被災地の子どもと教職員へ、学校と教育の復興へ、全国から支援と激励を!

東日本大震災支援ニュース第17号

全日本教職員組合(全教)・教組共闘 東日本大震災対策本部

2011 年6 月20 日(月)

子どもと教育の願い込めて義援金を届け激励


6 月15 日、全教、教組共闘連絡会は、津波による甚大な被害を被った沿岸の各市町の教育委員会を訪問し、お見舞いを述べるとともに、それぞれ義援金100 万円を手渡し、子どもと教職員への支援、教育の復興のために活用していただくようお願いしました。
 

 大船渡市、陸前高田市気仙沼市南三陸町を訪問したコースには、全教から磯崎副委員長、波岡中央執行委員、教組共闘連絡会から齊藤代表幹事(宮城県教組委員長)が参加し、この間の救援活動や文部科学省への要求などについて説明し、子どもと学校の被災状況や復興への課題についてお話を聞き、懇談しました。どこの教育委員会からも、学校にいた子どもたちが教職員の誘導で全員無事だったことへの感謝と、心に大きな傷を抱えている子どもたちを見守り受けとめていけるよう現場の教職員を支援していく決意が語られました。


 大船渡市では今野教育長が、津波が校舎のコンクリート壁をなぎ倒し、体育館の鉄骨を飴のようにねじ曲げた惨状、学校が避難所や仮設住宅に使われ子どもたちに十分な活動場所を与えられないでいる現状を説明し、そんな中でも、学校再開の3日後から、わかめご飯、チキンの照り焼き、味噌汁の温かい給食を出したと述べました。
 また、心の傷を抱えた子どもたちを支えてほしいと、教員を各校に1〜2 名を加配していることを明らかにしました。


 街全域が壊滅し、21 人の教育委員会職員のうち教育長など17 人が死亡・行方不明となった陸前高田市では、プレハブ市庁舎の外で青空懇談を行い、金教育次長らと率直な懇談を行いました。多くの学校が被災したなかで、教職員が自ら被災しながら、子どもの避難、安否の確認、学校再開へと休みなくがんばっていることに感謝し、各校に2〜5 人の教員を加配していると述べました。子どものための支援物資やボランティアについても、何かあれば連絡すると述べました。給食設備が破壊されたなか、災害救助法を使いすべての子に仕出し弁当給食を実施したり、通学に必要なバスを確保するのに、県から派遣された職員ががんばっていることも紹介されました。


 全市で1500 人近くが死亡・不明の気仙沼市では、白幡教育長が対応し、学校を避難所や仮設住宅建設に利用せざるをえず、体調を崩す先生の補充で「途中人事」を実施していることなど、学校の状況を説明しました。また、宮城高教組の高橋委員長が合流し、気仙沼高校の生徒30 人以上が鉄道不通で学校で宿泊している問題で食事の提供を要請し、教育長は、定時制給食費を引き下げるため食材の提供をお願いしていると述べました。


 志津川をはじめ入り江の街が壊滅し人影もなく片づけもすすんでいない南三陸町は、役場庁舎も流され、プレハブで主幹が対応しました。戸倉小は屋上まで波が覆い、学区域の住宅も壊滅したため、他の市に集団で移転し学校も廃校になった校舎を借りて再開しています。志津川中からは生徒たちが集団下校し、バスに乗って帰宅する状況も見かけました。

被災地の子どもと教職員へ、学校と教育の復興へ、全国から支援と激励を!

東日本大震災支援ニュース第18号

全教・教組共闘 東日本大震災対策本部

2011年6月21日

市町教育委員会訪問

義援金を子どもと教育のために贈呈

名取市岩沼市亘理町・山元町

6月15日に仙台駅からスタートした宮城南部コースは、全教の井村・土方両中執と宮城県教組金野中執が担当し、名取市岩沼市亘理町・山元町を訪問しました。


名取・岩沼両市には宮城高教組野中書記長も同行しました。
名取市では丸山春夫教育長がにこやかに迎え入れてくださり、教育長室で義援金の贈呈とベトナムの子どもたちが描いた絵とメッセージをお渡ししました。


名取市閖上地区の被災状況はテレビ等でも取り上げられており、地区内にある宮城農業高校の再建のめどはたっていません。現在生徒たちは毎朝早く市役所そばの駐車場に集合し、県内の3校の農業高校に分散して通っています。
また仮設住宅や民間のアパートを借りて生活をしている市民も多く、現在7つのバス路線をつくって学校への送迎をしているとのことでした。
その他の地区の被災状況も含めて、市がまとめた冊子に沿って、さらに具体的な被災状況の説明も受けました。


教育長からは「私たちだけではお手上げの状態です。災害復旧・復興は役所の職員だけでできる規模のものではない。義援金はとてもありがたいし、今後もぜひ支援をお願いしたい」とのメッセージを受け取りました。さらに「震災は目に見えるが、放射能は目に見えないので不安が大きい。これからこの点が大きな課題になる」との指摘でした。


次に伺ったのは隣の岩沼市でしたが、訪問時にちょうど緊急の議会が始まってしまい、教育長にお会いできませんでした。応対してくれた内海課長との懇談の中では、「現在、子どもたちの心のケアが大きな課題になっている。明日は各学校の代表を集めて心のケアの研修会を行う予定になっている」という話がありました。岩沼市でも仮設住宅から通学する子どもが現在も多く、小学生にはバスを配置し、中学生には自転車での通学を促しているそうです。


岩沼市から亘理町に向かう道の両側には田圃が限りなく続いていましたが、いまだに乗用車が横転したまま放置してあったり、道路に船が何艘も置き去りにされていました。青々とした田園が戻るのはいつの日になるのか、心が重くなる風景でした。


午後から伺った亘理町では、我々の到着を岩城敏夫教育長が待っていてくださり、親しく懇談することができました。教育長自身が被災し、現在も2部屋の民間アパートで不便な生活を余儀なくされているそうです。亘理町もテレビなどで被災状況が何回か伝えられ、海岸線に位置する学校が津波に襲われましたが、小さい町だからこその小回りが効き、きめ細かい連絡を取り合うこともできたために被害は少なかったとのことです。被災した海辺の学校の1 階部分を復旧したいが、全壊でないために国からの予算が出ず困っているのでぜひ文科省などへ働きかけてほしいという要望も伺いました。やはり現在
放射能汚染が一番の課題で、町として保育所、小中学校、公園などをモニタリングしてHPに公表しているそうです。




最後に訪問した山元町は役場の損壊が激しいために仮庁舎を建設中で、教育委員会は同じ敷地内の歴史民族博物館内のごく狭い1 室に間借りしている状態でした。博物館入り口の一隅で対応していただいた岩佐学務課長は、「震源地が町の真東で、海側の被害は甚大だった。区域外通学は123人から79人に減少したが、送迎車にガソリン補助をいち早く打ち出し、保護者からは大変好評」とのことで
した。放射能汚染への対応には大変苦慮しているとのことで、5月24日から週2回のモニタリングを行っており、今日(6/15) から各学校に測定器を各学校に配置するそうです。



7・23ひまわり集会

浜岡原発の永久停止・廃炉
求める静岡県大集会

7月23日(土)11時〜
静岡市 駿府公園 東御門前広場

原発の危険性を何十年と訴えてきた方も
福島原発事故で、「安全神話」から抜け出た方も

みんな個人の立場で
アピールしましょう
不安ですよね