静岡市教組の2つの緊急要求書

 静岡市教組は、5月20日次のような2つの緊急要求書を、静岡市教育委員会教育長に対して出しました。
 ご意見や実状を、お寄せください。

教員採用選考試験における20mシャトルランの中止等を求める緊急要求書

政令市移行以来、貴職がより良い教職員採用選考の実施に向けて様々な改善をされていることは理解していますし、その努力に敬意を表します。
 しかし、先日貴委員会が発表した平成22年度静岡市小・中学校・幼稚園教員採用選考試験の小学校の実技試験に、20mシャトルランが加えられたことには、受験者の生命にも関わる多くの問題点があると考えます。よって、私たちは今年度実施の教員採用選考試験における20mシャトルランの実施について、次のように求めます。誠意ある対応をお願いします。

1.実技試験20mシャトルランを中止すること。

 (1)真夏の体育館での急激な運動は大変危険である。2007年には埼玉県の教員採用試験にお いて、水泳の実技試験中に38歳の女性受験者が急性心不全で死亡するという事故があり、埼玉県ではこれを受けて翌年の試験から水泳を取りやめている。静岡市においても同年代、あるいはそれ以上の年齢の受験者がおり、同様に事故が発生することは十分想定される。
 (2)要項では「小学生と共に活動できる体力・運動能力を持った小学校教員を採用するため」とあるが、「小学生と共に活動できる体力・運動能力」が具体的にどれほどのものなのか、それがなぜ水泳とシャトルランで測ることができるのか等、まったく説明がされていない。尚、私たちは、現職や退職者に水泳や20mシャトルラン(持久走)が不得意であっても、十分に小学生の教育、指導に力を発揮する教員を多数見ている。
 (3)シャトルランで評価できるのは往復できた回数だけである。したがって往復できた回数が多ければ多いほど好成績が得られことになる。そうなれば当然、年齢が若く体力のある受験者が有利ということになり、結果的に経験豊富な臨時教職員経験者が正式採用される道を狭めることになる。このことは、「即戦力」ともなりうる「人材」を失うことにもつながり、静岡市の学校教育にとって大きな損失となる。

2.貴職がそれでも実施が必要と考える場合、次の点を公表すること。

 (1)貴職の責任による事前健康診断、安全な設備、救急医療体制等、安全配慮義務に関わる措置を、明らかにすること。
 (2)実施する必然性と評価基準を明確に示すこと。その際、受験者、「身体に障害のある」受験者の心身に負担のかからないものとすること。
(3)以上については、とりわけ受験者に選考日以前にていねいに説明すること。
以上

新型インフルエンザ対応についての緊急要求書

 国内での新型インフルエンザ感染の広がりに対し、静岡市でも不安が高まっています。特に、5月6月に関西方面への修学旅行を計画している中学校では、実施の是非をめぐって教職員、保護者の間で様々な意見が飛び交い、生徒たちも不安を隠せない様子です。すでに、出発の前日になって中止を決定した中学校も出ており、学校と保護者の間で混乱が生じているとも聞いています。そこで、生徒や保護者の不安を少しでも緩和し、現場での混乱を最小限にとどめるため、緊急に以下のような対応を要求します。

1.静岡市における新型インフルエンザへの対応の指針を、保護者にもわかるように明確に発表すること。

2.修学旅行の実施または中止についての決定を校長だけの判断に任せず、貴職が責任を持って指導すること。

3.修学旅行を中止または延期にした場合、キャンセル料などで多額の負担が生じる可能性がある。その費用を保護者に負担させないよう、市として予算措置すること。

4.上記3.についてどうしても保護者負担が生じる場合、就学援助受給者には実際に修学旅行に行っていなくてもかかった負担額を支給できるよう、臨時の措置を講じること。

5.上記3.について教職員の交通費や宿泊費にキャンセル料が発生した場合、教職員の負担にせず公費で負担すること。

6.休校や学級閉鎖の措置をとった場合、その日数分だけ長期休暇を削って授業日を確保するなどの機械的な対応をしないよう、学校を指導すること。
          以上