少し報告が遅くなりましたが、静岡地方裁判所 民事第2部への『木村百合子さんの公務災害認定を求める裁判の公正な判決を求める要請署名』が始まっています。
 署名用紙の鑑の文をお読みください。
 署名やこの事例に関心のある方、賛同できる方は、遠慮なくご連絡ください。
署名の鑑
 2004年4月木村百合子さんは、静岡県磐田市立東部小学校に新規採用され、4年生のクラス担任となります。念願の教職に就くことができ、希望に満ちたスタートでした。ところがそれから間もなく、百合子さんは大きな困難に直面することになります。百合子さんが担任したクラスには、多動性・衝動性が顕著な児童が在籍していました。百合子さんは、この児童の指導に行き詰まりました。同時に他の児童たちの中にも、百合子さんの指示に従わない子が現れ始め、クラス内の秩序が保てなくなりました。先輩教師に相談したり、指導方法を改善したりするなどしましたが、状況はよくなりません。多忙さゆえの長時間労働も相まって、5月の終わり頃には、心身ともに衰弱した百合子さんの様子が見られるようになりました。
 しかし、クラスが大騒ぎした時などの応急的な対処はあるものの、百合子さんと担任するクラスへの学校としての支援体制はつくられませんでした。それどころか、管理職などからは「おまえの授業が悪いから荒れる」「アルバイトじゃないんだぞ」「問題ばかり起こしやがって」などと責められる始末でした。百合子さんは、「本当に必死な毎日」、「必死にならなければ毎日を過ごせない状態」の中、「自分の最善を尽くしてきた。」「そのことだけは胸をはっていようと思う」と奮闘しましたが、状況が改善されない中、9月になってクラスの保護者から「ちゃんと子どもの話を聞いていますか」などと書かれた苦情の手紙が届きます。その翌朝、車の中で自死している百合子さんが発見されたのです。
 百合子さんのご両親は、百合子さんの死は公務災害によるものだと訴えましたが、地方公務員災害補償基金静岡県支部は、「通常考えられるレベルの困難」であり、「自死したのは百合子さんの脆弱さによるもの」として公務外の認定を下しました。ご両親はもちろん、事実を知った私たちはこの認定を到底受け入れることはできません。
 今、教育現場は、子ども達のために頑張っている教師たちに精神疾患が続発するという異常な事態となっています。百合子さんのような若い新任の教師たちも例外ではありません。百合子さんの事例が公務外ということになれば、異常な働き方をさせられている教育現場の実態が、改善なく放置されることになります。また新任教師に対する不十分な支援体制も、「通常のレベル」とされてしまいます。
 百合子さんの死が公務災害として認定されますよう、貴裁判所の公正な判決をお願いいたします。

 尚、木村百合子さんは、静岡県職員組合磐周支部の組合員であった方です。磐周支部では「中立の立場」(百合子さんのご遺族と地方公務員災害補償基金静岡県支部支部長県知事の双方から中立?)に立つと言うことです。公務災害認定ですから、管理職などの責任を求めているわけではないのですが。
 同組合員の方でも、個人の立場でご賛同いただければありがたいです。
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