基金はそこまで故人を傷つけるんですか?

うつ病は公務(無理な体験入学)で発症したのになぜ公務外災害なの? 
  静岡県内の教職員のみなさん

 みなさんに支えていただいた「尾崎裁判」も、いよいよ判決を迎えます。弁護士も支える会のメンバーも、何としても勝訴したいと思い、最後の行動にがんばっています。皆さんには、出来る限り多くの署名を知り合いの方々から集めていただきたいのです。よろしくお願いいたします。

 私たちは強く、強く訴えます!
 その1基金は被災職員の立場に立つべきだ!
 「地方公務員災害補償基金」は、地方公務員が災害を受けた場合、その補償や援助を考えて設置された組織です。
 ところが、尾崎裁判で言えば、『公務(体験入学)の中でうつ病を発症した』ことを認めながら、「うつ病を発症したのは善子が弱かったから」だとして「公務災害」を認めず、故人である善子に対する攻撃を繰り返しているのです。
「担当した児童は2人で、通常児童数の半分程度に過ぎない」
「退庁時間は、ほぼ毎日定時だった」
「体験入学中に芝居をみたり、実家に食事に行ったりするな ど、余裕があった」
「時間休をとって家に帰ったのに、夜、ワープロ仕事をする のはおかしい」
等、当然のことすら文句をつけ、故人の努力を認めようともしないのです。
「善子は独身であり、家事・育児の負担があったわけでもな いから…」
等の考えは、被告側弁護士の品格を疑う最たるものです。
 善子さんは、好き好んで自殺したのではありません。善子さんを自殺にまで追い込んだ責任は、一体誰に、そしてどこにあったのか、基金は個人攻撃は止めて、もっと深刻に考えるべきではないでしょうか。 
 その2 2週間の体験入学は異常だった! 
 何のための体験入学だったのか、そもそもその目的が問題だったのです。体験入学児にとって「養護学校」がいいのか「養護学級」がいいのかを見定めるためではなく、法的措置によって養護施設に入所している子どもを、自宅に帰してほしいとする“親の要求”から出発したものだったところに大きな問題があります。そして、期間の途中であっても、「養護学級」には合わないことがはっきりとした段階で、「体験入学」をやめるべきだったのです。

 その3「本人基準説」こそ法の精神にそったもの!
 最近の教職員の健康状態は異常です。2006年度でいうと教職員の病気休職者は7655人。その中で精神疾患は4675人を数え、精神疾患による休職者の割合は何と61%を超えることころまできてしまいました。その指摘に対し、基金側は「92万教職員に占める割合はたかが0,39%に過ぎない」と問題をすり替え、平然としています。こうした基金の考え方は“教職員の実態”を無視したものであり、そこには真剣にものごとを考えようとする姿勢は全く見られません。
 そもそも精神疾患の要因は、個人個人で違って当然です。「Aさんのうつ病は平均人基準説から認めることができる」「Bさんは精神的に弱い人だから認められない」なんてことで決めつけてしまっていいのでしょうか。本人基準説こそ、法の精神に沿ったものではないでしょうか。
 静岡県内の教職員のみなさん
 暖かいご支援をよろしくお願いいたします。『皆さんの声』をぜひ事務局までお寄せください。お待ちしております。 

 投稿文
    現場の実態を知ってください     静岡市・A
 善子先生の死は他人事ではないと、私も経験したことがあるのでとてもよくわかります。
 養護学級の担任がひとたび問題を抱えると、通常学級の担任とは比較にならない程、深刻です。私も受診していれば「精神疾患」と言われたかもしれない程、追い詰められたことがありました。
 私の場合は、前担任と保護者との確執が解けないまま、学校不信の思いをぶつけられ、どんなに子どものためと努力していることを見せても理不尽な要求を突きつけられ、全て否定されるというような状況が続きました。管理職に相談しても状況は改善されず、追い詰められる一方でした。
 養護学級の子どもはそれぞれ様々な特徴を持ち、子どもの実態を把握して人間関係を作り、その子に合った関わり方を見いだすことが、大変むずかしいことです。また、保護者は我が子のことを熱心に思うあまり、少しのことでも過敏に捉え、教師に強い要求をしてくることが多いのです。子どものことで悩み、保護者の要求にも応えていく担任の苦しみは相当なものです。
 裁判所の関係者には、ぜひそういう現場の実態を知って判断してほしいと切に願います。                 (支援する会ニュース・22号より)

東京高裁  
  「判決」(予定日)のお知らせ

■四月二十四日(木) 十四時〜
■東京高裁・818法廷
 ■丸の内線・霞ヶ関下車A1出口すぐ前
 ■事務局は、十二時十一分静岡発の「ひかり」で出かけます。
     一緒にいかがですか。