第15回安健センター総会・報告 07年5月12日

   静岡県働く者の安全と健康を守るセンター

 あいさつ・報告から 

  今、「ケガと弁当は自分持ち」の時代に逆戻りつつある。職場でのケガや病気も「自己責任」などと言う財界人(政治家?)も出てきた。ホワイトカラーエグゼンプション(時間外適用除外)が通る危険もある。労組やこの安健センターなどが自ら、働く者の安全と健康を守っていく活動が重要となっている。安健センターの活動を一層充実させようという訴えがありました。

 県安健センターは、全国センター(働くもののいのちと健康を守る全国センター)http://www.inoken.gr.jp/ や愛知健康センター(愛知・働くもののいのちと健康を守るセンター) http://homepage3.nifty.com/inoken-aichi/ などの取り組みに参加したり交流したりしてきました。尚、6/8(金)〜6/10(日)に東京・湯島の全労連会館で『労働安全衛生中央学校』が開かれ、様々な観点からの学習会・講義があります。全教の分科会もあるようです。

 また県安健センターは、県内の交流会を開催したり、スズキの小松裁判はじめとして10数件の、労働災害・公務災害認定支援や裁判支援を行ってきています。その中には、尾崎裁判ともう1件の教員をめぐる事例も含まれています。たったお二人の事務局なのに、よくやるなあと思いますね。

 さらには、アスベスト被害対策でも先頭に立って奮闘されています。静岡県は「アスベスト大県」と言われるほど被害者が多いようです。学校現場でも体育館で使われていたので、子どもや教職員の被害も相当あったのではと言われています。中電に対する裁判が始まりましたが、ほかにも自動車工場(ブレーキの部品など)、元国鉄・JR職場では列車の解体、市役所では水道管取り替え、電気工事など屋根裏に入る仕事、大学、催事場などで疑いがあり、いくつかの事例で支援を始めているようです。

 時間管理の問題では、公務職場がいい加減だという話が出ました。とりわけ教育委員会の学校出身の指導主事などがひどく、時間管理ができずサービス残業を強制するという話に、教組関係者は一様にうなずいていました。その点で、県教委や静岡市教委が『勤務時間の適正化通知』を出したことは、「勤務状況調査」をさせたこととあわせて、今までの運動の成果であるとの発言もありました。ただ、東部のある小学校では、その通知の「週1日以上定時退勤日を」を受けて、出してきたのが『毎週木曜日を「ノー残業デー」とし、19:00までには業務終了』だったのです。確かに時間管理能力がないのが、はっきりしました。行政でも、保育現場でも「命令されていないけど仕事がたまって」「自主的に」などで時間外サービス残業が横行している実態を何とかせねば、という声が上がり、組合の運動の大事さが確認されました。
 公務職場で退庁簿に記録、ICカード化などで残業代不払いをなくす運動や、ある保育園では、労基署に訴え『改善命令』を出させたという取り組みも紹介されました。

 労働災害・公務災害では、「一人親方」で大けがをしても「労災申請」をしない(できない?)例や、一人勤務で倒れてお客さんに発見された例、不規則・重労働で看護士さんに切迫流産経験者が多い、合併のすりあわせや職場変更でうつ病自死された例など深刻な例も多く出されました。
 職場に血圧計設置要求の運動や、メンタルヘルスの管理職研修会をさせ、産業医も活用させている運動、統括労働安全衛生委員会をつくらせたなどの例も出されました。

 メンタルヘルス対策も、組合としても勉強する必要があるという確認もされました。前述『中央学校』の6/9(土)に学べる講座が用意されています。

 まだまだ多くの団体・労組から報告がありましたが、最後に次の労組発言を報告して終わります。

 「うちの職場では、サービス残業も、セクハラもパワハラも根絶した。それは、先ず労組が、自分たちの職場でそのようなことは起こさせない!と確認して、生産性や作業効率のためにも、そうならないようにすることが大事だと、労使で学習会や研修会を開き、労使で解決していこうとしてきたから。」
 
 学校現場で、この総会で学んだこと、文科省06.4.3通知、県・市教委勤務時間適正化通知、そして他職種での経験・教訓などを生かし、「時間管理」の意識と能力を高めていかねば、と思いました。

 尚、来年4月からは「50人未満職場」でも「産業医」の設置が義務づけられます。市町教委は動いているのでしょうか?今から予算化、人選、研修等をやらないと、今までの『健康管理医(健康指導医)』と同じで名前と手当だけになってしまいそうです。   
                       以上 報告T