学校教育法「改正」法案(特別支援学校など)提出をめぐる情勢

法案提出と審議をめぐる動向

法案提出日程について

① 今国会に5本の政府提出文科省関連法案の提出が予定されています

② うち3本は、3月までに審議しなければならない日切れ法案です

③ 2月3日提出された、「義務教育費国庫負担法等の一部改正法案」では小中学校等と養護学校の国庫負担制度を統合する内容が含まれています。これは総額裁量性の中で、養護学校と小中学校等の教職員配置をより流動化させることにつながります。

④ 学校教育法「改正」案は、3月上旬国会提出と予定されています。

閣議実施日が、火曜・金曜のため、3月3日、7日、10日のどれかに、提出されるものと考えられます。

⑥ 法案の詳細は提出されないとわかりません。

(2)法案審議日程について

① 学校教育法「改正」案は、参議院先議で審議されることになっています。予算決定後、4月早々の審議が予測されます。教育基本法改悪法案提出にむけた審議体制づくりのための措置だと考えられます。

2、法案の本質と注目すべきポイントについて

(1) この法案の本質は「構造改革」・障害児教育の予算削減となることが予測されます。

(2) 中心的課題は、「特別支援学校」化の問題です。

(3) 障害種別を超えた新しい学校制度に関連する標準法「改正」(学級編制と教職員配置)が一括審議されます。ここが最重要問題となります。

(4) 障害児学級の障害種別設置(施行規則)の扱い、通級指導教室の障害種別設置原則の問題も重要です。

(5) 問題点の解消、及び、通常学級のLD児等の指導のための教職員配置、通級指導教室の教室編制基準作成および教職員配置、障害児学校の障害種別に対する専門性確保の体制・制度、センター的機能にともなう教職員の配置、その他、数多くの修正要求と、修正した内容にもとづく教職員定数改善計画を策定させるとりくみが、短時間のうちに求められることが予測されます。

(6) 法案が提出され次第、各構成組織で、緊急の法案検討をすすめましょう。

3、その他

(1) 全教・教組共闘でとりくんできた「すべての子どもたちに豊かな発達保障につながる障害児教育関連法制度の充実を求める」署名は、すでに20万筆を超えました。

(2) 2月20日に提出・国会議員要請行動を計画しています。お手元の署名は大至急、全教までお送りください。

学校教育法等の一部を改正する法律案の概要

趣旨   児童生徒等の障害の重複化に対応した適切な教育を行うため、現在の盲・聾・養護学校から障害種別を超えた特別支援学校とするための改正を行う。

概要 学校教育法の一部改正

・ 盲学校、聾学校養護学校を障害種別を超えた特別支援学校に一本化。

・ 特別支援学校においては、在籍児童等の教育を行うほか、小中学校等に在籍する障害のある児童生徒等の教育について助言援助を行うことを規定する。

・ 小中学校等においては、学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害ADHD)等の児童生徒等に対して適切な教育を行うことを規定。

教育職員免許法の一部改正

・ 現在の盲・聾・養護学校ごとの教員免許状を特別支援学校の教員免許状とし、当該免許状の授与要件として、大学において修得すべき単位数等を定めるとともに、所要の経過措置を設ける。

その他関係法律の一部改正

・ 特別支援学校の創設及び特殊教育を特別支援教育に改めることに伴い、関係法律について所要の規定の整備を行う。

施行期日

平成19年(2007年)4月1日