要請FAXから

働き方改革」一括法案の撤回を求める


 「働き方改革」一括法案について、5月23日にも衆議院厚生労働委員会で採決されると報道されています。8本もの法律を一括法案としており、多くの論点があるにもかかわらず、審議の時間が不十分です。


 法案審議の前提となった「平成25年度労働時間等実態調査結果」について虚偽のデータが大量に含まれていたことが明らかとなり、調査結果の信用性は失われています。一括法案から企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大案が削除されたのは当然ですが、「高度プロフェッショナル制度」を含む法案そのものを撤回し、労働政策審議会で改めて審議することが必要となっています。


 与党と一部野党との協議で「本人の意思で高プロ制度の適用から離脱できるとする規定などを新たに設ける」とする「修正」が行われたとも伝えられていますが、現実の労使関係のもとで、労働者が会社の意向に反する態度を示すことは非常に困難であり、絵に描いた餅であると言わざるを得ません。また、労働者が撤回を申請せずに健康を害した場合、「労働者の自己責任」とされかねません。


 そもそも「働き方改革」の出発点となったのは過労死・過労自死の問題であり、長時間労働をどのように是正するかが求められているのです。「高度プロフェッショナル制度」は究極の過労死促進制度であり、過労死ライン(月100時間未満、2〜6か月各平均で80時間未満)の時間外労働の上限規制では、過労死・過労自死に対する会社の責任回避につながってしまいます。


 貴職におかれては、労働者の命に直結するこうした問題点をふまえ、「働き方改革」一括法案の採決を強行せず、法案を撤回するよう要求します。