民主教育研究所の緊急声明は、次のようです。
私たちはロシアのウクライナ侵略に反対し、
世界の人々とともに平和の構築に努めます
2022 年 3 月 4 日 民主教育研究所運営委員会
ロシア政府は 2 月 24 日、ウクライナへの侵略を開始した。
ロシア軍はウクライナの軍事基地だけでなく、
市民生活の場である主要都市を攻撃し、
非戦闘員である市民や子どもが犠牲になっている。
主権国家に対する明白な侵略行為であり、
どのような理由によっても正当化することはできない。
日本を含む世界各地ではもちろん、ロシア国内でも「侵略をやめよ」という声が渦巻いている。
3 月 2 日の国連総会では、141 カ国の圧倒的な賛成でロシアへの非難決議が採択された。
私たちは、ロシア軍の即時撤退を強く要求し、
関係者による和平への真摯な協議と合意によって問題の解決を図るよう切望する。
さらに見逃せないのは、プーチン大統領が、
ウクライナ軍の通常兵器による反撃に対して、核兵器使用の可能性に言及して威嚇していることである。
これはすでに核兵器禁止条約が発効し、「核兵器の存在自体が悪である」との認識が国際的に広まっているなかで、絶対に認められない暴挙である。
私たちは、核兵器による威嚇を直ちにやめるよう強く求める。
国際紛争の火種は、日本を含む東アジアにも存在し、
近年その緊張は強まってきている。
国内ではこの機会を利用して、憲法9条を改悪し、「敵基地攻撃能力」保有の検討や「核共有」議論の提言など、
軍拡競争をあおる論調も広がっている。
国際紛争を解決する確かな道は、
国連憲章や国際法にもとづいた平和外交を追求していくなかでこそ開けていくものである。
日本政府は唯一の戦争被爆国として、
憲法9条で武力による威嚇と行使を放棄した決意にもとづいて、
国際社会でも積極的な役割をはたすべきである。
日々の映像を通じてウクライナの現状に触れている日本の若者や子どもたちは、
罪のない市民や子どもたちが犠牲になっている事実に心を痛め、
不安や疑問(なぜ戦争は無くならないのか)を伴いながらも、
真剣に平和実現の道を探ろうとしている。
私たちは、こうした揺れ動く感情や真摯な探究の過程に寄り添うとともに、
人類が直面している解決困難な課題に、
若者や子どもたちとともに向き合い、
事実をもとに声をあげ、語り合い考え合う機会を共有することを
意識的に追求することが極めて重要であると考える。
こうした姿勢にもとづく実践と研究が、いま切実に求められており、民主教育研究所はその課題に真剣に応えていく決意である