教職員の人事評価

静岡県教育委員会  教育長 安倍  徹 様

「給与制度の総合的見直し」、「50歳台後半の昇給・昇格制度の見直し」、

「人事評価結果の勤勉手当への反映」を、しないでください。(私の声を聞いてください。)

 11月18日の県教育長交渉において静岡県教育長・静岡県教育委員会は、全静岡教職員組合(全教静岡)などに対し、「給与制度の総合的見直し」、「50歳台後半の昇給・昇格制度の見直し」、「教育委員会事務局及び学校を除く教育機関における人事評価結果の勤勉手当への反映」について、12月中旬ごろを目途に提案し、組合と交渉したいと提案してきました。

「給与制度の総合的見直し」および「50歳台後半の昇給・昇格制度の見直し」については、

この間、要請や交渉において再三訴えてきました。8年前の「給与構造改革」で大幅に給料を下げられ、この7年間は引き上げなし、退職金の大幅削減、そして臨時賃下げと、ずい分痛めつけられてきました。とりわけ50歳台のショックは大きいものがありました。50歳台というのは、子どもへの援助、親の介護、自らの老後の生活設計などでお金がかかる時期です。しかも、現場では年齢に関係なく、学校によっては中核となって働いている世代です。民間と比較して給料が高いと言いますが、50歳台後半まで若い時と変わりなく働いているのですから、当たり前です。給料を下げるというのは、何か悪いことをした時だけのはずです。しかも、これは、若い世代にも影響の大きいものです。将来、どんどん給料が下がっていくのが見えてしまえば、展望も出ませんし、モチベーションも上がりません。

「人事評価結果の勤勉手当への反映」についても、

長年にわたり反対してきました。「学校を除く」と言いますが、結局は外堀を埋めて、現場になだれこませようとしているだけです。地方公務員法が「改正」されたから、やらなければならないと言っています。しかし人事評価=「任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とするために、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び挙げた業績を把握した上で行われる勤務成績の評価」と言っています。今の制度で、評価者(管理職)は私たちの仕事を正しく把握することができているでしょうか。それ以上に、私たちの仕事は、一人だけでは成しえないものです。どんなに優れた教職員であっても、子どもたちや保護者、教職員の仲間がいるからこそ、仕事を成し遂げることができるものです。それがわからない教職員が「優れている」とは、到底言えるわけがありません。ましてそれを「優れている」と評価する管理職がいるとしたら、何をかいわんやです。
 今日の教育と教職員をとりまく状況のもとで、県教委がとるべきことは、教職員の賃金底上げによって、一生懸命働いている教職員を励ますことではないでしょうか。

義務制の学校で働く(あるいは働いていた)教職員の声を聞いてください。

 1. 小学校教職員 匿名 校内で、いろいろな面で責任を任される年代なのに、どうして給料を減らされるのか、意味が分かりません。真面目にコツコツと、30年以上つとめてきたのは、少しずつでも給料が上がることを希望の光としてがんばってきたのに、ここで、下げられるのは、どういうことでしょう。残業手当もなく、1日12時間働き、休日も仕事に来ているのに、どうしてさげられてしまうのでしょうか?老後が心配です。


 2. 小学校教職員 実名 小学校の低学年の担任になることが多かったので、子ども達の生活体験不足と、家庭の貧困の格差が拡大していることを感じます。
 一人ひとりの子ども達にゆき届いた気配りや目配りをしていくためには、とても勤務時間内だけでは仕事が終わりません。50才台の教員が経験を積んできたとしても、親も子も抱えている問題は、ずっと複雑で根深くなっているために、神経をすりへらして、また体をはって、仕事をせざるを得ません。もっと県教委は、国に準じてではなく、教職員の実働にこそ、みあう改善をして下さい。 


 3. 退職中学校教員 匿名  「人事評価を賃金にリンクさせない」というのが、教委と組合との約束でした。しかし、全国的にそれが破られ導入されて来ました。「全国のようにする」ということは、そういうことでしょう。「学校を除く」というのも、ここ数年のことでしょう。
 教育の評価は難しい。ましてや管理職の一方的な見方で評価するのですから、良い教育は不可能です。平等に賃上げし、生活が安定してこそ、のびのびとした教育ができます。


 4. 小学校教員 匿名  教育委員会及び学校を除く… 元々は同じ教職員でありながら、教育委員会職員は時間外手当が認められている。不公平感がある。


 5. 小学校教員 実名  50歳台の私は、今までの積み上げの上に、さらに力を発揮して仕事をしています。これからの教職員を育てる大事な仕事もしています。なのに、昇給、昇格なしは、私達50代はもちろん、後継者達もモチベーションを下げることになります。ぜひ見直しを。


 6. 小学校教員 実名  経験の浅い若手教員である私にとって、「給与制度の総合的見直し」は、後の働く動機を保つために大きな影響があります。多大な仕事と重なる職責に対し、適切な賃金をいただきたいです。
 再検討の程、よろしくお願いします。


 7. 小学校教職員 匿名  民間と比較して私たちは本当に給料が高いかどうか考え直していただきたいです。20台、30台の頃と同じように体育の授業で体を動かし、宿泊体験教室では夜中も起きて、児童生徒の対応をし、文書類は年々増えていく。しかし、給料だけが下がっていく…何をもって、優れているとするかです。経験というものが、子どもを見取る何よりの資だと、この世界においては言えると思うのです。これまで、この世界を引っぱってこられた大先輩の先生方のモチベーションが下がるようなことがあっては、後ろからつづく私たちへの影響も非常に大きいと考えます。


 8. 小学校教職員 実名  人事院から、公務員のベア見直しアップのニュースをきいて、よかったと思っていましたが、50代には反映されないという仕組を他からきき、何となく不公平感を感じました。


 9. 小学校教員 匿名  大幅に給料を下げられた8年前に自宅の建替をし、遅い子育てのため、今から大学進学する子どもがいます。夫婦2人とも教員なので収入の減少は倍です。親の介護も始まり、とてもお金のかかる今、生活が本当に苦しいです。
 職場では、主任等の責任ある仕事をまかせられ、学年中心に行う仕事量も多くなっています。今、将来がとても不安で、退職金で住宅ローンの返済、大学資金支払となると、老後、どうなってしまうのでしょうか。モチベーションが上がり、残りの教員生活を明るくすごせるように、昇給の見直しをお願いします。


10. 小学校教職員 匿名  50歳台の教員をしています。不安定な時代になり、老後の生活設計を考えると、不安でたまりません。
 50歳台後半の昇給・昇格制度の見直しをしないでいただきたいと思います。

この項・つづく