子どもの権利・教育・文化全国センター活動交流集会(07年6月30日) 報告

静岡市教組・A         

23団体6組織から約60人の参加で実りある会でした。

『子どもと日本の教育の未来』〜フィンランド教育に学ぶ〜として、早稲田大学名誉教授の中嶋博さんが、OECD/PISA調査で学力世界一になったフィンランドの教育について講演されました。ここでは省略します。詳しく知りたい方は、『フィンランドに学ぶ教育と学力』(明石書店2005)『子ども白書2005』(草土文化)を読んでください。
 また、フィンランド大使館のHP http://www.finland.or.jp/ja/ で、ムーミンが教えてくれます。

ここではフロア発言を紹介します。

★ 京都地裁に学力テストの実施差し止めを求める仮処申請をした親の発言
「 中3の娘さんは、教科は受けたが、学習状況調査は受けずその時間を使って自分の考えをまとめ地元紙の新聞記者さんへの手紙を書いていた。親としても子どもが嫌がっているテストを無理強いされるのではなく、問題点を明らかにし、来年度はないように運動をしたい。」

★ 「全国生活と健康を守る会連合会」の代表者は、「母子加算」減額や廃止で親も子も肩身が狭い思いをしているという作文を紹介し、反対の取り組み強化を呼びかけた。

★ 自由法曹団では、少年法の改正で厳罰主義が徹底されると、赤毛のアンは同級生を殴った非行少女として監視の対象となってしまう。「失敗して育つ」が一度も失敗できないになり、挫折した時にはもう後がないからとやけっぱちとなり重大な犯罪になる恐れが強まる、と発言。

★ 全学連の学生は、最低賃金の低さ故に、日々の食費を削らざるをえない姿を激白。一方で毎年学費を上げながら、管理職だった二人分の退職金として今までの2倍の1.6億円もの慰労金を支給した立命館大学には、そのお金を学生に還元するように要求していると発言。

★ 東京国立市で子どもを守る連絡会をしている元教員の発言
以前にあった教職員と父母との共同の取り組みが、卒業式での国旗掲揚問題で校長の土下座をさせたというデマ報道からできなくなっていることや、組合員の教師を意図的に異動させているはなしがあった。4月の市長選では、危なかったが、石原知事が前日の応援演説の中であまりにも国立が悪い、市民が悪いと言ったためにかえって反発をかって革新自治を守ることができた。

★ 七生養護学校での優れた実践を評価し、学力テストを来年度は実施させないらめに、各市町村の教育委員会の判断でやる・やらないを決めることができるのだと市教委に請願を出す取り組みをしている組合の話

出版労連からは、従軍慰安婦南京大虐殺のことは外国からの厳しい反発があるだろうが、まず、沖縄戦は国内問題だから、他国からの異論はないと強引に国の見解を書かせるようになったことが挙げられた。今やサラリーマンが易いネットカヘェを利用せざるを得ず、その不満のはけぐちに教育の介入している。経団連は、長期に問題を見据え、エリート教育や教科書有償化などを視野に入れている。教科書はまず、貸与制にして、厚くてないようをふやそうとするが、その内容は例えば大手進学予備校のテキストをモデルとするだろう。教科書会社を減らして国会統制がもっと強まるだろう。

★ 東京都教組の執行部からは、「学校で何が起こっているのかを親や地域にもっと知らせていくことが必要」の声があった。お弁当の日におせんべいしか持ってこれない子もいる。各学校で校長から教科ごとの点数が示され教師を追い立て、子どもを競わせようとしている問題をするどく指摘した。

★ 東京の元管理職までやった者が、昨年の教育基本法改悪反対の時に連名アピールをよびかけ、たくさんんお賛同があった。改悪はされたが、引き続き教育問題を訴える会として立ち上げる準備中。

★ 主催者まとめは、安倍さんの言う「美しい国」は、戦前の姿のこと。戦後レジームで美しくなくなったからそれを戻すというのは、特攻で死ぬことを強要する社会になること。ここをもっと語って運動にしていこう。

以上です。要請があったら、もう少し詳しく報告します。