日(日)、静岡市教組会館にて「尾崎善子さんの公務災害認定を支援する会第6回総会」が開かれました。17名の出席でした。
総会は、瀬崎睦子支援する会会長のあいさつではじまり、善子さんの弟、正典さんから今後の支援についてのお願いのあいさつがありました。
次に、事務局の富田さんが第5回総会(2006年7月2日)以降の活動の経過報告を行いました。

塩沢弁護士から東京高裁での争点について説明がありました。

 塩沢氏は、はじめに「(民間の労災と違って)公務災害の認定を勝ちとることは、非常にむずかしいことを実感している」と前置きして、次の4点を指摘しました。
(1) 静岡地裁では、ストレスの負荷について、一般基準化・客観化して尾崎さんの病状を判断しているが、名古屋地裁の場合は、個々人の個別具体的なことを検討し結論を出している。名古屋地裁の方法に従うべきだ。
(2) 教師の仕事からくるストレスの度合いについて、静岡地裁の判決は、まったく触れていない。高裁では、ここを強調していきたい。先生方からの意見書をお願いしたい。
(3)体験入学をどう見るか、の評価も分かれている。「異常」であったことを重ねて論証していきたい。
(4)肉体的な負荷についても強調していきたい。もちかえり残業やワープロ作業で遅くまで家庭で仕事をしている。立証していきたい。
と述べ、高等裁判所の性格について「いつ、(審理が)打ち切られるか分からない状況の中ですすめられていく。こちらで必要なものを出していきたい」としめくくりました。
意見交換をしたあと、今後の活動方針、新役員を承認して総会を閉じました。

今後の活動については、下記のことを決めました。
?署名を集めよう。(現在、個人署名2086筆団体署名205団体)
?ひとこと意見書を書こう。
?会員を増やそう。
?裁判を傍聴しよう
?物品販売に取り組もう。(現在までのお茶の売り上げ、06年166本07年275本)
(1本1000円のお茶です。みなさんご協力下さい)

傍聴にお出かけ下さい!
東京高裁公判の日程    8月28日(火)11:00
地下鉄丸ノ内線霞ヶ関』、日比谷公園の西側、最寄りのJRは有楽町駅
JR静岡駅発9:11の新幹線「ひかり」で行きます。

尾崎善子さんの過労自殺事案とは?

尾崎善子先生(当時48才)は、養護学級を担当していましたが、2000年(平成12年)8月2日、養護学校からの障害児の「体験入学」2週間をきっかけとして、うつ病を発症し、業務の過重な中で過労自殺に追い込まれました。公務災害の認定を求めて、地方公務員災害補償基金支部、審査会、本部審査会を経て、静岡地方裁判所に提訴しました。
しかし、07年3月22日静岡地裁は「善子が体験入学の実施に伴い強いストレスを感じ、それがうつ病の誘因になったことは否定できない」としながら「業務の過重性はなかった」として「公務外」と判決しました。原告側(尾崎さんご遺族)はこの判決を不服として、ただちに東京高裁に控訴し、現在に至っています。

安健センター第1回理事会

   8月 3O日(木)18:3O県評会議室
    理事の方ご出席下さい。

杉山貴紀さん過労死裁判

判決は10月5日(金)13:10名古屋地裁

      7月2O日(金)最終陳述 結審
 名古屋市にあるドラックストアーで長時間・過密労働の勤務を強いられ、01年6月過労死した杉山貴紀さん(当時24才)の最終弁論が7月20日(金)名古屋地裁で行われました。
傍聴席いっばい(約50席)の支援者がつめかける中、杉山さんのご両親が陳述し「会社のひどい労働条件が過労死をもたらした。会社は正式に謝罪し、二度とこのようなことが起きないようにしてほしい」と涙ながらに訴えました。
会社側弁護士は「会社の責任はなく、死因は吐き出したものを誤飲したため」とすでに労働基準監督署の労災認定で決着済みの医学論争に持ち込んできました。
 原告側弁護士より「医学論争に持ち込まないよう」裁判官に主張しました。
 裁判官は、会社側弁護士が提出した最終陳述書の中の新たな主張に対して、原告側の反論を認めた後、判決を10月 5日に行うことを決定しました。
みなさんの注目と判決当日の傍聴を訴えます。

中電は「安全配慮義務違反」を認め、賠償せよ!

7月27日(金)浜岡原発下請け労働者のアスベスト被害賠償請求裁判開かれる。
 中部電力浜岡原子力発電所の下請け労働者・丸山和也さん(アスべスト被害により05年6月8日死亡39才)の損害賠償請求の裁判が7月27日(金)10時、静岡地方裁判所で開かれました。公判では、丸山さんの奥さんから意見陳述が行われました。
終了後、弁護士会館にて記者会見を行いました。
第1回口頭弁論は、10月5日(金)11:30に開かれます。
丸山さんは、「余熱除去ポンプ」「原子炉冷却系海水ポンプ」と呼ばれる機械の保守点検作業を行っていました。その際、アスべストに曝露したものです。
丸山さんの場合、すでに名古屋東労働基準監督署にて労災認定の決定を受けています。

安健センターからのお知らせ

9月 7日(金)11:00中部電力アスべスト被害(藤原)裁判(名古屋地方裁判所)
9月10日(月)  しばぞの診療所(アスベスト)研修会
9月19日(水)10:15石田裁判(沼津支部)