戦争法案を成立させないでください

 5月15日、「平和安全法制整備法案」と「国際支援法案」が国会に提出され、
衆議院の特別委員会での審議が始まりました。私たちは、これらの法案が、その
名称とは逆に、日本を「戦争する国」に変えてしまい、日本が武力攻撃を受けて
もいないのに自衛隊が海外で武力行使し、あるいは海外での武力紛争に後方支援
とはいえ軍事的に介入し、武器を用いて治安維持まで行うことができるようにす
るものと考えます。


 このような海外での武力行使は、6月4日の衆議院憲法審査会における3人の
参考人の意見陳述でも明らかになったように、「国権の発動たる戦争と、武力に
よる威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄する」
と定めた憲法9条に明らかに違反します。これまでの幾多の武力紛争、戦争が、
武力では平和はつくれないことを繰り返し証明してきました。日本は、かつて侵
略戦争を行い、アジア諸国に筆舌に尽くしがたい被害を及ぼし、日本もまた壊滅
状態になりました。この痛苦な教訓から、憲法は「政府の行為によって再び戦争
の惨禍が起こることのないようにすることを決意」し、それを確保するため9条
を置いたのです。この憲法の定めは、内閣はもちろん、国会といえども勝手に変
更することは許されません。


 もし、これらの法律が成立し、適用されるなら、自衛隊員は海外での武力紛争
や戦闘の渦中に送られ、他国の人びとと殺し殺される状況におかれます。これま
で一人の戦死者も出さなかったという戦後の歴史は根本から変わってしまいます。
特に、海外の武力紛争に日本が参戦することは、日本自らが「敵」をつくりだし、
日本もまた直接の武力攻撃の対象になりうることを意味しています。


 このような「武力による平和」政策では、平和も安全も守れず、かえって平和
も安全も損なうことになるでしょう。このことをもって私たちは、これらの法案
を「戦争法案」と呼んでいるところです。これは決して「無責任なレッテル貼り」
ではありません。


 世界の人びとは、日本の軍隊が自分たちの土地で武器を用いることを決して望
んでいません。各種のマスコミの調査でも示されているように日本の世論の大半
も、「戦争法案」に反対しています。


 賢明な国会議員の皆さんは、「武力による平和」論に惑わされず、憲法に基づ
いて、武力によらない平和と安全の構築を真剣に追求してください。そして、そ
の立場から、「戦争法案」を成立させないでください。私たちは、「戦争法案反
対」の声を挙げ続けます。そいて、皆さんの言動をしっかりと見届けたいと思い
ます。

要請事項

1.戦争法案である「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」の廃案を

求めます。

2.憲法にもとづき、武力によらない平和と安全の構築を追求してください。


2015年6月

戦争させない・9条壊すな総がかり実行委員会

連絡先

戦争させない1000人委員会

03-3526-2920

解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会

03-3221-4688

戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター

03-5842-5611