重要な 附帯決議 の内容!

労働安全衛生法の一部「改正」の際に、「学校教育の場で  一層の徹底を」という附帯決議が盛り込まれています!

                【附帯決議】
 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、労働時間に着目した健康確保対策の実行に万全を期するとともに、賃金不払残業への 厳正な対応や時間外限度基準の遵守の徹底に取り組むこと。また、始業・終業時刻の把 握等労働時間管理の徹底を指導するなど、重点的な監督指導を行うこと。

二、面接指導制度は、事業者に法的に課せられたものであることにかんがみ、その適切な 実施を図るため、義務規定に違反している場合又は努力義務規定の趣旨を満たしていな い場合において、事業者に対し必要な指導等を行うこと。また、労働者の意思を尊重し つつ、確実に申出を行うことができるよう労働者が時間外労働時間数を確認できる仕組 みの整備、申出手続の整備及び労働者に対する実施体制の周知並びに個人情報の保護の 徹底などについて事業者を指導すること。さらに、メンタルヘルス対策として、地域産 業保健センターや精神保健福祉センターにおいて、労働者の家族を含め、相談をしやす い体制を整えること。

三、過重労働対策・メンタルヘルス対策を衛生委員会等の調査審議事項に追加するなど、 衛生委員会等の機能強化に努めるとともに、小規模事業場における安全衛生管理体制を 強化するため、その在り方について調査検討を進めること。また、中小企業に対し過重 労働対策・メンタルヘルス対策の必要性について周知徹底を図るとともに、地域におけ る労使の参加と協力を進め、地域産業保健センターの機能と活動の強化を図ること。

四、製造業における元方事業者等を通じた請負事業者との安全衛生管理体制に関しては、 製造現場の実情を踏まえ、元方事業者による安全衛生協議会の設置や作業場巡視、教育 指導と援助、安全衛生管理指導等一体的な管理体制の普及について、所要の措置を講ず るよう速やかに調査検討を進めること。

五、労働時間等設定改善指針の策定に当たっては、育児・介護、地域活動、単身赴任、自 己啓発等を行う労働者の実情に応じた労働時間等の設定の改善を促進するものとなるよ う留意するとともに、年次有給休暇の取得率向上に向けて、計画的付与制度や長期休暇 制度の普及促進等実効性ある施策を推進し、一般労働者の労働時間短縮対策に尽力する こと。

六、労働時間等設定改善委員会の設置を促進するよう周知徹底を含め実効性ある施策を図 るとともに、一定要件を満たした衛生委員会を労働時間等設定改善委員会とみなすに当 たっては、法に定める要件が遵守されるよう、制度運用に万全を尽くすこと。

七、複数就業者に係る労災保険給付基礎日額の算定方法については、その賃金の実態を調 査し、早期に結論を得ること。

八、建設業等の有期事業におけるメリット制の改正に当たっては、いわゆる労災かくしの 増加につながることのないよう建設業関係者から意見を聴く場を設けるなど、災害発生 率の確実な把握と安全の措置を図るとともに、建設業の元請けの安全管理体制の強化・ 徹底等の措置を図り、労災かくしを行った事業場に対しては司法処分を含め厳正に対処 すること。また、労働安全衛生マネジメントシステムの導入拡大による労働災害の予防 を図るとともに、導入企業に対する公共事業の企業評価における優遇措置など導入促進 を図るための多様なインセンティブを与える具体策について調査検討すること。

九、企業間競争の激化や働き方の多様化が進む中で、労働者の協力・参加の下で行う事業 者の自主的な安全衛生活動の役割が一層重要となることを踏まえ、その促進に向け格別 の配慮を行うとともに、学校教育の場においても労働安全衛生の必要性について指導の徹底を図ること。

十、本法の内容と密接に関わるILO第155号条約の早期批准に向けて、検討を行うこ  と。
                            右決議する。

働く者のいのちと健康を守る全国センター理事会声明から

  「過重労働による健康障害防止のための総合対策」の「45時間」「80時間」の基準も「努力義務」として、私たちの運動いかんで残る可能性が付帯決議によって出てきました。
  またILO155号条約の早期批准も付帯決議に盛り込まれました。ILOの155号条約とそれにもとづく「労働安全衛生マネージメントシステム・ガイドライン」(2002年策定)は、労働安全衛生活動への労働者の参画権、危険作業の就労拒否権、同一事業所で2つ以上の企業の労働者が働く場合は元請企業の安全管理責任を明らかにしています。付帯決議は部分的とはいえ私たちの要求を反映した内容が含まれています。

  

学校現場での労働安全衛生体制を実のあるものにするためにがんばりましょう。

  静岡県内でも、学校教職員対象の 安全衛生規定を設けているところがあります。内容が、健康診断の把握だけになっているところもあるようです。市町教委に問い合わせて、「規定」の存否と現物を手に入れて送ってください。  
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