「教員採用試験日程変更についての緊急アンケート」に続々と回答が寄せられています。

静岡県静岡市浜松市が来年度の教員採用選考試験を5月の連休明けに実施するとした発表に対し、現場の臨時教職員にアンケートを行いました。アンケートはGoogleフォームで行い、QRコードをつけた案内を各学校にハガキで郵送して協力を呼びかけました。 今、続々と回答が寄せられています。 そこに寄せられた、率直で切実な思いを紹介します。
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2次試験になかなか合格しない方でも、現場で子どもたちに慕われ、とても高いスキルを持った方が多くいます。2次試験がどんな観点で評価されているのか、教育現場の現実とミスマッチしているのでは無いでしょうか。採用試験試験で正式採用された方の1部に、考えられない不祥事が絶えないのは、それが目立つことも理由の1つだと思いますが、採用者の人となりを見誤ったことが、一因であるとも思います。
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非正規で従事している人は、特に若い方ほど高い志しを持っていて、併せて将来の不安を抱きながら激務をこなしています。善処して頂きたいと切に願っております。
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中学校では、部活動の地域移行を進めているが、地方の学校では地域移行が難しい。中体連も関わってきて試合と重なる。顧問を任され、目の前の生徒にも精一杯の指導をしている中で、日程変更をしても地区大会と重なる。教員になることが最優先であるが、任されている以上は手を抜きたくない。教員の本質は目の前の生徒を1番に考えて至極当然の事だと思うが、臨時講師などは教採について葛藤している方も多いと思います。
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4月や5月に変更するよりも、秋への変更の方がよかったのではないかと思った。
現場で働いている講師の先生方の毎日の働きが認められるような採用試験であってほしいと思う。新採で受かってもすぐに辞めてしまう人もいる中で、講師の先生方で頑張っている人もいるので、そのような先生方が現場で教員として働ける試験であってほしいと思います。
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まずはやったところで変わらないか、むしろ志望者が減るであろう意味のない日程変更をしないでほしいと思う。そんなことをするより、現場がブラックすぎることを改善することである。そして早急に採用選考を変えていくべきである。現場の状況もわからない県の教育委員会が、そのときの採用選考の結果が良ければ採用という考えでいるから、中身のない採用者が不祥事を起こすのも1つではないかと思う。何年も頑張って働いている任期付教員などからすれば不快でしかない。こんなに現場が大変だという経験者に対して筆記試験を行わせるのはいかがなものか。それも志望者が減る理由ではないのだろうか。早急に変えるべきである。
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日程の大幅繰上げは非常に困ります。一次試験を5月、二次試験を6月に行う場合、4月〜5月という年度初めで様々な準備が必要な時期である上、一次試験直後に中間試験もあります。授業準備にGWの指導、テスト準備といった時期に自分の勉強をする余裕はありません。また、6月初めは文化祭など学校行事が多い時期で、こちらもまた自身の面接準備に集中することなどできません。生徒や授業と向き合う時間と天秤にかけなければならないのでしょうか?
今回の変更は、倍率は増えるかも知れませんが、常勤講師として働いている身としては、「必要ない、あてにしていない」と言われているようにすら感じます。新卒で合格できないような人材は必要ないということでしょうか?現場で必死に働いて、学生時代では学びきれないことを経験しながら前進しようと足掻く私達のような教員志望者を見捨てるような変更は考え直していただきたいです。
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現場で教員として働きながら受験する人たちへの配慮が全くないと感じました。また、養護教諭は6月30日までに健康診断を終わらせなければならないため、働いている人にとってはとても負担が大きいと感じました。
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すでに試験日程の変更を発表しているので、来年度は難しいと思いますが元の日程に戻せるのであれば7月8月の試験がいいと思います。
毎年試験を受けていますが、受験者が減っていることは周りを見てもよくわかります。受験者の方も毎年見かける方が多いので新しく受験する方が減っているのかなという印象です。他の仕事をしていて教員免許を持っているという友人も数人いますが、一緒に受験しないかと声をかけても断られてしまいます。教育実習のときに大変、向いていないと感じることも多いようです。わたし自身は、子どもたちと関わることは大変ではあるけど、楽しいこともたくさんあるし、子どもたちの成長を感じられるとてもやりがいのある仕事だと感じています。しかし、採用試験に受からないということは、この仕事に向いていないということだと思うので、転職も考えてはじめています。採用試験の志願者を増やすには、やはり試験の日程を変えるというよりは働きやすさを改善する方が効果的なのではないかなと思います。
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正規教員の方が精神的に病んだり、体調を崩して特休に入ったり、不祥事を起こす率が高いと思います。当たり前のことですが不祥事も起こしたこともなければ、精神的に病んだり、体調を崩して特休に入ったこともありません。給与は違うのに、正規雇用のかたと同じ仕事をしています。そういう講師の方は多いと思います。勤務実績はあるのに、どうして採用試験にこだわるのでしょうか?正規雇用でないなら、せめて仕事を少なくするなどの措置をお願いしたいです。でなければ、働きながら受かるのは難しいです。ただの都合の良い使い捨ての駒のように現状感じてしまいます。任期付きの採用に受かって、その後3年の勤務実績に問題なければそのまま採用になんの問題があるのか説明して欲しいです。

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個人的な意見ですが、教員採用試験はシステム自体が崩壊しつつあると思います。 採用しても退職する人はいる、採用されなくてもほぼ100%で採用者と同じ仕事ができるという環境は、システムが崩壊してると思います。 (現に私は資格さえあれば、いつでも仕事できると思っており、早急に合格する必要はないと思っています。校長の建前で受験をしている程度です。) なので、自分で言うのもおかしいですが、臨任で働いてる人たちを即採用すべきだと思います。(アルバイトが正社員雇用されるような感じ) 臨任で何年も働く人たちは経験豊富で現場ですぐ活躍できるかつ、何百万もかけて研修した新採用の人たちと違ってやめる可能性が低い人たちです。そういう人たちを何年も採用せず、転職されることが1番の損かと思います。 ぜひ、柔軟な採用をお願いします。
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緊急アンケートはまだ受け付けています。静岡県内の公立学校で働きながら正規採用をめざしているみなさん、ぜひアンケートにご協力ください。

アンケートの回答はこちらから

docs.google.com

 

【全教談話】2024年度文部科学省 概算要求について

防衛予算の要求が7兆7385億円

 

文教予算5兆9216億円

 教育予算だけだと

    4兆3759億円

2023年9月6日

全日本教職員組合

書記長 檀原毅也

【談話】2024年度文部科学省 概算要求について

 

 2024年度概算要求が8月31日に締め切られ、各省庁からの概算要求総額は過去最高の114兆円に達することが明らかになりました。

防衛省の概算要求が約13%増、1兆円近く増額の7兆7385億円に対して、

文部科学省概算要求は一般会計で2023年度当初予算比約11.9%増の5兆9216億円、

そのうち文教関係予算は約9%増の4兆3759億円となっています。

 

小学校5年生での35人以下学級の前進やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の拡充、小学校高学年の教科担任制前倒し、教員業務支援員や学習指導員等の拡充、部活動指導員の大幅増など示されました。危機的な学校現場に対応するものではありますが、保護者、教職員、地域の願いである、小学校から中学校、高校での少人数学級の前進、教職員定数改善、「教職員未配置」の解消等には程遠い要求となっています。

 

 「えがお署名」をはじめとする私たちのとりくみや、多くの教育関係者が声をあげたことで、教職員定数増の必要性は文科省も認めるようになっています。

そのような中、教職員定数は「小学校における35人学級の推進」3171人、「小学校高学年における教科担任制の推進」1900人等を含め、1万767人の定数増に対して、自然減等7776人、差し引き2991人の定数増となります。

 

しかし、定年引上げに伴う「特例定員」4857人を除くと1866人の定数減になります。文科省は定数改善計画を策定し、計画的に定数改善を行うことが必要です。また、教職員の分断を深める主任手当・管理職手当の増額では、日々奮闘している全ての教職員への処遇改善にはなりません。

 

GIGAスクール」「教育DX」関連が247億円と、前年度から大きく増やされています。

 

GIGAスクール構想の着実な推進~1人1台端末の更新~」で、懸念された端末のBYOD(bring your own device)化が今回は避けられましたが、「教育DXを支える基盤的ツールの整備・活用」としてCBTシステム(MEXCBT)の「全国学力・学習調査」での活用や「教科調査の悉皆実施」に向けた機能拡充、「次世代の学校・教育現場を⾒据えた先端技術・教育データの利活⽤推進」など、大幅な予算増になっています。

端末使用による健康・学習面への影響、「活用」の押し付け、子どもや教職員等の情報が集約され紐づけられる問題、個人情報保護や情報流出対策など、課題は山積しており、対応が求められます。

 

また、多くの施策で民間事業者を「活用」するとしており「教育の市場化」がいっそうすすめられ、課題が深刻になることが懸念されます。「次世代の校務デジタル化推進実証事業」では学校現場に導入されている校務支援システムの課題として「自宅や出張先での校務処理ができない」点をあげており、今後の方向性として「ロケーションフリー化とクラウド化の推進」をあげています。持ち帰り仕事を是認することに繋がりかねず、「働き方改革」が在校等時間の縮減のみに留められる懸念があります。

 

特別支援教育関係では、医療的ケア看護職員のさらなる配置拡充が示された一方で、「特別支援教育の支援体制等の充実に資する施策」は縮小、「ICTを活用した障害のある児童生徒等への支援」が拡充され、成長発達の保障よりも人材育成の観点が強く押し出されています。また、「インクルーシブな学校運営モデル事業」が新たに示されました。特別支援学校と小中高いずれかを一体的に運営することが想定されていますが、安易な統廃合になってしまう懸念があります。

 

私立学校への経常費助成や、施設設備の整備の推進費の増額が示された一方、高校生等の修学支援の要求は2023年度並みの4290億円です。高等学校等就学支援金は、公私ともに支給対象者を年収910万円未満世帯に制限し、私学の加算支給の対象は年収590万円未満世帯までとしたままで、改善要求はありません。所得制限の撤廃や私学の加算支給世帯の対象拡大など高校無償化へ向けたさらなる改善が求められます。

 

高校生等奨学給付金では、引き続き第一子で大幅に増額される等、評価できるものとなっています。就学支援新制度については、個人要件・機関要件によって、対象者が限定されること等、問題は解消されないままです。制度の改善・拡充をすすめるとともに、大学等学費の引き下げ、給付奨学金の拡充など、教育無償化のための施策が求められます。

 

全教は、「戦争する国」づくりのための軍拡予算を大幅に削減し、国の責任による35人以下学級早期実現、20人学級を展望した少人数学級のさらなる前進、正規・専任の教職員増、給付奨学金制度拡充、公私ともに学費無償化など、子どもの権利が保障され、子どもが安心して学べる教育予算への抜本的な転換を求め、全国の保護者・教職員・地域住民とともに、政府予算編成に向けて全力を上げ奮闘する決意です。

 

以 上

静岡県人事委員会への要求書2023 要求項目は・・・

静岡県人事委員会への要求書2023

   要求項目

 

1. 多忙・人手不足の中でも奮闘している公務員・教職員にこたえ、生計費原則に則り、物価高に対応し、かつ教職員の専門性や従来からの多忙な勤務実態に見合った賃金引き上げを勧告すること。

 

2. 初任給・若年層の大幅な賃金引き上げとともに、30歳代以降の賃上げも格差なく勧告すること。特に民間とは勤務実態・条件の違う教職員の50歳代後半層の賃金引き上げも勧告すること。

 

3. 公務員賃金のもつ社会的影響力を考慮し、コロナ禍だからこそ消費拡大による景気の回復、地域経済の活性化につながる賃金引き上げの勧告を行うこと。

 

 4. 人事院の「給与制度のアップデート」や「65歳定年を見据えた給与カーブの在り方」について、安易に同調せず、現場や組合の声・要求に耳を傾けること。

 

5. 配偶者扶養手当減額について、実態に即して見直しを行うこと。

 

6. 一時金の引き上げを勧告すること。その際、勤勉手当でなく期末手当の引き上げとすること。

 

7. 比較対象企業規模を「100人以上」に戻すこと。また、当面「100人以上」の企業に絞って比較した資料も提示すること。

 

8. 地域手当を全県6%以上とすること。また地域間格差をなくすよう国と県に提言すること。

    ※ 浜松市の教職員は、3%

 

9. 教育の現場にはなじまない評価制度と評価にもとづく差別的賃金体系を推し進める勧告をしないこと。

 

10. 定年引き上げについて、賃金水準の引き上げを勧告すること。定年前再任用短時間勤務や高齢者部分休業など学校現場の実態にあった制度を提言し、「雇用と年金の接続」がかない、希望するすべての教職員の雇用と労働条件が保障されるよう勧告すること。

 

11. 現行の再任用教職員の賃金・一時金については、生活を維持するにふさわしく、かつ、実際の業務内容に見合うよう引き上げること。

 

12. 長時間過密労働・時間外勤務解消へ向けた措置を早急に講じるよう、従前以上に強く具体的に勧告すること。

①学習指導要領やICT教育推進などによる業務量の増加と人手不足・教員不足に対応した、人員確保措置・人員配置を行うよう勧告すること。

②「働き方改革」のためと言いながら、実質多忙を加速させているICT活用や分掌を増やしただけの「業務改善『夢』コーディネーター」について実態を見た提言を行うこと。

③勤務間インターバル設定や連続する長時間・時間外労働是正などについて具体的な提言を行うこと。

富山県滑川市中学校教員過労死裁判の判決を受けて、管理職が安全配慮義務違反を犯さないよう必要な警告を行うこと。

 

13. 部活動指導の勤務上の位置づけを明確にさせ、顧問教員等の負担軽減をすすめる改善勧告をすること。子どもや家庭、教職員の負担を考慮しない「部活の地域移行」について、解決策として安易に示さないこと。

 

14. コロナ禍による業務量や配慮・注意事項の増大、感染の危険性の拡大などの中でも教職員が安心して働くことのできる労働条件を示すこと。業務上感染した場合は公務災害となることを周知徹底すること。

 

15. 会計年度任用職員について、新しい任用制度が4年目を迎えるこの時期に同一労働同一賃金等の趣旨から、改めて待遇改善の勧告をすること。学校でなくてはならない仕事内容や勤務実態に応じた賃金・時間外手当等の待遇改善を勧告すること。勤務時間実態把握をし、時間外手当の支給を行うこと。「6月未満、15.5時間未満」の任用期限条件の撤廃、賃金、残業手当、退職手当等の改善を勧告すること。

 

16. 臨時的任用教職員の60歳を超えた場合の賃金等の待遇の引き下げを行わせないこと。

 

17. 臨時的任用教職員や会計年度任用職員の雇用の確保に留意するよう勧告すること。

 

18. メンタルヘルス対策」について、依然として続く精神疾患罹患者の大幅増加、20代女性教員の長期療養者の高止まりなどの課題を調査・分析し、改善のための勧告をすること。産業医の拡充やストレスチェック制度活用など、「予防」から「復帰」までの職場改善対策を任命権者に強く求めること。

 

19. 「ハラスメント防止」、特に近年顕在化しているパワハラ及びマタハラ防止に、「労務管理者」(県教委)としての管理職が職務として先頭に立って取り組むよう特に強く勧告すること。ILOハラスメント撤廃条約の趣旨に沿った宣伝・啓もうと施策の実施のために貴職が先頭に立つこと。

 

20. 障害者雇用について、依然として雇用率未達成の現状を深刻にとらえ、採用人数や割合を増やすこと、受け入れ体制や施設・設備の改善を行うことなど大胆に提起すること。

 

21. 「治療と仕事の両立支援」(厚生労働省)の指針に沿って、がん治療等病気治療を必要としながら働く方々への配慮や労働環境改善を促す報告を行うこと。

 

22. ジェンダー平等の視点での人事管理方針の改善を打ち出すこと。女性管理職登用を大幅に進めることや、男性配偶者の育休取得推進やそのための労働条件の改善を行うよう積極的に提言すること。

 

23. マイナンバーカードについて、安全性や機能性など確立していない状況で、教職員を守る立場から、その押し付けにくみしないこと。

  

24. 憲法とILO勧告にもとづき、公務員労働者の労働基本権を保障するなど、民主的公務員制度確立にむけ積極的に政府に働きかけること。

    ※人事院、人事委員会は、「労働基本権の代償機関」であると。

     でも、憲法第28条は「(勤労者の団結権)勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

     なのに・・・。

          

                       以上

静岡県人事委員会への要求書2023

 8月7日の人事院報告と勧告を受けて、静岡県人事委員会(例年10月中旬勧告)、静岡市人事委員会(同9月中旬勧告)、浜松市人事委員会(同9月下旬勧告)に向けて、要請を行います。

 以下は、全教静岡の静岡県人事委員会に対しての要求書の前文です。

要求書・前文

 人事院、初任給1万円増など「33年ぶりの高水準」の勧告を行い、報告でも「週休3日制」「在宅勤務手当」、「勤務間インターバルの確保」、「休暇取得期間の拡大」などに触れました。今春闘の成果や、公務員・教職員の長時間労働に対する批判に応えたものと思います。

 

 しかし、昨年来2万、3万とも伝えられる品目の値上げがあり、物価高騰は日々の生活を圧迫しています。再任用を含め全体の給与カーブ引き上げとは言え、人事院勧告の水準では、当面の生活の維持だけでなく、将来の生活設計にも不安が募ります。若年層の上げ幅を大きくしましたが、将来設計を見据えて就職することを考えれば、公務員・教職員の志望者を増やすことになるかは疑問が残ります。また住居費や教育費などの比重が増える中・高年齢層にとっては、納得のいくものではありません。

 

 人事院が打ち出した「給与制度のアップデート」ですが、「人材確保」「個々の成長」「多様な働き方」のどれをとっても、今やることではないというのが、現場の声です。その関連で「65歳の定年を見据えた給与カーブのあり方等、引き続き検討」と示されると、成果・実績・評価主義で、全体の給料を増やさず、競わせることに主眼があると思わざるを得ません。

 

 「県内小中教員84人不足」、「教員の精神疾患療養 県内急増」とは、最近の地元新聞1面の見出しです。学校現場の多忙化は深刻であり、そこに見出しのような内容が加われば、現場の教職員の大変さはご想像できると思います。このことは、昨年度も指摘していたことです。教員不足は「適切な人員配置」以前の人事行政の過誤とも言えることです。精神疾患長期療養者については、貴職が再三警告しているメンタルヘルスに関わる重要な改善課題です。しかもここ数年来、指摘し要求してきていたことであり、即刻の改善勧告がされてしかるべきと考えます。

 

 勤務間インターバルの確保や休暇制度の改善は、心身の健康を保つのに当然のことです。しかし人を増やし、業務を減らすという誰もが認める多忙解消の二大テーマの実行抜きに「働き方改革」を進めることには無理があります。7月の富山県滑川市の中学校教員過労死裁判の判決は、「校長の安全配慮義務違反」と断罪しました。静岡県教育委員会は、業務改善〝夢〟コーディネーターを配置するなど取り組んでいると言いますが、教員の分掌が増えただけの声もあがっています。第二第三の安全配慮義務違反校長が出るのではと危惧しています。貴職からの抜本的改革提言がなされることを望んでいます。

 

 会計年度任用職員は、子どもたちの成長と発達を支える重要で学校にはなくてはならない職となっています。当然見合った待遇であるべきです。昨年度、任用制度の改定4年目を前にして、貴職からの待遇改善等の報告・勧告がなされると期待しましたが、ありませんでした。私たちが行ったアンケートで会計年度任用職員の方たちの要求の第一は、断トツで「賃金の上昇」です。生活の面での保障は重要な要素です。昨年度末、高校の非常勤講師の方が勤務のあり方と時間外手当の支給について措置要求をされたことを真摯に受け止め、考えていただきたいと思います。

 

 新型コロナウイルス感染では、県は警報を発令しました。ICT教育推進などの要請の声はますます強まっています。学校現場に求められる課題が増えて、教職員の多忙化に歯止めがかかりません。これでは、教職員志望者が増えるわけはありません。

 

 このような中で、賃金・勤務条件が改善されることは、現場の教職員のモチベーションを高める上でますます重要となっています。今年の貴職の勧告・報告が、私たちの働く実態と要求を十分に汲んだものとなるよう期待して、下記(注;今回は略)のように要求します。

 

 要求項目については、次回。

外部団体から学校への募集依頼について

外部団体から学校への募集依頼について

  中部教組(静岡県中部教職員組合)は、

学校外団体に対して、次のような要望書を送りました。

回答を求めています。

 

 

 日頃からの教育活動への取組ありがとうございます。

 さて、毎年学校の長い休みに、貴団体より児童生徒に対して習字や絵画の募集があります。児童生徒にとっては、自分の力を発揮するよい機会ともなっています。

しかし、その取りまとめや送付を教職員が行っています。新聞に掲載されていますように教職員の現場は、大変厳しい状況にあります。8時から16時30分までの勤務時間内に授業準備ができない状況です。

そんななか、作品の取りまとめをすることは大変なことです。単に取りまとめといっても、作品の提出者名簿をつくり、応募用紙の記入、作品の梱包、提出といろいろな仕事があります。さらに、作品の審査があります。

 

 学校現場では、働き方の「改革」として仕事を減らしていこうとしています。

以下の点についてご検討願います。

 

・児童生徒の家庭が作品を直接JAに持ちこむようにする。

 

・作品の審査を学校が行わないようにする。

 

 

回答していただきたく存じます。

2023年度最低賃金の改正決定に対する異議申出

2023年度最低賃金の改正決定に対する異議申出

 全教静岡(全静岡教職員組合)は、静岡労働局長と静岡地方最低賃金審議会会長に対し、次の「異議申出書」を提出しました。静岡県評なども多数の組合が提出しています。

 なぜ?

 

2023年度最低賃金の改正決定に対する異議申出書

 

 標記のように、今回の最低賃金の改正決定に関して異議を申し出ます。再度のご審議をお願いします。

 

 理由は以下のとおりです。

 

 第1に、憲法25条と生計費の観点から、納得し安心のできる最低賃金とすべきだと考えます。

 今回の答申額は目安通りの40円です。引き上げには賛成です。しかしこのまま引き上げられたとしても984円です。全労連静岡県評の調査では、静岡県だけでなく全国どこでも1500円以上でないと安心した生活ができないという結果が出ています。低すぎます。

 

 半数以上の県が中央の目安額を上回ったことにも注目しています。ガソリン価格190円台などの物価高騰に賃金上昇が追い付かないことに考慮したと思われます。

 47都道府県中、24の県が、中央最賃目安額を超えた答申を出しています。

 

 また地域間格差をこれ以上広げられないという危機感なども押し上げにつながっていると思います。人口流出が深刻な問題となっている静岡県でも、その危機感は共有すべきではないでしょうか。納得も安心もできない額です。

 7月26日総務省の発表した人口動態調査では、静岡県は全国3位の人口減少数でした。

 

 第2に、全国どこでも同じ時間、同じ仕事をしていることに対して、同じ賃金、同じ待遇であるべきと考えます。子どもたちの前に立って、教育をする(働く)際には、全国でも学校でも、同じです。全国どこでも同じとなっていくために、最低賃金が一つの目安となるべきだと思います。一律を望みますがせめて目安平均額を超える額とすべきだと思います。

 

 第3に、学校で働く多くの会計年度任用職員の賃金は、最賃を念頭においた額に設定していると思われます。会計年度任用職員は、その仕事内容や勤務時間に関係なく学校になくてはならない存在となっています。組合としては、正規化すべきと要求しています。昇給など見込めない現状の中では、せめて賃金アップの感触がわかる額に引き上げてほしいと願います。そのためには、最賃の上昇が必要です。

 自治体の会計年度任用職員(非常勤職員)の募集条件を、HPなどでごらんいただくとわかります。

 当組合などが実施した会計年度任用職員へのアンケートで、要望の第一位は、断トツで、賃金アップでした。生活がかかってんです。当たり前だけど。でも、職場では、地域では、賃金あげろ!とは言いにくいのです。

 

 第4に、子どもたちを通して家庭の状況を見る時、経済的に困窮またはぎりぎりの生活をしている家庭が増えていると感じています。ひとり親家庭貧困率が5割を超えていると言われます。低い時給のため、ダブルワークが当たり前になっている保護者もおられます。保護者・家庭の経済的な状況は、子どもたちの今の成長だけでなく、将来の進路にも大きくかかわります。この面でも、最賃の大幅アップは切実に求められています。

厚生労働省が7月4日に発表した2022年国民生活基礎調査によると、子どもの貧困率は11.5%。児童のいる母子世帯のうち、54.7%が「生活が苦しい」と訴えています。母子家庭の半分以上が、派遣なども含めると5割以上(厚生労働省)です。最賃の影響をもろに受けます。

 

 今回の最低賃金改正の提案は、以上から見て到底納得のいくものではありません。

 

 時給984円で、どのようにしたらまっとうな生活ができるのでしょうか。

 なぜ全国で、あるいは同じ職場で大きな差がつけられるような資料分析や判断が出てくるのでしょうか。

 

 どうか、再度審議をし直し、必要な聴き取りや調査をやり直していただきたく、ここにお願いします。

                                  

以上

物価高騰にも配慮なし これではWell-beingどころではない

物価高騰にも配慮なし 

     これではWell-beingどころではない

23人事院勧告

 人事院は8月7日、国家公務員賃金等について、「報告と勧告」を行いました。公務員・教職員の労働基本権の代償機関(ホントは欧米のように当局と直接交渉が当たり前)としての人事院ですが、「社会一般の情勢に適応(つまり民間に準拠)」させるとし、今年も生計費や長時間・過密過酷な労働実態に見合わないものでした。この「勧告」が地方の人事委員会にも影響を与えます。

 

 報道では「初任給1万円超増」「33年ぶり高水準」の見出しがおどりました。今春闘労働組合の奮闘により、昨年までの若年層に限られた賃上げを、再任用も含めた給与カーブ改善としました。人事院は「過去5年の平均と比べ、約10倍のベースアップ」ともぶち上げました。

 

 賃金等

 30年間賃金アップが行われてこなかったためです。実際、公務員賃金は、下がりっぱなしです。1997年の静岡県人事委員会の資料で比較すると、額面で2~3万円下がっています。この間の業務量の増、多忙化の進行に見合ったものになっていません。

 

 物価高騰に配慮がないのも問題です。「鶏卵相場は、Mサイズの卸値が1kg当たり305円前後で、これは1年前よりも130円近く上がっている。ガソリン価格レギュラー190円台(-_-;)」「交通費や出張旅費など大変な職員がいて、職場でも話題に。軽自動車で燃費も20km/Lくらいですが、大型車の方は7~8km/Ⅼなんですって、びっくり。そして、暑さでエアコンも入れたら・・・と嘆いていました」と、現場からの声。

 

 6月の実質賃金は、15か月連続で低下しました。名目賃金は上がったけど、物価高に追いついていないのです。

 国家公務員高卒初任給が最低賃金以下であることが問題となっています。しかし今回も改善されませんでした。

 

 勤務条件等 

 多忙化に対して、「フレックスタイム制」「週1日ゼロ割振り日」「週休三日制」の言葉が並びます。その分、出勤日の勤務時間数を増やすと。それって、多忙に拍車をかけるだけではないでしょうか。しかも、学校現場で取得はまずありえない、絵にも描けない餅です。在宅勤務手当なども同じです。

 

 「勤務間インターバル確保」や休暇取得期間の拡大などは今後の改善課題です。

 

 非常勤職員(地方は会計年度任用職員) 非常勤職員について「安定的な人材確保」と人事院は言います。待遇改善や女性が多く働いているなどの実態改善については触れていません。これでは人材確保はできません。「安定的」と言うなら、正規採用すべきです。

 

 「給与制度のアップデート」 「人材確保」、「個々の成長」、「多様な働き方」をアップデートの中身としています。評価・実績主義の域を脱していません。

「65歳定年を見据えた給与カーブの在り方等、引き続き検討」と言っているのも注意です。

 

 今回の「報告と勧告」で「Well-beingが実現される公務を目指して」と打ち出しています。現場では誰もがわかっています。「人を増やし、業務量を減らす」 これです!

 

 人事院勧告は、地方自治体や関連地域職、民間一般企業にも影響します。

9月中旬静岡市、下旬浜松市、10月中旬の静岡県人事委員会の勧告に向け、

声をあげましょう。