静岡県安健センター通信2008年12月1日号

 ※静岡県安健センター(静岡県働く者の安全と健康を守るセンター)

「なぜ自殺に追い込まれたのか?」の解明こそ必要

   木村百合子さんの過労自殺裁判、第2回口頭弁論開かれる
 11月20日(木)14時より静岡地裁にて、木村百合子さん(教員)の過労自殺の公務災害認定を求める第2回口頭弁論が行われました。
 はじめに裁判長より「被告(公務災害基金)は、どのようなことを主張していくか」との問いがあり、基金側弁護士は「うつ状態うつ病の違いについて専門家である医師の診断を仰ぎたい」と答えました。それに対して、木村さん側の塩沢弁護士は「病名のことやー般的なことより、具体的に百合子さんがどのような精神的負担を感じ、自殺に至ったかを、事実に即して解明することが必要だ」と今後の進行について強調しました。
 公判終了後、弁護士会館でまとめを行い、ご両親から「娘の死をむだにしたくない」と改めて裁判の意義の訴えがありました。
 次回、口頭弁論は来年2月12日(木)13時30分〜静岡地裁5階6号法廷
是非、傍聴に駆けつけてください。

   

来春1月28日最終弁論(結審) 裁判所への要請行動を強めよう!

   石田明さん(日産フォークリフト)過労死裁判

 来年1月28日(水)16時から地裁沼津支部において、石田明さんの過労死裁判が行われます。この日は最終弁論で結審となります。労災認定と損害賠償を勝ち取るために、裁判の傍聴や要請署名などご協力をお願いします。

病院職場から労働災害の被害者を出さないために安全衛生活動を

Oさん薬品被書・労災認定を「支援する会」総会開く

 11月8日(土)県評会議室にて総会を開催しました
 Oさんは静岡病院勤務中に内視鏡の消毒薬グルタルアルデヒド等を使用し、頭重、気管・肺の痛みなどの「化学物質過敏症」を発症しました。労働災害との認定を求めて静岡労働基準監督署、静岡労働局の審査官への審査請求及び東京の審査会への再審査請求をしましたが、いずれも「業務外」との判定でした。
 この判定は、厚生労働省がはじめから「化学物質過敏症」は、「医学的な因果関係が証明できない」を理由に「労災とは認めない」との立場に立っているからです。地元の木内医師などの「労災である」「(薬品の)関与は否定できない」との意見は採用しませんでした。
 Oさんの希望もあり裁判ヘの提訴は断念しましたが、この状況をうけて総会では、今後は病院職場の安全衛生活動を充実させて、被害者を出さない活動を進めていくことを確認し、「支援する会」はとじていくことにしました。

「自殺は職場のストレスによるもの」と主張

合併協議の中、過労自殺に追い込まれたSさん事案の本部審査会、開かれる

 2003年3月21日、合併協議(事務事業のすり合わせ)中で過労自殺したSさん(旧清水市職員)の地方公務員災害補償基金本部審査会の審理(意見陳述)が、12月1日(月)に行われました。
 阿部、池田弁護士、Sさんの奥さん、ほか2名が出席し、基金支部及び支部審査会が出した「公務外」との判断の誤りについて、職場の状況やうつ病の発症時期、自殺に追い込まれた原因等を述べました。

いわゆる「メタボ対策」では健康は守れない

東京で「第2回特定健診・特定保健指導検討集会」開かれる

 11月15日(土)東京の全労連会館を会場に上記の会議が開催されました。
 今年4月から始まった「特定健診・特定保健指導」の制度は、「自己責任」を前面に押し出して、今まで積み上げてきた地域からの健康診断制度を改悪するものでした。
 集会では、各地の状況を報告し合った後、「地域丸ごと健康づくり」の体制を作っていくことの重要性が語られました。
(静岡県からは、民医連と保険医協会さんから参加していただきました)

安全衛生4項目、アスベスト11項目を県当局に要求!

   県民大運動実行委員会の主催/対県要求で交渉を行う

 10月20日(月)〜21日(火)の両日、県との交渉が行われました。
 安健センターも安全衛生及びアスべスト問題で要求を提出し、実現を要求しました。交渉には、橋本事務局長、青島事務局次長が出席しました。

各事案の状況説明と分担で、アスベスト救済弁護団会議、開かれる

 11月11日(火)標記会議が開かれ、各事案の説明と分担を行いました。なお、近く連絡会議の役員会を開き、今後の活動についても協議していくことにしました。

杉山貴紀さんの過労死裁判の勝利判決は、確定しました

 名古屋の「スギヤマ薬品」に勤務し、過重労働で過労死した杉山貴紀さんの名古屋高裁での勝利判決に対し、会社側が上告しなかったため、11月2日時点で判決が確定しました。

【今後の日程】

12月11日(木)18時30分県安健センター第2回理事会(県評会議室)
12月15日(月)18時00分アスベスト被害対策連絡会議第3国幹事会(県評)
12月19日(金)11時00分中電浜岡アスベスト裁判(弁論準備)静岡地裁
       13時00分アスべスト救済弁護団会議