いったい誰のための教職員評価か?

 東京都や埼玉県などではすでに全面実施されている教職員評価(人事考課制度)ですが、静岡県でも今年度21校が指定されて試行(来年度は政令市を除く全校で試行の予定)が始まっています。

教職員評価で県教委と交渉

 先日、高教組と合同で教職員評価についての県教委交渉がありました。
 交渉の中で明らかになったことは、主に次のようなことです。

問題多いのに来年度全校試行と県教委

 まず、この4月からの短い間にも「どのような自己目標を立てればいいかがよくわからない。」「校長が全職員と面接したり授業参観をしたりするような時間がとても作れない。」「部活指導を評価項目に入れることに無理がある。」といった問題点が出てきていることです。それにもかかわらず、来年度全校試行という計画は動かさないというのが県教委の姿勢です。

教職員評価でどう良くなるか語れない県教委

 また、施行された学校で何が調査・検討されているかといえば評価するための実務的な問題点だけで、肝心の教員の資質向上や子どもへの効果については調べようともしていないのです。牛乳パックの時も、二期制導入の時もそうでしたが、それをすることが良いか悪いかは横に置いておいて完全実施するための条件整備をすることが、彼らの言う「試行」なのです。

民間経営コンサルタントと提携

 さらに明らかになったことは、評価者(つまり校長)の研修プログラムが民間の経営コンサルタントリクルートマネジメントソリューションズという会社です)と提携して作られているということです。学校経営や教員養成などの専門家が入るならまだしも、利益追求の民間企業の専門家と提携するところに教職員評価の本質が現れていると思いませんか? そのうち、「確かな学力を身につけるために」なんていう研修会に出てみたら商品開発やマーケティングの専門家が講師だった、なんてことになるのかもしれません。

10年次研修ではすでに経営コンサルタント会社の社長による講義が組まれています

静岡市の検討委員会にも 委員の一人は 経営コンサルタント会社の人

  どおりで、学校現場になじまない言葉が、よく出ているなと思っていました。
「教職員評価」導入の是非は、「学校」を民間流に変えていいのかの是非と同一。1、2年の試行くらいで決められては、たまりません。拙速への批判を!