07年静岡県教育長交渉・回答

07年11月22日(木)15時00分〜15時15分
 07年確定闘争に関わる県教育長からの最終回答がありました。そのやり取りを紹介します。

『やり取り』

★ 組合  今日こそ、具体的なものを期待している。

■ 県教育長  具体的なものというと、プレッシャーをかけられた感じだが。
【回答 1 給与について 】 
 国の一般行政職改正案が可決したら、静岡県人事委員会の勧告通り、給料表(初任給を中心に若年層限定改定)、扶養手当(配偶者以外の扶養各1人について+500円)、一部地域手当、勤勉手当(+0.05月)について12月県議会に条例改正案を提出する。
 「特例給料月額」の取り扱いについては、給料表改定が県議会で承認された後、給料表に100.9/100をかけるものとする。退職金を除く諸手当の算定基礎とする。

【回答 2 育休復職について】
 育休復職の号級調整は、8/1以降換算率を100/100とする。

 条例改正のための事務手続き上、本日5時までに回答をいただきたい。
 教職員が職務に精励し、よりよい教育活動ができるよう教育や職場環境の改善に引き続き努める。
勤務時間の改善に向けて施策を!
★ 組合  勤務時間について、来年度から県教委は自己申告による「勤務時間記録簿」を導入する(政令静岡市も3年保存で実施すると回答している。)と言っているが、事実上校長が時間外勤務を認めることとなり、現場の校長は困るのではないか。
■ 県教委   現在、給特条例で時間外勤務は4項目に限定されている。(※ 資料参照)従って教職員に「時間外勤務」を命令できない。(※ 「黙示の命令」という言葉があります。直接言わなくても命令になるということです。資料2も参照)厚生労働省(01年4月6日付=4・6通達)通達や文科省(06年4月3日付=4・3通達)通達では、健康管理を校長に考えなさいよと言っている。それを受けて、長時間勤務の職員の健康管理をしなさいということ。
★ 組合  厚労省4・6通達(文科省4・3通達も)は、ただ「健康管理」だけを言っていない。違法な「時間外勤務」(サービス残業)をなくせと言っているものだ。教職員の「勤務時間記録簿」に校長が印を押すということは、そういう状態を認めることとなり、不安が生じている。教育委員会から、「時間外勤務」がなくなるような施策を打ち出さなければ、第一にはもちろん教職員が大変なのだが、校長も困ってしまうことになる。それをどうするかということだ。
■ 県教育長   『学校を取り巻く実態状況調査』や『勤務状況調査』をしている。文科省の調査とほぼ同じ結果だった。それはわかっていなかったことではなく、調査前に分かっていたこと。(05年12月県教委は抽出の「勤務状況調査」をマスコミに公表した際、「想定内」という言葉を使った。) 調査で確認をした。した以上、(長時間勤務、時間外勤務の)解消に向けて施策を打たなければならないと考えている。教育予算以外にも、総トータルでどういう施策が必要か、示さなければいけないと思っている。財務課等とも協力して考えたい。そのためには、かなりの金額が必要となる。すぐ見せるというわけにはいかないが、取り組み始めている。来年3月には『学校を取り巻く実態状況調査』事業による検討会議(有識者会議)からのご提言があると思う。
 教育委員会だけでなく、諸団体からも、「多忙感」(教育委員会だけでなく一部の“団体”も使い出した、不思議な言葉。感じ方だけか?) 解消、現場が少しでもよくなるよう、ご提言をいただきたい。
★ 組合  であるならば、継続的に県教委の行っていること(考えていること)の状況を教えてほしい。あい間、あい間で、できるだけ情報提供をしてほしい。
★ 組合  「勤務時間の適正化」通知で、『定時退庁』を打ち出したが、予定には書かれているが、実際は多くの教職員が残っていて、進展はない。県教委がリーダーとなって、具体的な施策を。
 人の問題が大きい。静岡県単独でも人を雇ってほしい。前向きに考えてほしい。
県単も考える
■ 県教育長  県独自でもやれよ、ということで、実態調査もした。教育委員会の仕事は、現場を支えることが大きなメインの仕事だと思っている。全部やるというわけにはいかないが、優先順位を付けながら、県単独措置もやっていきたい。

「新しい職」について
★ 組合   「新しい職」の導入については、どう考えているのか。事務局段階では、「文科省の予算を他県に持って行かれないよう、静岡県としても考えたい」旨の発言もあったので、心配している。
■ 県教育長   微妙な問題。今までのなべぶた(中ぶた?に聞こえた。)が(中間管理職?)良くないのかどうかという話。大都会の学校と静岡県の学校は違う。管理職と職員はそれなりにうまくやっていると思う。
 ただ、(副校長、主幹教諭、指導教諭の)制度ができた以上、どんな形がいいかこれから検討が必要だと考えている。(注:制度ができたと言っても、「置くことができる」であって、必置の制度ではない。)

★ 組合  「士気の高揚を」とずっと言ってきている。特に最近、40代50代の「ベテラン勢」への「見返り」がなくなってきている。学校現場を支えて、がんばっている年代だ。是非配慮をお願いしたい。

  …たった15分なのです。どう言えばいいっつうんじゃ…との思い。

資料1;義務教育諸学校等の教育職員の給与等の特例に関する条例( 給特条例 )

(正規の勤務時間を超える勤務等)
第6条 教育職員については、職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(平成7年静岡県条例第8号。以下「勤務時間条例」という。)第2条第1項の規定により定められた勤務時間の割振りを適正に行い、原則として正規の勤務時間(勤務時間条例第2条から第5条までに規定する勤務時間をいう。以下この条において同じ。)を超える勤務並びに休日(勤務時間条例第10条に規定する祝日法による休日及び年末年始の休日をいう。以下同じ。)及び代休日(勤務時間条例第11条に規定する代休日をいう。以下同じ。)における正規の勤務時間中の勤務は命じないものとする。
2 教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合は、次に掲げる業務に従事する場合で臨時又は緊急にやむを得ない必要があるときに限るものとする。休日及び代休日において当該教育職員を正規の勤務時間中に勤務させる場合も、同様とする。
(1) 校外実習その他生徒の実習に関する業務
(2) 修学旅行その他学校の行事に関する業務
(3) 職員会議に関する業務
(4) 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

資料2 01年10月30日参院文教科学委員会質疑から〜教員の勤務時間 命令外の超過分も記録対象

文部科学大臣 遠山 敦子 政府参考人 文部科学省初等中等教育局長矢野重典
○畑野君枝君 次に、文部科学省に御確認なんですが、労働時間の適正な把握の問題につきましては、当然、始業・終業時刻の確認及び記録と言われました。 そこで、始業・終業時刻なんですけれども、これは、例えば命令のない超過勤務というのも始業・終業時刻の確認及び記録というのに入りますか。
○政府参考人(矢野重典君) 個々のケースでその判断が難しい場合もあろうかと思いますが、一般的には命令のない勤務につきましても始業時刻に入るものと思っております。
○畑野君枝君 そうしますと、命令のある超過勤務ですとか部活動などについてもこれは当然入るということでよろしいですか。
○政府参考人(矢野重典君) そのとおりでございます。