君が代起立命令を都教委がメールで指示

 東京都教育委員会が好調専用メールで細部にわたり指示をだすなど、都立学校の卒業式で「君が代斉唱」時に教職員に起立を命令するように校長に強制している事態が2006年2月10日、元校長の証言で明らかになりました。「職務命令は校長の裁量によってて出された」とする都教委側の主張の根拠がさらに崩れた形です。
 これは、2004年3月の都立高校の卒業式で起立しなかったたことで「職務命令違反を問 われ処分在受けた教師が、都人事委員会に撤回を求め
て訴えている事件の審理で明らかになったもの。十日の審理では、「職務命令」を出した元校長が証人として出席し、「起立の職務命令を出さない裁量はまったくなかった」「(都教委の)措置は事実上の命令で、それ以外のやりかたはできなかった」と証言しました。
 元校長は2003年10月23日に都教委が卒業式、入学式などの行事の際に「日の○・君が代」を強制する「実施指針」と通達を出してから、都教委から佼長への事細かな指導が専用メールで来るようになったと明らかにしました。起立しない教職員がいた場合の「想定問答や都教委に出す報告書」の「ひな型」が送られ、それに従わなければならなくなった実態証言。校長連絡会で都教委幹部が「(通達は)戦後の都立高校教育のターニングポイント」と発言したしたことを紹介しました。
 元校長は「教師生活28年の最後の最後に『通達によって断腸の思いで命令を出さざるを得なかったとの胸の内を語りました。そして、「教育にとって本当に大事なことがおろそかにされていることを危ぐする」とし、多くの校長が
同じ気持ちを共有しているはずだと述べました。