書記長会議開かれる

本日、全教静岡事務所で教員評価にかかわる会議を行いました。

協力校の様子

東部の協力校での試行の動きが報告されました。一般の教員が書く書類は2種類あります。
 一つは『自己評価シート』目標と手だてを書き、年度初め、途中、年度末に記入するようです。もう一つは『職務遂行評定書』教科、教科外、学校運営の項目で年度始め自己確認の「評定」をします。この2種類を5月初めに記入して提出します。それをもとに、1回目の校長面談をし、さらに面談をもとに書類を修正し、6月初め頃提出したそうです。
 今後は9月に年度途中の進捗状況をシートに記入し、面談し修正。1月に2種類の書類に自己評価、次年度の課題を記入してまた提出します。
 2月頃、第一次評価者の教頭、第二次評価者の校長と面談する事になっているようです。
 何か、忙しさを増しているようです。加えて、一般の教員が前以上に校長の動向を意識するようになっているとも報告されています。生徒を指導している場面に校長が来ると、どうしても意識してしまうと。

7/26県教委との「協議会」での全教静岡の発言

 7月26日、県教委事務局と全教静岡、高教組、県教組、学労、高校ユニオンの組合5者との、評価制度に関わる「協議会」の報告もされました。各組合の主張や、その後のやり取りについては、後日報告します。
 ここでは、全教静岡のはじめの発言部分を紹介します。

 「 前回の説明会で、がんばったらみんな評価される制度にすべき。現場が大変なとき、その解決なくして、新しい職制や給料への反映などすべきでないと言った。
 今回も主張は変わらない。現状をとらえる視点がない。(子ども、保護者、教職員)まして、現状をどう改善していこうかの方向性が出ていない。

多忙化を前提としての「資質向上」は問題

 トイレに行く暇もない教員。特別な仕事をしているわけではなく日常がそう。仕事量が多すぎる。県教委の9月抽出の勤務状況調査に対して県教委は「想定内」とコメントした。県教委の姿勢として問題。面談をすることが大きな目玉と言いながら、面談の時間がとれないのが課題というが、それは「想定内」のはずだ。この間、県教委が多忙解消に取った措置はだいぶ前の義務教の「見直し・改善」だけ。その後のまともな措置はない。
 その上で制度を進めようとすることは、教職員の多忙化を容認するものであり、「資質向上」というのは時間外・休日出勤も前提とした勤務を評価するもので問題である。
 もし大変な仕事をしている一部の人がいるというなら、給料部分ではなく、「手当」として補うべきだ。

教育における「事実の評価」や「職務の明確化」は単純ではない

 目玉の「事実評価」(事実を評価するのは当たり前)については、
① 焼津の事件で校長は「熱心、授業が上手、子どもに人気」と新聞にコメントした。浜松の不祥事の先生は「○○主任」に任命されていた。極めつけは西部教育事務所の指導主事の不祥事。これは例外的な事件ではない。県教委、教委、校長の指導力・問題解決能力に問題がある。そのようなことへの分析が「評価制度」より先ではないか。
② 「職務の明確化」というが何を今更と思う。教職員の仕事は曖昧にされ続けている。浜松市の教育長は「教員は借金取りではない」と言ったが、集金実務までやらされているのが現状だ。時間外・休日勤務まで含めて、それらの改善が先。
③ 教育実践は日々進化するもの。卑近な例で言えば、「学級だより」「水道方式」「体験学習」昔はそんなに評価されなかったものが、今当たり前のようになっている実践は山ほどある。(職務の明確化というが、そういう評価ができるのか)
④ 教育活動は共同で作り上げるもの。
⑤ 上意下達でなく、みんなで、学年内で、校内で、学校外の仲間と、全国の仲間と作り上げてきたもの。書店に並ぶ多くの教育実践書、民間教育団体の本などからも明らか。民主的に作り上げてきたもの。教員が「横一線」なのには意味がある。
 官製研修歴を評価の対象に入れるというが、それだけでカバーできるものではない。
⑥ 父母と共同して行ってきた実践も多い。
 (以上のことから、評価したり、評価項目を作ったりと簡単に言うのは疑問だ。)

「学校組織の活性化」のためには

評価制度の2つ目の目標で「学校組織の活性化」、開かれた学校づくりというが、真に子どもや保護者の置かれている問題、悩みに答えていく施策こそ今考えるべき。内部で「評価」をいじくっている場合ではないはずだ。県知事は少人数学級に対して「将来的にその予算を誰が面倒見るのだ」と答えた。(そんな冷たい姿勢こそ問題だ。)

「客観的」であればいいか

 「評価」そのものについて。「客観的」であればいいかというと、そうではない。際限のない細目化に陥るだけだ。また、今まで現場でやってきた「評価」についてはどう考えるのか。明らかにされていない。(現場の今までの苦労に対して答えていない。)

静岡市の教職員評価制度検討委員会では

 静岡市の教職員評価制度検討委員会を傍聴し、委員の発言など聞いて感じること、分かったことは何か。
① 「評価」を検討する様子を見せることで、保護者には「いい先生」と「悪い先生」がいるというイメージの固定化、マイナスイメージを与える危惧がある。
② 静岡市の自己評価シートを書いた委員である教師の発言。「忙しい中でもう一つ仕事が増えたと感じた。何にするか考えたが難しい。3つでは無理。2年目になって、昨年と同じではなく、新しい目標にしなければならないかと考えた。」これは、教師としての目標ではないのでは。でもこれが実態。
③ 民間のコンサルティング会社の人が委員で、評価制度について説明していた。県教委の評価制度の案を「よくできている」とほめていた。しかし、「評価制度」「成績主義」を勧め、進めている会社の説明。実際には富士通など破綻している会社や見直しを進めている会社も多い。

当面の要求

 どうしても進めるのなら評価小委員会に組合を入れるべき。
 部活などは対象から外すべき。
 来年度全校試行は拙速。やめるべきだ。
 何より、病休者・精神疾患者が増えているのか、なぜ不祥事が起こるのか、など教育的危機状況を共に解決していこうと話し合う場を持ち、論議していくことこそ今求められていると考える。」