少しずつの動きがありますが、1年経っても改善にはほど遠い内容です。
改めて、静岡県教委・静岡市教委の『勤務状況調査』について、もう一度振り返って起きます。
静岡県教委は、長年の組合からの要求と全国的な「調査」の動き(例えば北海道教委)や県人事委員会の勧告を受けて、県内公立教職員の「勤務状況調査」を行いました。それまでは教職員の勤務は「適正に行われている」という回答しかしていませんでしたから、調査すること自体は画期的なことです。それまで県教委に「適正」と報告していた管理職の問題も問われますが。政令市になっていた静岡市教委も同時・同様に実施しました。
県教委は05年9月10日(土)から16日(金)までの1週間、小中高養護学校等79校を対象に抽出調査を行いました。(尚その結果を12月に発表しましたが、下記に見るような時間外の多さに対して、県教委教育総務課担当者は『想定内』とマスコミに語っています。)
そして県教委と静岡市教委が、本調査を06年1月と6月の2回実施しました。
時期は、1回目が1月21日(土)から27日(金)、2回目が6月24日(土)から30日(金)のそれぞれ1週間です。尚、「学校における勤務状況の調査であり、自宅での教材研究等、持ち帰りについては調査の対象外である。」と県教委は言っていましたが、組合の抗議・要求を受けて6月実施の際には、「1時間程度以上の『持ち帰り』仕事を何日したか。」と「主な業務内容」の設問も設定しました。
調査の仕方が下記に見るように、特異なものなので、わかりにくいところがありますが、教職員の勤務実態がある程度反映していると思います。
平日時間外勤務=サービス・違法残業時間の異常な長さ
小学校で2時間後に40%、中学校で55%が超勤
中学校では3時間後にも1/4の方が残業している!
時間外調査 1時間後 2時間後 3時間後
小学校 2005年9月 抽出調査 静岡県 605人 80.30% 47.80% 17.40%
3時間以後
5.00%
2006年1月 悉皆調査 静岡市 1600人 68.40% 27.06% 6.69%
3時間以後
2.10%
2006年1月 悉皆調査 静岡県 8014人 76.50% 41.30% 17.30%
3時間以後
5.00%
2006年6月 悉皆調査 静岡市 1635人 74.02% 34.43% 11.78%
3時間以後
3.96%
2006年6月 悉皆調査 静岡県 8063人 78.10% 50.80% 22.70%
3時間以後
7.80%
中学校 2005年9月 抽出調査 静岡県 621人 84.70% 64.10% 34.10%
3時間以後
16.50%
2006年1月 悉皆調査 静岡市 919人 72.80% 37.30% 12.25%
3時間以後
4.09%
2006年1月 悉皆調査 静岡県 4668人 83.40% 52.90% 25.00%
3時間以後
10.30%
2006年6月 悉皆調査 静岡市 928人 78.88% 55.69% 23.60%
3時間以後
8.47%
2006年6月 悉皆調査 静岡県 4641人 84.60% 67.50% 41.30%
3時間以後
19.60%
1週間「持ち帰り」仕事をしなかった方は14%だけ!
80数%の方が「持ち帰り」残業をしており、そのうち
1割以上の方が、毎日「持ち帰り」残業をしている!
持ち帰り調査 ( 1時間以上 7日間で 何日 06年6月調査)
なし 1日 2日 3日 4日 5日 6日
小学校 静岡市 12.60% 7.00% 15.50% 18.60% 11.40% 17.20% 5.50%
7日
12.20%
静岡県 8.80% 6.30% 12.80% 17.30% 11.10% 19.00% 7.10%
7日
16.00%
中学校 静岡市 19.50% 9.30% 16.10% 17.90% 9.90% 11.20% 4.00%
7日
12.10%
静岡県 14.20% 7.90% 16.00% 17.40% 12.20% 12.70% 4.70%
7日
5.00%
休憩を取ることができた方は13%!
休憩なしは、80数%
休憩時間 とれた 概ねとれた あまりとれなかった
小学校 静岡市 3.00% 10.60% 47.20%
まったくとれなかった
39.30% ※ ずれていますが、項目の順番と数字で判断してね。
静岡県
1.80% 10.70% 46.20%
全く取れなかった
40.10%
中学校 静岡市
1.50% 12.70% 48.20%
全く取れなかった
37.60%
静岡県
2.20% 9.70% 44.20% 全く取れなかった
43.10%